ベトナムは各民族の統一国家

ベトナムの風景

「ベトナム社会主義共和国はベトナムの地で共に生活する各民族の統一国家である」

憲法第5条にも定められているように、ベトナムは多民族国家であることを規定しており、身分証にも民族を記入する欄が設けられています。それほど、多種多様な民族が入り混り、ベトナム政府が公認しているだけでも、その数は54種にものぼります。最も多い民族はベトナム族とも言われるキン族で、割合としては全人口の85~90%を占めています。そのキン族が話す言語がベトナム語で公用語としても使われています。

次に多い民族がホアンビン省やタインホア省の山間部に住むムオン族。他にも少数民族として、華人系のホア族やタイ系のタイ―族、さらにはクメール族、モン族などがいますが、少数民族はホア族とクメール族以外、ほとんどが山間部に住んでいます。

公用語のベトナム語の他に、広東語や北京語などを話す人もおり、一部の高齢者はフランス領土時代の影響からフランス語を理解することができます。また、近年は英語教育が一般的になっており、若い人を中心に英語を理解できる人が増えています。

生産量が世界の3割を占める農産物は?

安定した経済成長を遂げているベトナムでは、労働人口の約66%が第一次産業(農業、林業、水産業)に従事しています。近年は、第二次、第三次産業が急成長を遂げ、第一次産業従事者は減っていますが、それでも原油、衣料品、農水産物の輸出は絶好調の観光業と共に、重要な外貨獲得源となっています。

なかでも世界の生産量の3割を占めるカシューナッツと黒胡椒は品質的にも優れており、世界各国に輸出しています。また、ベトナムの農産物で有名なコーヒーは、ブラジルに次いで世界2位の生産量を誇り、その大部分が安価なロブスタ種(コーヒーショップなどで使用される豆は高級なアラビカ種)のため、インスタントコーヒーや缶コーヒー、製菓用などに輸出されています。現在はアラビカ種の栽培も行われており、お土産用としての販売や輸出だけではなく、ベトナム国内のコーヒーショップでも使用されるなど、その需要は非常に高まっています。

日本人も大好き!ベトナムの食文化

野菜が多くヘルシーで、日本人の口にも合うことから、日本国内でも急増しているベトナムレストラン。北部の料理は、隣接する中国やフランス統治時代の影響を受けて、マイルドで食べやすい料理が多く、一方、南部はカンボジアに隣接しているため、ココナッツミルクや香草を多用した料理が人気です。

また、ベトナムでは日本食レストランが急増しているので、日本食が恋しくなっても安心です。ただし、日系外食チェーン店の進出はまだ少なく、現地のベトナム人が経営している日本食レストランが多いので、日本人が食すと「少し物足りない」または「全然違う料理」と感じることも少なくありません。一方で、在住日本人から人気が高い日本料理店や日本人が経営する飲食店もあり、ホーチミンかハノイであれば、本格的な日本食を食べることができるでしょう。

しかし、せっかくベトナムで暮らすなら、現地の食文化を堪能してみたいもの。日本人からも好評なベトナムの定番料理には、どのようなものがあるのでしょうか?

さっぱりして食べやすい「フォー」

フォー

朝食としても食べられているベトナムを代表する料理「フォー」は米粉が原料の麺料理です。鶏や牛から出汁を取ったスープは、あっさりとしていて朝からでも食べやすく、鶏肉や牛肉、ハーブなどが具材として乗っています。本場は北部のハノイですが、ベトナム全土で食べられており、店によって味も違うので、好みの味を求めて様々な店で食べ比べてみましょう!

好みは分かれる「バインミー」

パインミー

ベトナム人の主食は米ですが、フランス領土時代の名残もあって、フランスパンもベトナムの食文化として定着しています。なかでもベトナム版のサンドウィッチ「バインミー」はベトナム国民が愛する定番のファーストフード。ソフトフランスパンの中に、バターとレバーパテ、なます、野菜、ハーブ、肉などを挟み、魚醤で味付けをしています。なますの酸味や魚醤の風味など、味や香りが独特なので好みは分かれますが、片手で食べられる手軽さもあって、屋台だけではなくバスターミナルなどでも販売されています。

ハーブと一緒に食べる「バインセオ」

バインセオ

旅行者から人気が高い「バインセオ」はベトナム風のお好み焼き(ベトナム風のクレープと言われることも)。ハノイなどベトナム北部では、あまり食べられていませんが、南部のホーチミンでは専門店があるほど日常的な家庭料理。主な具材はエビや豚肉、もやしなどで、ハーブと一緒に食べるため、意外にさっぱりしています。

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