ベトナムの消費税(付加価値税)の税率は?
ベトナムの税金について紹介します。ここでは企業が納める法人税などは除き、あくまで個人が生活するうえで納める義務のある税金を中心に記載します。
日本の消費税にあたる税金として、ベトナムには付加価値税があります。標準税率は10%で、ベトナム国内で消費される商品とサービスに課税されますが、税率5%の軽減税率に該当するものも多いうえ、この線引きが頻繁に変わるので、あまり気にしていない国民もいます。
以下、5%の軽減税率に該当する商品・サービスの一例です。
◆水
◆食料品
◆農産物
◆畜産物
◆農業サービス
◆肥料
◆教育助成と児童用書籍
◆医薬品児童用書籍
◆医療機器
◆科学技術サービスなど
また、非課税の対象となっているサービスもあります。
◆医療サービス
◆特定の保健サービス
◆クレジットサービス
◆土地使用権の譲渡
◆金融サービスなど
ベトナムでは付加価値税の金額は基本的に内税になっているため、税込価格で表記されていますが、稀に税抜価格で表記されている店舗もあります。その際は会計時に付加価値税が追加されるので、気を付けましょう。
ベトナムの個人所得税
個人所得税の納税義務者は居住者と非居住者に区分され、その区分に応じて、課税対象となる所得の範囲や税率が異なります。
ベトナムでの居住者とは「1年の半数以上をベトナムで滞在した人」を指し、暦年のうちにベトナム国内に183日以上滞在している人あるいはベトナム入国日から起算した連続する12ヶ月のうちに183日以上滞在している人が該当します。
また「ベトナム国内に居住を有する人」も居住者に該当し、具体的にはテンポラリーレジデンスカードに登録された居住(恒久的な居所)を有する人あるいは契約期間が183日以上の賃貸住宅等を有する人を指します。
ただし、ベトナムで183日以上の賃貸住宅を所持していても、暦年でベトナム滞在日数が183日未満で、なおかつ他国での居住を証明できれば、ベトナムの非居住者とみなされます。※上記に該当しない場合も非居住者とみなされます。
居住者の課税対象期間は、ベトナム入国日から連続する12ヶ月のうち滞在期間が183日以上になる場合、入国日から連続する12ヶ月間を課税対象期間とし、翌年以降は暦年となります。そのため、初年度と翌年度に重複する期間が生じますが、その期間の分は控除されます。非居住者は所得が発生した都度、申告義務がありますが、確定申告は要求されません。
居住者の課税対象範囲は、所得の源泉がベトナム国内にある場合だけではなく、全世界での所得を対象とします。税率は所得の内容によって異なり、一例を挙げると、事業所得は0.5%~5%、投資所得は5%、投資譲渡所得(資本譲渡益)は20%など、所得タイプに応じて区分されています。給与所得は累進課税。税率は5~35%で、課税対象期間内に受け取った全ての給与、報酬、その他の収入の合計金額を課税所得とします。
非居住者の場合は、原則としてベトナム国内を源泉とする所得に対してのみ納税義務が発生します。税率も居住者と異なり、事業所得は1%~5%、投資譲渡所得(資本譲渡益)は取引額に対して0.1%、投資所得は居住者と同じ5%です。非居住者も所得タイプに応じて税率は異なり、給与所得に関しては一律20%となっています。
その他の税
他にも<外国契約者税>や<天然資源税>、<非農地使用税>など、ベトナムには数多くの税制があります。
一部の在住者に関係する税としては、<環境保護税>があり、たとえばガソリンなら1リットルにつき1,000~4,000ドン(約5円~40円)、ビニール袋1キロにつき30,000~50,000ドン(約150円~2500円)、課税されます。また<特別消費税>として、タバコや酒類、自動車、マッサージ、カジノなどにも、それぞれ異なる税率が課税されます。
※こちらの記事の税制は2017年9月時点の制度です。変更している可能性もありますので、ご了承下さい。なお、日本円の表記は2017年9月のレートで参考として表記しています。為替相場によって現在の金額は変動している可能性がありますので、ご了承下さい。