ハワイへの移住を考える
ハワイへの移住を考える 『常夏の楽園』と呼ばれるハワイ。世界中から多くの観光客が訪れているだけではなく、年間を通して温暖な気候、そして癒しを感じられる雰囲気に……- ハワイ
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ハワイを含むアメリカでは、90日以内の観光等を目的とした滞在であれば、ビザは不要です。しかし、ESTA(電子渡航認証システム)の取得は義務付けられています。ESTAの申請はオンライン上で行い、本人以外が代理で行うこともできます。遅くとも出発の72時間前には申請を完了させることが推奨されており、一度の認証で2年間は渡航が認められます。
90日を超える滞在、もしくは観光や商用以外で渡航される方は事前にビザを取得しなければなりません。ハワイを含むアメリカのビザはルールが煩雑で種類も多いことで知られています。現時点(2017年)で、ビザの種類は30種類。そのなかには、E-3ビザ(オーストラリア人就労者向け)やSビザ(国際テロリスト等の情報提供者向け)など、日本人が通常の生活を送るうえで、ほぼ関係のないものも含まれます。
なお、永住権は配偶者(結婚)と家族、米国への投資、抽選などがあります。
乗務員向けのDビザやスポーツ選手に与えられるPビザ、官僚など政府職員が公用で訪れる際に取得するAビザなど、特定の職業や立場に特化したビザを除くと、長期滞在希望者が申請できるビザは限られています。
また、ビザの種類によってはハードルが決して低くはないため、気ままなロングステイをしたい方にとっては、難しい国と言えるかもしれません。
では、長期滞在に向いていると思われるビザを幾つか紹介してみましょう。
主な目的を観光と商用に限定しており、ビザ免除期間(90日間)では足りない方が対象です。しかし、90日未満の観光または商用を目的とする滞在に関して、ビザが免除になっている現状、それ以上滞在しなければならない明らかな理由が必要とされており、取得は難しいと言われています。
また、該当のビザを取得しても、入国は審査官の判断に委ねられているため、入国拒否をされるも少なくありません。
アメリカ国内の認定された大学、大学院、私立高校、専門学校(語学スクールなど)で学ぶ方が対象です。基本的に就労は認められていませんが、学位を取得できる学生に対しては、卒業前後にトレーニングを目的として1年間の就労が認められています。
また、配偶者および21歳未満の未婚のお子さんに対しては、F-2ビザを申請することが可能です。
同じ専門学校でも政府認定の語学スクールで学ぶ方は学生ビザ(F-1ビザ)ですが、技術習得のための学校に通う場合は、こちらのビザになります。学生ビザに比べて短期間で、期限はプログラムなどによって異なります。このビザも配偶者および21歳未満の未婚のお子さんに対しては、M-2ビザを申請することが可能です。
注意点は、たとえMビザ滞在中にハワイでもっと暮らしたいと思ったとしても、MビザからFビザへの変更が極めて難しい状態であることです。Fビザの方が原則としてビザの期限は長いので、よく検討してから申請するようにしましょう。しかし、Fビザ取得者でも学校の成績が好ましくない場合などは、延長が却下されることやビザが取り消されることもあります。
他にもアメリカの企業で専門的な職業に携わる方への特殊技能職ビザ(H-1B)や、研修ビザとも言われる交流訪問者ビザ(J-1ビザ)があります。
アメリカの永住権取得は、配偶者ビザを除き、全て厳しい条件が設けられていますが、運次第で取得できる可能性もあります。それが移民分散化プログラム(Diversity Immigrants Visa Program)です。
移民分散化プログラムは、毎年抽選で5万件の移民ビザを割り当て、申し込み期間中に申請をした応募者の中からコンピューターによる無作為で抽選されるため、誰にでも永住権を獲得できるチャンスがあります。また、これに応募しただけでは永住権を申請したことにならず、永住権の申請資格を得るプログラムに応募したに過ぎないので、移民法にある「過去に永住権の申請経験がある」には該当しません。
この制度が開始されたのは1991年度で、6,413人の日本人が当選しました。しかし、これは応募規定に1人1通と申請条件を付け加えなかったためで、多くの日本人応募者が複数の申し込みを行ったことが原因と考えられています。翌年からは1人1通の申請条件が付け加えられ、日本人の当選者は毎年200件~1,000件程度で推移しています。
抽選は、アジア・オセアニア・アフリカ・ヨーロッパ・北米・南米の6つの地域に分けられていること以外、完全に無作為なので年によって日本人の当選者数にバラつきがあり、2003年には1,291件の当選がありましたが、2016年には204件しかありませんでした。
また、当選した後に永住権の申請を行いますが、発給数が5万件に到達した時点で締め切られるので、せっかく当選しても手続きが遅いと、その権利は無効になってしまいます。早急に手続きを行うようにしましょう。
自力で申請を行っても、ビザのサポートを行っている業者に依頼をしても、当選の確率は変わりません。しかし、申請書類の不備(書類の記入ミスや記入漏れも含む)が一つでもあると失格になります。実際、2002年度からは発給数が5万件のままにも関わらず、当選者を10万人にしています。これは、書類の不備で多くの失格者が出ることを想定した結果によるものです。
また、個人で応募をすると受付メールこそありますが、申込書の不備についてなど、一切の情報が提供されないため、当選発表の時期さえ分からないまま過ごすことになります。連絡をこまめにくれる業者へ申請の代行をお願いし、当選発表後はすぐに連絡をもらえるようにしておくと安心です。
ビザのルールは頻繁に変わります。同様に入国に関するルールも予告なく変わることもあるので、渡航をお考えの方は必ず直前に大使館などのページから情報を取得するようにして下さい。また、ビザは申請から発給まで時間を費やすことがあります。さらに、ビザに必要な書類を揃えるだけでも、想定以上の時間を要することが多いため、スケジュールはなるべく前倒し気味に進めることを意識しましょう。