イタリアの医療レベルは高水準

医療機器

イタリアの医療レベルは日本や他のヨーロッパ先進諸国と同様の水準なので、医療技術や医療設備に関しては問題ありません。ただし、イタリアの医療システムは日本と比べて細分化されており、大規模な病院では各科の連帯が必ずしも良いとは言えず、受診が複数の科におよぶ場合は診療が円滑に進まないこともあります。また、公立では日本語だけではなく英語も通じない医療機関が多く、英語対応の医師や通訳サービスを介しての診察を受けたい場合には私立の病院を選択します。

イタリアの医療制度は、国民健康保険による保険医療と非保険診療である自由診療に分けられ、国民健康保険に加入した外国人は比較的リーズナブルな料金で公立病院を受診できます。しかし、公立病院はいつも混雑しており、待ち時間が長く、さらに手続きも煩雑です。同じ公立病院でも予約制の自由診療を行っている病院もありますが、日本の医療サービスに慣れていると不満を感じる点も多く、海外旅行保険に加入している日本人は、一般的に自由診療の私立病院または私立のクリニックを受診しています。私立病院では、英語が通じるだけではなく、綺麗で医療設備も良好ですが、医療費は高額になります。また、総合病院に在籍する医師が個人開業しているプライベートクリニック(外来中心の完全予約制クリニック)も多く存在します。プライベートクリニックは、主に外来診療のみなので、検査や入院施設はありません。検査が必要なら検査専門機関、入院が必要なら私立病院(または公立病院)に行くなど、外部の医療機関を利用しなければならないので、時間と手間が掛かります。

近年は、主に旅行者を対象としたツーリスト・メディカル・ガードがローマに設置され、簡単な初期診療や処置、薬を購入するための処方箋などを、外国人旅行者に提供しており外国人在住者でも利用することが可能です。ただし、時間帯によって担当医師が異なり、英語ができない医師が担当していることもあります。また、検査やレントゲン撮影などはできず、重症だと判断された場合は救急車にて最寄りの公立病院に搬送されます。

交通事故によるケガに要注意

イタリアの道路

イタリアの運転マナーは決して良いとは言えません。交通事故による死亡者数の割合を構成率別で確認すると、自動車同士による事故での死亡率が最も多く、全体の55.1%を占めています。日本は26.8%なので、割合的には、およそ倍です。しかし、日本は歩行中に交通事故に巻き込まれて亡くなる割合が29.1%と高いのに対し、イタリアでは13.2%と日本の半分以下になっています。

また、実際の交通事故発生率も人口比だと日本の方が高いので、数字上ではイタリアの方が交通ルールを厳守しているイメージですが、在ミラノ日本国総領事館では「イタリアにおける運転手のマナーは他の国と変わらず自己中心的で交通ルールはあってないようなもの、交通事故の危険性も日本に比較し遙かに高いです」と注意喚起を促しています。

イタリア人にはとって、運転マナーが守られないことは当たり前のことなので、たとえ横断歩道があっても「車は止まらないもの」と考えますが、日本人にとっては「車は止まるもの」なので、歩行者が優先されると思ってしまいます。日本と同じ感覚でいると交通事故に遭うリスクは高まってしまうので充分に気を付けましょう。

イタリアの水道水は?

イタリアの水道水は安全基準を満たしているため、飲用することは可能です。しかし、石灰分・カルシウム成分の多い硬水のため、日本の軟水に飲み慣れている方は、一時的に体調を崩すこともあります。硬水を飲み慣れていない方は、市販のミネラルウォーターを利用した方が無難でしょう。

なお、イタリアの夏は日照時間が長く、雨もほとんど降らないので、非常に乾燥します。長時間の外出時や外でスポーツを行う時は、脱水症状や体力消耗を避けるために、こまめに水分補給をして下さい。

NEWS イタリア移住ニュース & 最新記事

ニュース一覧へ