マナーや習慣の違いで生じる印象

中国の風景

法務省の統計によると、日本で暮らす外国人を国別で分けると最も多いのが中国人。横浜、神戸、長崎に三大中華街があるだけではなく、東京都の新宿区や池袋周辺にも中国人は多く、東京に関して言えば中国人の比率が人口全体の約0.73%と、日本で最も数・比率ともに中国人が多い都市になっています。また、訪日外国人観光客のなかでも中国人が最も多く、年間で約500万人が訪れるなど、日本国内で中国人を見かける機会は飛躍的に増えています。

しかし、歴史に対する認識や領土問題、マナーなど価値観の相違から、必ずしも良好な関係が築けているとは言えない側面もあります。その多くは日本人と中国人による習慣の違いが影響しており、たとえば「どこでも怒鳴ったように大声で話す」ことに関しても、声調や発音が関係し、決して怒っているわけでも喧嘩をしているわけでもありません。また「ルールを守らない」「マナーを守らない」と一言で結論付けてしまいがちですが、中国人の生活や習慣を知れば、新しい考え方や価値観に辿り着くかもしれません。

移住を検討している方なら、なおさら。広大な中国ゆえに、都市によっても文化や風習は違い、それぞれの土地で、それぞれの歴史が築かれています。また、家族観や仕事観、恋愛観も中国人と日本人では大きく異なります。

他人の目はあまり気にしない?

例えば、携帯電話に関するマナーでも日本人と中国人には違いがあります。電車やバスの中、病院内など、日本人は場所によって静かにしなければならない意識を強く持っており、なかには携帯電話での通話が禁止されているところもあります。しかし、中国では、そもそも公共の乗り物や病院内での通話が禁止されておらず、よって「静かに話さなければならない意識」もありません。さらに、周囲の目をあまり気にしない国民性のため、他人に会話の内容を聞かれることに対しての抵抗がなく、会話中の意識は電話の向こう側にのみ注がれています。そのため、相手が聞き取りやすいように大声で話すのでしょう。同様にバスや電車内での会話も周囲の音にかき消されないように大きな声で話しているだけで、そこに他人の目はありません。

「道にゴミを捨てる」「食事のマナーが悪い」なども似たようなもので、ゴミは掃除を行う清掃員の仕事であって、社会での役割分担がされています。食事は誘ってくれた人のためにも「楽しんで食べることが何よりの礼儀」と考える傾向が強く、よって、想像し難いかもしれませんが、中国人の家や部屋の中は非常にキレイに整っています。

それに少し関連するように、コミュニケーションにも違いがあります。中国人は、他人からどのように思われるか?を日本人ほど気にしないので、聞きたいことや言いたいことを包み隠さずに伝える傾向があります。また、相手との距離を保ち、本音と建前を使い分ける日本人には理解が難しいほど、感情の表現がストレート。そのため、愛想笑いなどもあまりしないため、移住直後は飲食店などでのサービスの悪さに驚くかもしれません。しかし、ぶっきらぼうな言い方や無愛想な表情に悪気はないので、顔見知りになるなど、仲が良くなると自然な笑顔を見せてくれるようになります。

食べやすく飽きの来ない中国料理

中国料理

中国では日本食が広まっており、大きな都市では日本食に困ることはないほど、沢山の飲食店を目にすることができます。また、都市によっては日本の食材を扱うスーパーもあります。

しかし、せっかく中国に住むのなら、現地ならではの味を堪能したいもの。世界三大料理の一つに挙げられ、日本人にも馴染み深い中国の食文化は、地方によって特色や食材が異なり、また調理法や味付けにも違いが見られます。大地の恩恵を受けた上海料理、飲茶文化もある広東料理、辛さが決め手の四川料理、身体を温める料理が多い北京料理など、バラエティー豊かな中国の食文化を満喫しましょう!

港町料理として広まった「上海料理」

小龍包

観光都市として日本人からも人気の高い上海が発祥の上海料理。港町だけあって、新鮮な魚介類を使った料理が目白押しです。その代表格とも言える料理が「上海蟹」で濃厚な身の味わいは一度食べたら忘れられないほど。調味料としては醤油や黒酢などを使用しており、甘さとコクに溢れる料理が多いことが特徴として挙げられます。「小龍包」や「角煮」も上海料理の一つです。

外国で最も食べられている「広東料理」

北京ダック

長い歴史を誇る中国の中でも「食は広州にあり」と言わしめたほど、食の都として栄えた広東省。瞬く間に外国へと広まり、世界で最も多く食べられている中華料理が広東料理と言われています。素材の持ち味を活かした料理が特徴的で食材や調理法は多種多様。主に魚を使った料理が多いですが、日本の家庭でも馴染みのある「酢豚」や「八宝菜」も広東料理の一種です。

唐辛子を上手に使う「四川料理」

麻婆豆腐

他の中華料理と比べて香辛料を多用することでも知られている四川料理。酸・辣・麻・苦・甜・香・鹹(塩)の七つの味で成り立つと言われており、唐辛子や花椒などをアクセントに使いながら、豆板醤など個性的な調味料を用いて濃い味付けをした料理が多いことが特徴です。「回鍋肉」や「青椒肉絲」「麻婆豆腐」「担担麺」など日本人からも愛される料理が並びます。

もともとは宮廷料理の「北京料理」

北京ダック

宮廷料理だった北京料理は、中国北部の寒い地方が発祥のため、身体を温める料理が多いことが特徴的です。現在では、一般的な北京市民の家庭料理や屋台で提供される郷土料理も北京料理として分類されており、米や魚よりも肉を使った料理が多いと言われています。「北京ダック」や「水餃子」「葱油餅」などが有名です。

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