税金は大きく分けて3つ

レアル

ブラジルの税金について紹介します。ここでは企業が納める法人税などは除き、あくまで個人が生活するうえで納める義務のある税金を中心に記載します。

ブラジルの税金は大きく分けると連邦税、州税、市税の3つに区分されています。この他に複数の社会負担金が存在し、ほぼ税金と同じような扱いです。また、税金の種類は非常に多く、地域や業種によって税率が異なることや、税に関する法令が頻繁に改定されることもあり、複雑で分かりにくい構造になっています。

個人所得税は累進課税

連邦税に該当する税は、個人所得税、法人所得税、工業製品税、輸入税、輸出税、農地所得税、金融取引税などがあります。

そのなかで、主に個人に対して関係する税は個人所得税でしょう。個人所得税は累進課税で、月間所得が1,903.98レアル(約66,200円)までは非課税。所得に応じて、税率は7.5%、15%、22.5%と定められ、最高税率は27.5%です。

また、労働ビザを保有していない方でも、12ヶ月以内のブラジルでの滞在期間が183日を超えると、税法上ではブラジルの居住者とみなされ、所得の申告が義務付けられます。不動産や動産、株式譲渡による個人の資産譲渡益などに対して課税され、税率は譲渡益の金額に応じて15%~22.5%です。ただし、ブラジルの居住者となる前にブラジル国外で所有していた資産や預金は課税対象外になります。

消費税に該当する商品流通サービス税

州税に該当する税は、商品流通サービス税(ICMS)、自動車保有税、相続・譲渡税があります。

日本の消費税に該当する商品流通サービス税はICMSと呼ばれ、商品の輸入や流通取引に課税され、通信や運輸サービスも課税の対象です。税率は取引の地域や種類によって異なり、例えばサンパウロ州やミナスジェライス州、パラナ州、アマゾナス州などの税率は18%ですが、リオデジャネイロ州では19%の税率になっています。また、嗜好品や贅沢品など特定の商品には異なる税率が定められており、一例を挙げるとサンパウロ州では、タバコに30%、酒類や香水、化粧品、ゲーム類、娯楽用品、スポーツ用品などに25%、肉類や小麦粉、運送サービス、自動車などに12%、卵や避妊具などに7%と、複数の特定税率があります。

また、自動車保有者にも自動車保有税が課せられ、車種や排気量あるいは州によって異なる税率が課せられます。

賃貸物件の家賃にも市税

ブラジルの風景

市税には、都市不動産所有税、生存者間不動産譲渡税、サービス税などがあります。賃貸で部屋を借りる場合も、都市不動産所有税(IPTU)の対象になります。税率は不動産の所在地や用途によって異なり、例えばサンパウロ市では居住用建物なら1%、非居住用建物なら1.5%を目安としていますが、不動産価額によって減額や増額をされることもあります。

しかし、日本で賃貸物件を借りる際にも、家賃に消費税が上乗せされ、税率は消費税と同様で一律8%なので、それを踏まえれば決して高い税率ではないでしょう。

その他の税

ブラジルには、その他に社会負担金があります。厳密に言えば税金とは異なりますが、連邦国税庁が徴収するため税金に準じたものとして捉えられており、社会保障や医療、福祉の財源もしくは失業保険の財源として徴収されます。支払いの対象は、雇用主や法人になるものが大半ですが、老齢年金や遺族年金などの財源として国立社会保険院(INSS)によって徴収される負担金は従業員も支払いの対象です。

※こちらの記事の税制は2017年9月時点の制度です。変更している可能性もありますので、ご了承下さい。

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