付加価値税の税率は4パターン

フランス紙幣

フランスの税金について紹介します。ここでは企業が納める法人税などは除き、あくまで個人が生活するうえで納める義務のある税金を中心に記載します。

日本の消費税にあたる税金として、フランスには付加価値税があります。加価値税の税率は4パターンに分かれており、該当する品目やサービスによって異なる税率になっていますが、ほとんどの商品やサービスは標準税率に分類され、20%の付加価値税が課せられます。

しかし、20%が課せられる標準税率は、大半の工業製品、加工製品および一般サービスに適用されるもので、食品やレストランのサービスなどは軽減税率に該当します。この軽減税率は品目やサービスによって、10%、5.5%、2.1%に分かれています。

税率が10%になる主な品目、サービスは食用を除く農水産品、住居の改築工事費用、レストランなどの一部サービスで、税率が5.5%になる主な品目、サービスは食品、書籍、身体障がい者用の機器などです。軽減税率の中で最も低い2.1%の特別税率に該当する品目には、一部の医薬品などが挙げられ、これらは全て一般税法典CGIによって定められています。

基本的には全て内税なので、税込価格で表示されており、買い物の際など気にすることはありませんが、稀にネット通販などでは外税価格で記載されていることもあります。なお、TTCの表示があれば内税価格、HTの表示があれば外税価格です。

所得税率は累進課税

フランス紙幣とくま

個人所得税は、課税所得に応じて、5段階の累進課税方式になります。課税所得が9,710ユーロ(約128万円)以下なら非課税になるので所得税は課せられず、9,710ユーロ超~26,818ユーロ(約352万円)以下なら14%、26,818ユーロ超~71,898ユーロ(約944万円)以下なら30%、71,898ユーロ超~152,260ユーロ(約2,000万円)以下なら41%、それ以上は45%の所得税が課せられます。

さらに、これとは別に、250,000ユーロ(約3,283万円)を超える高額所得者に対しては、特別課税も課せられます。税率は所得に応じて2段階に分かれており、250,000ユーロ超~500,000ユーロ(夫婦の場合は500,000ユーロ~1,000,000ユーロ)に対して3%、それ以上の場合は、超えた部分に対して4%になります。

一例を挙げると、単身者の所得が550,000ユーロだった場合、通常の個人所得税45%に加えて、特別課税として、250,000ユーロ~500,000ユーロの部分に対して3%、さらに500,000~550,000ユーロの部分に対して4%の税金が課せられます。

その他の税

その他の税として<裕福税>や<CET(国土経済拠出金)>があります。CETは企業が負担する地方税なので、一般的な生活を送るうえで負担することはありません。また、裕福税は個人であっても資産の多い方が対象になり、純資産が80万ユーロ(約1億506万円)を超えた場合に課税されます。税率は純資産額によって、0.5%、0.7%、1.0%、1.25%、1.5%と異なります。

※こちらの記事の税制は2017年9月時点の制度です。変更している可能性もありますので、ご了承下さい。なお、日本円の表記は2017年8月のレートで参考として表記しています。為替相場によって現在の金額は変動している可能性がありますので、ご了承下さい

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