アラブ首長国連邦への移住

出稼ぎ労働者が占めるアラブ首長国連邦

西アジア・中東のアラビア半島のペルシア湾に面した7つの首長国からなる連邦国家のアラブ首長国連邦。東部はオマーン、南部および西部はサウジアラビアに隣接し、近年では国名の英字略であるUAEの使用も見られます。1958年アブダビ首長国に石油が発見されて以来、ドバイ、シャルジャなどの首長国にも次々に豊かな油田が発見され、アメリカ合衆国、イギリス、日本の石油資本が開発に乗り出し石油産出国として多大な国富を得ています。在来のアラブ人は国民全体の13％を占めるに過ぎず、他のアラブ諸国やイラン、インドやパキスタンなど南アジア、フィリピンを中心とした東南アジア、欧米、東アジアなどからの出稼ぎ労働者である外国籍の住民がほとんどです。

商業都市化が進むドバイ

アラブ首長国連邦在住の日本人は、海外駐在員とその家族が中心で、その数は約3,800人に及び、アフリカ・中近東諸国では最大規模となっています。大半がドバイに集中し、日系企業の進出に伴ってホテルなどの観光業・サービス業の従事者が増えています。イスラム教を国教としながら、他の湾岸諸国に比べ戒律規制が緩く、酒や豚肉料理を提供するレストランや首都アブダビとドバイには日本人学校も開設されるなど住みやすい環境が整っています。

アラブ首長国連邦の気候

アラブ首長国連邦の気候は基本的に暑く乾燥しており、年間で最も気温が高いのは7月と8月で、海岸部では最高気温が48℃を上回ります。夏の後半には南東からシャルキ（高湿の風）が吹き込むため、体感温度が高くなり体力を消耗することもあるでしょう。また、海岸部では夏季の短時間に豪雨が降り、洪水を引き起こすこともあります。

アブダビの気温と降水量

アブダビの年間気温と降水量は以下の通りです。

ドバイの気温と降水量

ドバイの年間気温と降水量は以下の通りです。

アラブ首長国連邦の治安

まずは、グラフをご覧下さい。国連の統計局によるアラブ首長国連邦の犯罪データです。イメージを掴みやすくするために日本のデータも併記します。

※単位は10万人あたりの人数
データ参照元：国際連合世界統計年鑑　NR=報告・データなし

アブダビやドバイに関しては、犯罪も極端に少なく治安が良い都市と言えます。その理由は政治的な安定や、政府の徹底した治安維持対策にあり、道路や公共施設の至るところに監視カメラが設置され、国民一人当たりの警官の数は日本の約6倍と言われています。厳しい入国審査だけではなく、離職した外国人は1ヵ月以内に退去させるなど、不法滞在への対策にも力を入れています。イスラム教国であるUAEの文化や信仰に配慮して、肌の露出や男女の接触（ハグやキスなども）、自宅やレストラン・バー等の指定された場所以外での飲酒や喫煙を控えるなど、ルールをよく知り、自分自身が治安を乱すことがないようにしましょう。