観光地で多い窃盗犯罪

観光地のひったくり

観光立国として人気の高いイタリアでは、やはりローマ、ミラノ、フィレンツェ、ナポリなど観光地における窃盗犯罪が多く発生しています。イタリア政府がマフィアや犯罪組織の取り締まりを強化し、不法移民問題の解消などを中心とした治安対策に取り組んでいるため、犯罪件数そのものは減少傾向にありますが、スリは年間で約18万件、ひったくりは年間で約2万件と、依然として窃盗系の犯罪が多いので注意と対策が必要です。

また、観光地では警察官を名乗る人物が、偽札や違法薬物検査などの捜査と称して所持品検査を行い、現金やクレジットカードを盗む事件が相次いでいます。さらにイタリア南部では大規模な犯罪組織による売春、賭博、恐喝事件が多く、政府による対策が強化されていますが、根絶には至っていません。

なお、イタリア国内では日本人のパスポート盗難が多発しています。日頃からパスポートの管理には充分に気を付けましょう。

イタリア国内の犯罪に関するデータ

まずは、グラフをご覧下さい。国連の統計局による韓国国内の犯罪データです。イメージを掴みやすくするために日本のデータも併記します。

殺人件数 暴行件数 誘拐件数 窃盗件数 強盗件数 性的暴行件数
イタリア 2011 0.8 110.7 0.5  1876.2 97.6 7.1
日本 2014 0.3 21.0 0.2 356.2 2.4 6.8

※単位は10万人あたりの人数
データ参照元:国際連合世界統計年鑑 NR=報告・データなし

スリ集団には小さな子供も!

日本人が被害に遭いやすい犯罪は、スリとひったくりです。

スリ被害は主に地下鉄の車内や駅構内で多発しています。また、多額の現金を持ち歩いている観光客を狙おうと、観光地や空港、空港と市内を結ぶ交通機関内でも発生しています。スリは子供の集団や赤ちゃんを抱いた女性なども多く、バッグの中だけではなく衣服のポケットにも手を入れ、財布やスマホを狙います。手口も様々で「カメラのシャッターを押して欲しい」「この駅までの行き方を教えて欲しい」など、言葉巧みに近寄り、集中している間に貴重品を盗むケースもあれば、子供のスリなどは突然大勢で取り囲み、驚いている隙に所持品を一瞬で奪います。浮浪者風の子供の集団は新聞紙を広げて近寄って来ることが多いので、そのような子供たちを見かけたら、すぐにその場を離れるようにして下さい。

また、ひったくり犯罪にはオートバイや自転車が使われることが多く、追い越しざまに歩行者のバッグを奪い取ります。抵抗すると引きずられ負傷したケースもあるので、現金などは日頃から分散させるようにしましょう。

ミラノでは、深夜に日本人観光客がミラノ中央駅周辺で集団暴行を受け、財布などを奪われた事件が発生しています。同じく、ミラノのドゥオーモ近くの路地裏では、日本人がナイフで脅かされ、荷物を奪われる事件も起きており、ミラノの治安当局は、深夜のミラノ中央駅やドゥオーモ周辺は危険があるので、避けるように注意を呼び掛けています。また、警官を装ったスリが所持品検査と称して、財布やパスポートを提示させ、現金やクレジットカードを盗み取る事件も発生しています。私服の警察官から職務質問を受けた際には、身分証の提示を求めるか、緊急の警察直通番号113番に連絡し、制服警察官の立ち会いを求めるなど、安易に信用しないよう注意しましょう。

預金が不正に引き出される被害事例も

イタリアでは、銀行のキャッシュカードを使用して預金を引き出した在留者が、カード情報や暗証番号を読み取られ、預金を不正に引き出される事件が起きています。日本でも稀に起こる犯罪ですが、イタリアでの手口は、犯人がATMに小型の機械を取り付けてカード情報を読み取り、偽物のカードを作成し、監視カメラに見せかけた小型カメラで暗証番号を入力する際の手の動きを撮影し、暗証番号を盗み、預金を不正に引き出します。

この手の犯罪が日本で起きる場合は、暗証番号だけ盗み取られることが多いのですが、イタリアではクローンカードを作成されてしまいます。予防策としては、ATMに不審な機械が取り付けられていないか確認することが第一です。しかし、他国のATMなので判断は難しく、逆に挙動不審になってしまう可能性もあります。なるべく銀行の中に設置されているATMを利用し、周囲に誰もいなくても、完全に手元を隠して暗証番号を入力するようにしましょう。

イタリアで事件に巻き込まれたら

イタリアのパトカー

イタリアに限らず、どこの国でも身の安全を第一に考えて行動することが鉄則です。例えば、ひったくりに遭った場合、奪われた金品を奪い返そうとするのではなく、自分の命を最優先に考え、安全な場所へ身を移すようにしましょう。奪われた物が返って来ることはありませんが、海外旅行保険などに加入していると、後に保険金を請求できることもあります。請求の際、多くの保険会社では現地の警察によって作成された証明書が必要になります。どのような書類が必要で、どのタイミングで申請を行うのか?保険に加入する時は細かいことまでチェックをしておきましょう。

イタリアでの主な緊急連絡先一覧

イタリアでの主な緊急連絡先を記載します。都市によって電話番号や連絡先の大使館・領事館が異なる場合があるので、住むエリアが決まったら必ず緊急連絡先を確認し、何かあった際に直ちに連絡できるよう、メモなどを残しておきましょう。

◆警察 113
◆救急車 118
◆消防 115
◆在イタリア日本国大使館 06-487-991
◆在ミラノ日本国総領事館 02-6241-141

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