イタリア国内でも言語が違う?

会話する男女

イタリアの公用語はイタリア語で、イタリア国民およそ5,980万人うち、約5,700万人がイタリア語を使用していると言われています。また、EU圏内に範囲を広げると約6,500万人がイタリア語を母国語として使用しています。

しかし、イタリアには北西部の都市ラ・スペツィアと北東部の都市リミニの間に等語線があり、この線を境に微妙に言葉が異なります。線より中南部に位置する地域では、いわゆるイタリア語(標準語)を話しますが、北西部に位置する北イタリアでは、同じイタリア語でもフランス語などに近いガロ・イタリア語を話し、なかでもイタリア最大の人口を擁するロンバルディア州の言葉はロンバルド語とも言われています。その他にも、北東部のヴェネト州ではヴェネト語、南イタリアの一部ではナポリ・カラブリア語、シチリア州とその周辺ではシチリア語、西地中海に浮かぶ島・サルデーニャではサルデーニャ語が話されています。

このような複数の言語が話されている背景には、イタリアが歴史的に別の国に分かれていた期間が長いことなどが挙げられていますが、近年は方言を地域言語として認めようとする動きもあり、活発な議論が交わされています。

ルネサンス発祥の地

イタリアは文芸復興=ルネサンス発祥の地として有名です。以降、現代に至るまで幾度も革新を繰り返しながら、様々な分野での伝統が受け継がれており、今もなお、世界の文化をリードしています。それは絵画や建築、哲学や文学だけではなく、舞台や映画、オペラなど幅広い範囲におよび、特に「芸術の都」と呼ばれているフィレンツェでは、15~16世紀にルネサンスの文化が開花し、現在でも「屋根のない美術館」として、イタリアの観光産業を牽引しています。

なお、イタリアは4世紀頃から、ローマ帝国におけるキリスト教布教の中心地で、現在でも人口の約87%がカトリックです。カトリックでは離婚がご法度なので、イタリアでは40年前まで離婚が法的に禁じられていました。そのため、恋愛に積極的なイメージが強い一方で、結婚には慎重的です。現在では法律が代わり、法的に離婚は認められていますが、特別な事情がない限り、離婚条件として3年間の別居期間が必要とされています。

イタリアの食文化

トマトとパスタ

日本人も大好きな「イタリアン」ですが、実はイタリア料理は地方によって特徴が異なり、北部ではオリーブオイルよりバターを多用し、南部ではトマトをたくさん使います。また、港のある都市では魚を好んで食べますが、内陸の都市ではほとんど食べません。ワインやチーズも豊富なので、世界中から愛されているイタリア料理ですが、長く住んでいると、どうしても日本食が恋しくなってしまいます。

イタリアにある日本食レストランは約900店。なかでも寿司やラーメンの人気が急上昇中です。その他にも、居酒屋や焼肉店がありますが、せっかくイタリアに住むのなら、本場のイタリア料理を堪能したいもの。パスタやピザなど日本でもメジャーなイタリア料理は説明するまでもないので、ややマニアックなイタリア料理を紹介します。

ナポリとシチリアでは違う「カポナータ」

カポナータ

シチリア島およびナポリの伝統料理として知られる「カポナータ」は、シチリア風とナポリ風で使われている材料が異なります。シチリア風はオリーブオイルで揚げたナスを炒めた野菜や白ワインで煮た甘酢煮。一方、ナポリ風は水で戻した乾パンにトマトやニンニクなどを混ぜ、オリーブオイルで和えたサラダ料理です。この他にもカポナータに似た夏野菜を使った料理は、地中海地方でよく食べられています。

パンで挟むのが定番の「ランプレドット」

ランプレドット

パニーノ(サンドウィッチ)にして食べることが多い「ランプレドット」はフィレンツェの代表的な伝統料理。メインの肉は牛の第4胃で、トマトやセロリ、パセリなどと一緒に塩コショウで煮込みます。一般的には仕上げとしてサルサソースが使われており、そのまま食べる人も多いほどイタリアでは人気の定番料理になっています。

日本名はライスコロッケ?「アランチーニ」

アランチーニ

「アランチーニ」とはイタリア語で小さなオレンジを意味します。ライスとチーズを合わせて揚げた、いわゆるライスコロッケで、形がオレンジに似ていることから、このように呼ばれています。ローマでは、スプリと呼ばれ、イタリア全土で食べられていますが、もともとはシチリアとナポリが発祥と言われています。

NEWS イタリア移住ニュース & 最新記事

ニュース一覧へ