多くの医療機関が予約制を導入

中国の病院

国土の広い中国は都市によって気候も様々で、たとえば首都の北京では夏は気温が40℃を超える日がある一方で、冬は-10℃を下回る日があり、空気も著しく乾燥しているため風邪や皮膚のトラブルなどを起こしやすく、エアコンや加湿器などを利用して温度や湿度の調整を行う必要があります

また全国的に深刻な大気汚染の問題を抱えているため、風邪を引いた後に咳や痰がなかなか治まらず、喉の痛みなど、特定の症状を訴える人も増加傾向にあります。さらに、季節によっては大量の黄砂などが飛来するため、呼吸器系の症状やアレルギー症状が出やすく、日常的にマスクを利用すると良いでしょう

中国は都市によって異なりますが、医療機関を受診する際に必ずしも紹介状が必要とは限りません。しかし、多くの医療機関で予約制を導入しています。受診をする前には、あらかじめ問い合わせておくと安心です。また、北京や上海などの大都市では外国人専用の外来を持つ中国系総合病院や英語や日本語で診察が受けられる外資系クリニックなどがあり、豊富な種類の医療機関がありますが、地方都市では外資系医療機関はほとんどなく充分な医療が受けられるとは限りません。

外資系医療機関は医療レベルが高い一方で、医療費も年々高騰しており、日本よりもはるかに高額な医療費が請求されることもあります。ただし、多くの医療機関で保険が利用できるため、たとえ短期間の滞在であっても保険に加入しておくことをお勧めします。また、保険加入時にはキャッシュレスサービスが付加している保険を選んだ方が良いでしょう。一方、地方都市では保険
が使えない医療機関も少なくありませんが、大都市の病院に比べると総じて医療費は安い傾向にあります。

中国系病院と日本の病院の違い

中国系の病院を受診する場合、日本と大きく異なる点があります。
中国系の病院では、最初に窓口で「掛号費」と呼ばれる受付料金を支払うところがほとんどです。その後、診察する医者を指名しますが、医師のランクによって診察料が異なります。この時、カルテ作成代金として、5元(約82円)程度を請求されることもあります。また、入院や検査が予定されている場合は受付の際に保証金を預けなければならないことも多く、長期入院が必要だと判断された場合、保証金として約50,000元(約82万円)を要求する病院もあります。ただし、この保証金は保険に加入していれば必要ない場合もあるので、保険加入時に確認しておくと良いでしょう。

中国系の病院でも国公立の病院は1級~3級にカテゴリーがされており、病院の規模や役割によってカテゴリーが決まります。たとえば、通常の診療や地域住民の健診、予防接種などを行う地域密着型のクリニックは1級医院のカテゴリーに、中規模な総合病院は2級医院、高度な診療を行う大規模な病院は3級医院に分類されています。どの病院でも中国の伝統的な医学に基づいた中医が在籍していることが多く、西洋医学の他に生薬や鍼灸による治療も行われています。また、大都市の2級医院や3級医院には外国人や裕福層を対象に、特別部門が設置されていることがあり、医療費は一般よりも高額ですが、ゆとりのあるスペースでスタッフの数も充実しています。しかし、必ずしも日本語が話せるスタッフが在籍しているわけではなく、英語での対応になることもあります。

救急車は【120】番で有料です。料金は距離や車内での処置内容によって異なりますが、救急車の数は不足しており、到着までに待たされることも珍しくありません。自力で動ける場合はタクシーを利用した方が早いでしょう。

水道水の飲用は?

ミネラルウォーター

水質検査の結果によると、水道水は飲めると発表されていますが、2013年には上海市の当局が水道の蛇口から鉛などの金属が溶出しているとの調査結果を発表するなど、個々の水道管や貯水タンクの汚染や劣化について問題がないとは言い切れない状況です。よって飲用にはミネラルウォーターなどを購入した方が安心でしょう。水道水に関しては、現地に住んでいる日本人の間でも見解は分かれており、煮沸をすれば大丈夫だと捉えている人もいれば、煮沸をしても抵抗があるから飲まないと言っている人もいます。いずれにしても生水の飲用は避けていますが、調理、歯磨き、うがい、洗濯などには問題がないとされています。ただし、水道設備の状態によっては濁った水が出ることもあり、そのような場合は調理、歯磨き、うがい等も控えた方が良いでしょう。

※こちらの記事の日本円の表記は2017年8月のレートで参考として表記しています。為替相場によって現在の金額は変動している可能性がありますので、ご了承下さい。

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