在住日本人は私立病院が一般的

ブラジルの病院

ブラジルの公立病院は外国人であっても医療費は原則として無料です。しかし、待ち時間が非常に長く、設備や衛生面も決して整っているとは言えないため、在住日本人の多くは設備や衛生面で優れている私立病院を利用しています。公立でも私立でも総合病院には24時間の救急外来がありますが、産科や小児科などは総合病院に入っておらず、独立した病院になっていることがほとんどです。

私立のクリニックは原則として予約制になっています。サンパウロには数こそ少ないものの、日本語を話せる医師が存在していますが、ほとんどの場合はポルトガル語になるので、通訳を依頼することになります。持病がある方や特定の薬を服用している方は、日本からポルトガル語に翻訳された診断書や処方箋があると良いでしょう。

なお、保険に加入していない場合、医療費は高額に膨れ上がります。システム的に診察や検査など、それぞれ個別に支払うことが多く、現金やクレジットカードでの支払いは可能ですが、医師に支払う診察費や手術費は現金または小切手に限定されており、原則としてクレジットカードは利用できません。

気を付けたい感染症

ブラジルの病院

主に熱帯気候に属するブラジルでは、様々な感染症が報告されています。ここでは、ブラジルで流行しやすい感染症について、お伝えします。

◇デング熱
蚊の媒体で発症する感染症で、ブラジルでは毎年のように大流行します。潜伏期は3~14日で高熱や頭痛、関節痛が1週間ほど続きます。初期症状が風邪に似ているため判別しにくく、さらに現在のところ、予防接種や治療薬はありません。蚊を媒体するので、蚊に刺されないようにすることが大切です。日頃から虫除け対策を万全にしましょう。同じく蚊を媒体とする感染症として、ジカ熱やチクングニア熱などがあります。

◇呼吸器感染症
主に北部の熱帯地方では1年を通して冷房を利用し、南部では冬に空気が乾燥します。そのため、どの地域でも上気道炎や肺炎に罹りやすく注意が必要です。湿度を保つことが大切なので、加湿器の利用あるいは水分補給を意識し、予防に努めましょう。

◇感染性胃腸炎
ウイルスや細菌などに汚染された水や食べ物から感染します。同じような気候の東南アジアでも多い感染症で下痢や嘔吐、発熱などを伴う激しい腹痛が特徴です。症状が軽い時は水分補給などで様子を見ることも可能ですが、症状が強い場合や症状が続く時は医療機関を受診しましょう。

◇有毒性動物
熱帯気候の国には、蠍(さそり)やヘビ、蜘蛛など有毒性のある生物が多く、咬まれることや刺されることによって死者も出ています。特に郊外でのアウトドアや野外活動では、なるべく肌の露出を避け、有毒性動物が多そうな藪の中などには入らないようにして下さい。また、長袖・長ズボン等の着用は、蚊を媒体する感染症にも有効です。毒の有無がハッキリしない場合でも、刺咬傷を受けた際は直ちに医療機関による受診を受けましょう。

◇マラリア
アマゾン地域などのブラジル北部7州と、その周辺ではマラリアが流行します。これもマラリア原虫に感染した蚊を媒体とし、潜伏期は三日熱マラリアの場合は12~17日程度、熱帯熱マラリアの場合は7日~14日程度です。熱帯熱マラリアは重症化するタイプなので、流行地域で蚊に刺され高熱が出た場合は直ちにマラリア専門の公立医療機関を受診して下さい。なお、公立医療機関は医療費が無料です。

その他、黄熱、狂犬病、肝炎、寄生虫症、シャーガス病などがあります。

水道水の飲用は不可

ブラジルでは基本的に水道水の飲用は不可とされています。都市部の水道水でさえ安全とは言えないため、ミネラルウオーターを利用しましょう。また、経口感染症が多く、予防のためには火の通ったものを食べ、手洗いやうがいを習慣的に行うようにしましょう。

また、蚊や昆虫、動物を介して感染する感染症が多く、例えばシャーガス病はサシガメと言う昆虫を媒体します。本来は人を吸血することで感染しますが、近年はサシガメのフンに汚染されたフルーツジュースやアサイー食品からの感染例が多く、野菜や果物を食べる際もよく洗ってから食べる等、注意が必要です。

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