物件探しはネットか不動産会社が主流
フランスで物件を探す際は、インターネットか不動産会社を利用する方法が一般的です。なかでもインターネットを利用すると、通常の賃貸物件だけではなく、ルームシェアの物件も多く見つかるため、家賃を抑えたい方や現地で暮らす人々との交流を深めたい方には最適でしょう。ルームシェア物件は多くの場合で、個室を利用することができ、シャワーやトイレ、キッチンなどが共有になります。最初からwifiが完備されているので、インターネットの契約手続きも省略できます。
他にも、日本の食品店や日本人会では日本人向けの掲示板があり、賃貸物件や求人情報などを掲載していることもあるので、こまめにチェックしてみると良いでしょう。また、一軒家の物件は賃貸で出ている数が極端に少ないため、一般的に賃貸物件と言えば、アパート(アパルトマン)になります。
フランスで物件を探しやすいのは、圧倒的にパリ。他のエリアになると、そもそも日本人が少ないこともあって、日系の不動産会社や日本人向けのサービスが見当たらず、ほぼ全てのやり取りをフランス語で行うことになります。逆に言えば、フランス語ができることで、パリを含めてフランス全土での物件探しは、非常に簡単になり、情報量も多くなるため、より良い物件を見つけることができるでしょう。
アパートに住む
フランスでは、日本で言うところのマンションも含めて集合住宅をアパルトマン(アパート)と呼びます。家賃の相場はエリアや物件の内容によって、かなり異なりますが、相場を調べたい方は、フランスの政府機関である住宅省が管轄しているサイト「Encadrement des loyers」で調べてみるのも良いでしょう。データとしてパリとリールしか調べることができませんが、家具付あるいは家具ナシなども選ぶことができるので、より具体的な相場を知ることができます。
また、フランスに限ったことではありませんが、家賃の安い地域は治安が悪い傾向があります。たとえ昼間に内見をしたとしても、夕方以降も確認してみて、昼夜の様子をチェックしてみましょう。その他に治安の良し悪しの参考になるポイントとして、壁などへの落書きの有無、ガラスが割れている建物、街灯の有無、壊れた自転車やバイクの有無などが挙げられます。
居住中のアパートで何か故障した場合は、フランスの法律によって、誰が修理するのか?が決まっています。部屋の壁の外側に故障部分がある場合は大家さんが、内側に故障部分がある時は居住者が修理することになり、たとえば水道が故障した場合、水道管が原因なら部屋の外側に故障部分があるので大家さん負担で、蛇口が原因なら内側に故障部分があるので居住者負担になります。
フランスで物件を借りる際に、多くの人が苦労している点が保証人。大家さんによって異なりますが、ほとんどのケースで、2ヶ月分の保証金と1ヶ月分の前払い家賃が必要で、さらにフランス在住の保証人も求められます。就労ビザなど仕事でフランスに来る場合は、会社が保証人になることもありますが、そうでない場合は保証人を見つけることが非常に困難でしょう。ただし、保証人不要の物件や、銀行保証などによって対応してくれる場合もあります。
なお、退去の連絡は退出日から3ヶ月前(物件によって異なります)に、その旨を通知する必要がありますが、電話や口頭ではなく、必ず受領証明書付きの書留郵便で送らなければなりません。
契約の流れと注意点
大家さんによって異なりますが、一般的にはパスポート、証明書(就労や入学を証明する書類)、収入証明(銀行残高証明)などが必要です。また、銀行保証(家賃の半年あるいは1年分を銀行に預け入れ、それを担保に銀行が家賃の保証をするもの。このお金は、保証期間内は使用不可)が必要なこともあります。
契約は大家さんと行いますが、契約書類がフランス語のため、理解できない方は日系または日本人向けの不動産会社を利用すると良いでしょう。入居日は、現状確認を行った後に鍵を受け取ります。また、フランスで銀行口座を開くと、小切手が発給されます。敷金などは小切手で支払う方法が一般的で、フランスの口座を持っていなければ、日本からの海外送金あるいは現金での支払いになります。毎月の家賃は、通常、銀行からの自動送金になるので、フランスでの口座を持っていない人は問い合わせみると良いでしょう。
なお、パリのLCLピラミッド支店には日本人スタッフが在籍しているため、日本語で口座開設のサポートを受けることが可能です。
日本人向けの不動産会社を利用する
フランスには現地での物件探しをサポートしてくれる日系の不動産会社が幾つかあります。パリに集中していますが、不動産会社によっては離れた都市の物件を探してくれることもあります。
日本語を話せるスタッフによる物件紹介は言葉の不安がなく安心でき、また、入居中の不具合にも対応してくれることがあるため非常に心強いでしょう。なお、不動産会社によっては、1年未満の短期物件を探すサポートをしてくれる場合もあります。ほとんどの賃貸物件は1年以上(9ヶ月以上や3年以上など物件によって異なる)の長期物件になるので、比較的短期間の物件を探している場合は、日系不動産に確認してみる方が早いでしょう。