スラム街には決して近づかないこと!

ブラジルの風景

一般的にも、あまり良いイメージを持たれていないブラジルの治安。リオデジャネイロでオリンピックが開催された時も治安に対する懸念が報道されていました。

ブラジルでは、ほとんどの都市でファベーラと呼ばれるスラム街が存在しています。なかでも、経済格差が大きい北東部および北部は治安が悪いとされていますが、サンパウロやリオデジャネイロなどの大都市にもファベーラは存在しており、強盗が多いだけではなく、ギャング同士の抗争や麻薬の密売、銃器の取引などが行われていることもあります。

興味本位で近寄ると殺人や傷害、強盗など大きな事件に巻き込まれる恐れもあるため、決して近づかないようにして下さい。また、自然が豊かな地方でも安全だとは限りません。地元の人でも近寄らない危険な場所もあるため、特に日が暮れてからの行動には注意が必要です。

ブラジル国内の犯罪に関するデータ

まずは、グラフをご覧下さい。国連の統計局によるブラジル国内の犯罪データです。イメージを掴みやすくするために日本のデータも併記します。

殺人件数 暴行件数 誘拐件数 窃盗件数 強盗件数 性的暴行件数
ブラジル 2013 23.6 323.9 0.2 873.8 495.7 27.5
日本 2014 0.3 21.0 0.2 356.2 2.4 6.8

※単位は10万人あたりの人数
データ参照元:国際連合世界統計年鑑 NR=報告・データなし

強盗や窃盗に遭わないために

誘拐事件を除いては、各項目ともブラジルの犯罪発生率は日本を上回っています。なかでも殺人件数は日本の約78.6倍と高く、他の国と比べても非常に高い数値です。また、暴行件数は日本の約15倍、窃盗件数は日本の約2.5倍、強盗件数は日本の約206.5倍となっており、特に強盗に関しては強い注意が必要と言えます。

外務省によると「一般市民における強盗被害に遭う確率はアメリカの約10倍あるいは、それ以上」とされており、空港タクシーの降車先や両替所、銀行ATM付近が狙われやすいスポットとして注意喚起がされています。実際に2017年1月以降、サンパウロの日系人が多く集まるリベルダージ地区で両替を行った日本人を狙う強盗事件が多発しており、犯人は銃器を使用するため、亡くなられた方もいます。このような犯人(もしくは犯行グループ)は、被害者の行動を把握しており、徒歩での移動中やタクシーの乗車・降車時を狙ってバイクで接近し、銃器で脅す犯行を繰り返しています。

また、空港からタクシーを利用する際に追跡されるケースも少なくありません。降車をする際にはホテルのセキュリティがあるエリア内もしくは居住先のガレージ内などにして、決して道路では降りないようにしましょう(特に深夜)。同様に、なるべくなら空港からの移動も深夜は避けた方が無難です。日本のように街灯の整備が進んでおらず、強盗による犯罪が起きています。地元の人でも深夜の運転は嫌がり、赤信号でも強盗を警戒して止まらないことも多いため、交通事故に遭遇する確率も高まってしまいます。

両替はショッピングセンターや空港など建物内のものを利用した方が安全です。強盗だけではなく、スリも多いので、財布(現金)は複数の場所に分けておくと良いでしょう。なお、スマホも高確率で狙われるため、出したまま歩かないように気をつけて下さい。

サッカー観戦でも注意は必要

サッカー人口の多さに比例するように熱狂的なファンも多いブラジル。サッカー王国だけあって各州にプロリーグがあり、大きな盛り上がりを見せています。しかし、フーリガンによる混乱が生じることも度々あり、無意識のつもりでも刺激をしてしまい(対戦相手のチームカラーの洋服を着ていた等)、暴行事件に巻き込まれてしまう恐れもあります。

さらに、混乱に紛れてスリ行為をはたらく者もいるので要注意。暴動が起きている時だけではなく、サッカーを観戦している最中でも財布や携帯などの管理には充分に気を付けましょう。

しかし、ブラジル人の大半は陽気で親日的。不注意や過信は危険を伴いますが、用心さえしていれば、必要以上に身構えなくても大丈夫です。

ブラジルで事件に巻き込まれたら

ブラジルの風景

ブラジルに限らず、どこの国でも身の安全を第一に考えて行動することが鉄則です。例えば、ひったくりに遭った場合、奪われた金品を奪い返そうとするのではなく、自分の命を最優先に考え、安全な場所へ身を移すようにしましょう。奪われた物が返って来ることはありませんが、海外旅行保険などに加入していると、後に保険金を請求できることもあります。請求の際、多くの保険会社では現地の警察によって作成された証明書が必要になります。どのような書類が必要で、どのタイミングで申請を行うのか?保険に加入する時は細かいことまでチェックをしておきましょう。

ブラジル国内での主な緊急連絡先一覧

ブラジル国内での主な緊急連絡先を記載します。都市によって電話番号や連絡先の大使館・領事館が異なる場合があるので、住むエリアが決まったら必ず緊急連絡先を確認し、何かあった際に直ちに連絡できるよう、メモなどを残しておきましょう。

◆警察 190
◆救急車 192
◆消防 193
◆在ブラジル日本国大使館 61-3442-4200
◆在サンパウロ総領事館 11-3254-0100
◆在リオデジャネイロ総領事館 21-3461-9595
◆在マナウス総領事館 92-3232-2000/92-3232-8582
◆在ベレン領事事務所 91-3249-3344
◆在クリチバ総領事館 41-3322-4919
◆在ポルトアレグレ領事事務所 51-3334-1299
◆在レシフェ領事事務所 81-3207-0190

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