観光目的などの入国は90日以内ならビザ免除

ブラジルのビザ

2019年6月16日までは、ブラジルへの入国は観光旅行であってもビザの取得が必要でした。また、観光に限らず、ブラジルへ入国する際は何らかのビザが必要であり、ビザなしでの入国は認められていませんでした。

しかし、2019年6月17日からは日本・米国・カナダ・オーストラリアの国籍者を対象に、観光や短期商用の査証(ビザ)が免除されるようになりました。

このビザ免除は、ブラジルに居住する意図を有さず、観光・商用・トランジット・芸術・スポーツ活動を目的としてブラジルに入国する場合にのみ限定されており、滞在期間は90日までを期限とし、最初の入国の日から数えて12ヶ月の間に180日を超えない範囲で90日の延長可能としています。

長期滞在に向いているビザ

ブラジルのビザで長期滞在に向いているビザは、どのような種類があるのでしょうか?
在東京ブラジル総領事館によると、大まかに分けて22の渡航目的に分けてビザが用意されています。

滞在可能期間が長いビザとしては、特派員ビザや国際協力協定に基づく派遣、ボランティア活動などがありますが、ここでは申請を希望する人が多いビザに絞って説明します。

労働ビザ

労働ビザは、就労(90日以上)、短期技術支援(90日以下)、緊急技術支援(30日以下)、就労ビザ保持者の家族が対象です。

就労ビザに関しては、滞在可能日数・最長有効期限がともに許可次第とされている出入国自由のマルチプルビザです。見開きページで余白が2ページ以上あるパスポート原本、写真、オンライン申請書の控え、ブラジル労働雇用省の事前許可、3ヶ月以内に発行された無犯罪証明書(未開封)などが必要です。また、ブラジル労働雇用省への就労許可の申請は現地受け入れの企業を通じて、直接ブラジル労働雇用省へ申請し、就労許可が認められてから6ヶ月以内に就労ビザの申請が行われなかった場合は、自動的に就労許可は取消になるので、ご注意ください。

学生ビザ

ブラジルの学生ビザは、小学・中学・高校・大学・大学院への入学、大学休学中の留学、医学留学、宗教学留学、語学留学、学生研修プログラムへの参加を対象としたビザです。なお、スポーツ留学やホームステイは、学術研究・文化交流ビザに該当するため、学生ビザでは申請できません。

滞在可能期間は最長1年で出入国自由のマルチプルビザになります。見開きページで余白が2ページ以上あるパスポート原本、写真、オンライン申請書の控え、渡航目的に応じた複数の書類が必要です。たとえば小学~高校へ入学する場合は、ブラジルの学校への入学証明書、留学費の保証ができる書類(残高証明書など)、海外旅行保険証券のコピーなどを添えて提出しますが、大学へ入学する場合は、これらに加えて、高校の卒業証明書、入試得点結果のコピー、3ヶ月以内に発行された無犯罪証明書が必要です。

最も多いであろう語学留学の場合は、パスポート、写真、オンライン証明書の控えの他に、ブラジルの教育機関への入学証明書(証明書に教育機関の正式名称、法人登録番号、住所、電話番号、メールアドレス、代表者のブラジル公証役場の認証が行われた署名、教育内容の詳細、留学期間、一週間の総授業時間=週15時間以上が必要=が記載されている必要があります)、留学費の保証ができる書類(残高証明書など)、海外旅行保険証券のコピー、3ヶ月以内に発行された無犯罪証明書が必要です。

リタイアメントビザ

ブラジルのビザ

ブラジルには年金生活者を対象としたビザがあります。これが他国のリタイアメントビザに相当します。最長滞在期限が無期限の永住ビザの一種で、必要書類はパスポートのコピー(身分事項ページ)と年金受給証明書(ポルトガル語または英語の翻訳文を添付し、翻訳者の氏名、翻訳に責任を持つ旨の宣誓と署名が必要)、銀行発行の送金手続き承諾書(毎月6,000レアル=約21万円がブラジルへ送金される旨が保証されたもの。また年金受給証明書同様に、ポルトガル語または英語の翻訳文を添付し、翻訳者の氏名、宣誓、署名が必要)、3ヶ月以内に発行された無犯罪証明書で、扶養家族が同伴する場合、2名まで無料ですが3人目以降は扶養家族1名につき、追加で2,000レアル(約7万円)が必要です。

申請に必要な年金額さえあれば、ブラジルでリタイアメントビザを取得することは難しくありません。また、扶養家族の同行も認められているので、家族での移住も可能になります。

その他のビザ

ブラジルには、その他にも永住ビザあります。ブラジル人の家族やブラジル永住権保持者の家族など、家族がブラジルで暮らしているだけでも申請は可能ですし(提出書類は複数あり)、外貨で500,000レアル(約1,738万円)以上の金額をブラジルに投資することのできる方も永住ビザを申請することができます。

他国の投資家ビザと比べても、金額面のハードルは高くなく、滞在可能期限も無期限と使い勝手が良いビザとして知られています。なお、リタイアメントビザも含めた永住ビザは、申請から取得までにかなり時間が必要とされ、場合によっては6ヶ月ほど掛かることもあるので、早めに申請をしましょう。

ビザに関する注意

ビザのルールは頻繁に変わります。同様に入国に関するルールも予告なく変わることもあるので、渡航をお考えの方は必ず直前に大使館などのページから情報を取得するようにして下さい。また、ビザは申請から発給まで時間を費やすことがあります。さらに、ビザに必要な書類を揃えるだけでも、想定以上の時間を要することが多いため、スケジュールはなるべく前倒し気味に進めることを意識しましょう。

※こちらの記事の日本円の表記は2017年8月のレートで参考として表記しています。為替相場によって現在の金額は変動している可能性がありますので、ご了承下さい。

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