日本人が被害に遭いやすい犯罪

ベトナムの風景

ベトナムの治安は近年の経済発展により、貧富の格差が拡大し、地方貧困層の都市部流入などに伴い、やや悪化傾向にあります。殺人や誘拐などの凶悪事件の発生は多くないものの、外国人の住宅を狙った空き巣やスリ、ひったくり、置き引きなどは頻繁に発生しています。また、日本人は空港や市場、路上、レストランで財布や現金などの貴重品を盗まれる被害が多発しており、外務省では注意を呼び掛けています。

なかでも被害が多いのは、スリ、ひったくり、置き引きの3つです。
スリは混雑している路上やショッピングセンターの他に長距離バスや列車の車内でも犯行に及びます。特に狙われやすいのは財布やスマートフォンで、気付かないうちにバッグから盗まれています。また、スリ行為は集団で行われることも多く、1人が目の前で自転車を倒すなどして注意を引き、その間に仲間がバッグから財布などを盗みます。なお、親しげに近寄って来る女性には特に注意が必要です。

スリ集団が日本語を理解できることもあり、日本語で話しているグループを見つけてはスリ行為を繰り返しているとの情報もあるので、複数で行動をしている時も油断をしないように気を付けましょう。

ひったくりは後方からバイクに乗った2人組で犯行に及ぶことがほとんどです。追い越しざまにバッグなどをひったくり、防犯対策として「たすき掛け」にバックを掛けていても、強引に奪おうとする手口が発生しています。被害者が転倒し引きずられ、大怪我をする被害も発生しているので、なるべく車道側を歩かず、多額の現金は持ち歩かない(または分散させる)等、工夫が必要です。また、タクシーの乗降時も狙われやすいので警戒を怠らないようにしましょう。

置き引きは、飲食店でトイレに立った隙などにバッグや貴重品を持ち逃げする犯罪ですが、最近は複数で犯行に及んでいるケースも多く、公園やデパートのベンチで座っている時に、犯人の1人が話しかけて気を逸らし、その隙に仲間が隣に置いてあるバッグを持ち去る手口が増えています。持ち物から絶対に目を離さないことを意識しましょう。

ベトナム国内の犯罪に関するデータ

まずは、グラフをご覧下さい。国連の統計局による韓国国内の犯罪データです。イメージを掴みやすくするために日本のデータも併記します。

殺人件数 暴行件数 誘拐件数 窃盗件数 強盗件数 性的暴行件数
ベトナム 2011 1.5 NR NR  NR NR NR
日本 2014 0.3 21.0 0.2 356.2 2.4 6.8

※単位は10万人あたりの人数
データ参照元:国際連合世界統計年鑑 NR=報告・データなし

国連世界統計年鑑による、ベトナム国内の犯罪に関するデータは、2011年の記録が最新で、殺人件数以外はNR(報告・データなし)でしたが、ベトナム公安省発表の最新データによると、2016年に発生したベトナムの犯罪件数は以下の通りになっています。

犯罪発生件数:54,511件
犯罪検挙件数:42,558件
経済犯罪検挙件数:16,823件
薬物犯罪検挙件数:18,742件

ベトナムでは薬物に関する犯罪が多く、場合によっては20年の懲役、終身刑または死刑に処されます。興味本位で近寄らないようにしてください。

不法に出回っている銃

ベトナムでは国境を越えた銃器の密輸ルートの検挙や戦争当時の銃器が発見されたことが相次いで報道されており、不法に銃が出回っていると推測されています。特に近年は都市部において、ギャング系のグループ抗争や交通事故トラブルを発端とした発砲事件が発生しています。

また、強盗事件も国内各所で発生しており、いきなり路上で殴られ金品を強奪されるケースやナイフなどの凶器を突き付けられるケースなど、手口は様々で、中心部の通りを歩行中に英語で話しかけられ、足を止めた瞬間に両腕を押さえられ財布を奪われる事件も起きています。

夜間など人通りが少ない時間帯は、路地裏や小道などを歩くのは避けた方が良いでしょう。

なるべく運転は控える

ベトナムの風景

ベトナムでは走行中のバイクを狙う盗難事件が多く、死亡事故にも繋がりかねません。また、ベトナムのドライバー(バイクも含む)は、そもそも交通ルールや交通マナーに対して無頓着な面があり、スピード違反や信号無視は日常的なので、ベトナム流の交通マナーを把握していない状態で運転をすると高い確率で交通事故を起こしてしまうと言えます。

また、バイクを運転する際でも自動車保険に加入し、走行中の盗難を警戒し、なるべく荷物を持たないようにしましょう。安価なヘルメットが多く出回っていますが、粗悪な品質のものが多いため、安全基準を満たした正規のヘルメットを着用して下さい。

交通事故を起こした場合は速やかに警察へ届け出なければなりません。ただし、農村部や少数民族が居住しているエリアでは、交通事故を起こした際、多数の群衆に囲まれることがあり、当事者の一方が外国人だと分かると、同胞意識の高さから一方的に反感を買うことも珍しくありません。群衆から襲撃されそうな気配を感じたら、すぐにその場を離れ、身の安全を確保したうえで警察に連絡をしましょう。なお、ベトナムの交通警察官の大半はベトナム語しか話せません。通訳が必要な場合は、ご自身で通訳を手配する必要があります。

ベトナムで事件に巻き込まれたら

ベトナムに限らず、どこの国でも身の安全を第一に考えて行動することが鉄則です。例えば、ひったくりに遭った場合、奪われた金品を奪い返そうとするのではなく、自分の命を最優先に考え、安全な場所へ身を移すようにしましょう。奪われた物が返って来ることはありませんが、海外旅行保険などに加入していると、後に保険金を請求できることもあります。請求の際、多くの保険会社では現地の警察によって作成された証明書が必要になります。どのような書類が必要で、どのタイミングで申請を行うのか?保険に加入する時は細かいことまでチェックをしておきましょう。

ベトナムでの主な緊急連絡先一覧

ベトナムでの主な緊急連絡先を記載します。都市によって電話番号や連絡先の大使館・領事館が異なる場合があるので、住むエリアが決まったら必ず緊急連絡先を確認し、何かあった際に直ちに連絡できるよう、メモなどを残しておきましょう。

◆警察 113
◆救急車 115
◆消防 114
◆在ベトナム日本国大使館 024-3846-3000
◆在ホーチミン日本国総領事館 028-3933-3510

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