観光目的の滞在は90日以内ならビザ免除

フランスのお金

フランスへの入国は、観光や訪問、商用などを目的とした90日以内の滞在なら、ビザは免除されます。しかし、6ヶ月以内の期間内で最大90日と決められているため、90日が経過する直前に日本などへ一時帰国し、再びすぐに入国することはできません。また、このルールはフランスのみならず、シェンゲン協定加盟国共通なので、例えば加盟国であるフランスに90日滞在した後、すぐにドイツへ入国することはできません。シェンゲン協定加盟国内での滞在期間が90日以内だと覚えておきましょう。

現在のところ、シェンゲン協定加盟国は以下の通りです。
オーストリア、ベルギー、デンマーク、チェコ、エストニア、フィンランド、フランス、フランス、ギリシャ、ハンガリー、アイスランド、イタリア、ラトビア、リトアニア、リヒテンシュタイン、ルクセンブルク、マルタ、オランダ、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、スロバキア、スロベニア、スペイン、スウェーデン、スイス。<br/><br/>

なお、90日以上の長期滞在では必ず目的に応じたビザが必要です。

ロングステイ向きのビザは?

フランスに長期滞在をするには、ビザが必要です。それでは、フランスのロングステイ向けのビザには、どのような種類があるのでしょうか?その前に、フランスのビザ申請についてのルールを確認してみましょう。

ビザ申請は少なくとも出国予定日の3週間前までに行うことが推奨されています。申請自体は3ヶ月前から可能で、フランス入国日より2週間前など直前の申請では、ビザ発給の可否決定が入国後になることもあります。また、ビザ申請期間中、パスポートは大使館で保管されることになります。その間にパスポートが必要な方は、あらかじめ問い合わせをしてみましょう。

戸籍謄本を必要とする場合、日本の外務省によるアポスティーユ(公証人役場などが実施する付箋による証明)を受けた原本を提出しなければなりません。外国の機関が発行した戸籍に関する公的証書に関しては、個別の問い合わせが必要です。また、原則として日本語で書かれた書類には、フランス語あるいは英語による訳文を添削します。自分で翻訳した書類でも受け付けて貰えますが、大使館指定翻訳会社などを利用すると確実でしょう。

なお、指定がない限り、コピーはA4サイズに限定されており、審査は提出した書類などによって判断されます。受け取り窓口の業務は書類を受け取るのみで、書類の確認や不足書類の指摘は基本的に行わず、書類に不備があった場合はビザが却下される場合があります(書類が揃っていてもビザが必ず発給されるとは限りません)。

就労ビザ

ビザ申請書

フランスで働くためのビザとして、就労ビザ、企業内派遣・研修ビザ、研究者ビザ、商工業活動を行うためのビザ、社会人研修ビザ、ジャーナリストビザなどがあります。一般的な企業で働く際に必要なビザは、就労ビザです。

就労ビザは、フランス国内にある企業に採用されフランスで3ヵ月以上働く場合や本国の企業からフランスの企業に出向として赴任する場合に必要です。就労ビザを申請するためには、フランス移民局による導入手続きが完了していなければならず、まずはフランスの雇用主が管轄となる労働力に労働許可の申請を行います。労働局からの承認後、移民局に通達され、移民局から就労者が居住する地域の領事部に労働許可書あるいは雇用契約書の電子情報が送付されると、申請の受付が可能になります。一般的には、就労者へ対する労働局の承認は雇用主から伝えられ、その通達を受けてから申請の手続きを開始しましょう。

必要書類は在日フランス大使館のHPよりダウンロードできる長期ビザ申請書と移民局提出用フォーム、パスポート、証明写真、労働局の承認を受けた労働許可申請書(居住先の住所も記入)です。原本を提出するものとコピーを提出するものとあるので、気を付けましょう。

なお、パスポートは10年以内に発行されたもので、申請するビザの期間の最終日から3ヶ月以上の有効期間が必要です。また、査証用の空白ページが2ページ以上残っており、個人情報と署名のページのコピーも提出します。

また、就労ビザの受給者はフランス入国後すぐ、移民局申請書を居住エリアの移民局へ受領通知付きの書留で郵送しなければなりません。その後、移民局からの呼び出し状を受け取って、ビザを滞在許可証として有効にする手続きを行います。

学生ビザ

フランスの学生ビザには、3ヶ月以内の滞在が可能な長期学生ビザ、テスト用の学生ビザ(試験を受ける受験生向け)、学生の研修生ビザ(大学生のインターンシップ用)、住み込み言語習得者ビザ(ホームヘルパーとして住み込みで働くことを条件に発給される若者向けのビザ)、未成年の就学ビザがあります。

一般的な長期学生ビザは、高等教育機関または私立・公立の教育機関での学業を目的として3ヶ月以上滞在する方が対象で、修了証や資格取得などを目的としない場合は、長期学生ビザは適用されず、ビジタービザになります。

また、長期学生ビザを申請する方は、必ずビザ申請の前にキャンパス・フランスで手続きを完了させる必要があります。手続きの詳細については、キャンパス・フランスの日本語ページで確認しましょう。

必要書類は在日フランス大使館のHPよりダウンロードできる長期ビザ申請書と移民局提出用フォーム、パスポート、証明写真、教育機関の仮登録または登録証明書、経済証明書(1ヶ月以内に発行された銀行の残高証明など。1ヶ月あたり最低616ユーロ=約80,900円が必要)です。原本を提出するものとコピーを提出するものとあるので、気を付けましょう。

なお、パスポートは10年以内に発行されたもので、申請するビザの期間の最終日から3ヶ月以上の有効期間が必要です。また、査証用の空白ページが2ページ以上残っており、個人情報と署名のページのコピーも提出します。

また、ビザの受給者はフランス入国後すぐ、移民局で長期学生ビザを有効とする手続きを行います。これを怠ると、移民局に登録されず不法滞在者として認識され、ビザは効力を失うので注意しましょう。

ワーキングホリデービザ

フランスと日本の若者の国際交流を促すことを目的に発給されるワーキングホリデービザ。ビザの申請は無料で、書類の不備なく申請条件を満たしていれば、却下されることはあまりありません。申請には条件があり、申請時に18歳以上30歳以下であること、過去にフランスへのワーホリビザを取得していないこと、仕事に就く意思があること、子供が同伴しないことが挙げられています。また、ビザの有効期限は1年間で延期はできません。

必要書類は在日フランス大使館のHPよりダウンロードできる長期ビザ申請書と申請動機作文、ワーキングホリデービザ宣誓書、その他に必要な書類として、英語かフランス語で作成した滞在中の計画書と履歴書(フォーマットは自由)、パスポート、証明写真、健康診断書、経済証明書(1ヶ月以内に発行された銀行の残高証明など。3,100ユーロ=約407,000円が必要)、海外旅行保険加入証明書(クレジットカード付帯は不可。英語またはフランス語で、フランス到着日より1年間有効なもの)があります。原本を提出するものとコピーを提出するものとあるので、気を付けましょう。

なお、パスポートは10年以内に発行されたもので、申請するビザの期間の最終日から3ヶ月以上の有効期間が必要です。また、査証用の空白ページが2ページ以上残っており、個人情報と署名のページのコピーも提出します。

また、申請書にはフランス滞在中の住所欄を必ず記入します。申請時に決まっていない場合は、最終的な住所ではなくても、ランス到着時の住所を記載すれば問題ありません。なお、ワーキングホリデービザは書類の不備や不足があった場合に追加書類の提出は認められておらず、審査によって却下されてしまいます。不明な点は必ず問い合わせをしましょう。

ビジタービザ

退職後の生活や文化目的、芸術目的、終了証書などの取得が目的ではない個人的な就学の場合は、ビジタービザを申請します。他国のリタイアメントビザのような意味合いも兼ねているので、年金生活を送りながらフランスでのロングステイを行い方は、このビジタービザです。なお、ビジタービザでの就労は認められていません。

必要書類は在日フランス大使館のHPよりダウンロードできる長期ビザ申請書と移民局提出用フォーム、労働をしない旨の宣誓書、その他に必、詳細を記した動機書(フォーマットは自由)、フランス滞在期間中の日本における社会的立場を証明する書類(例:在職証明書、休職証明書、年金受給証明書、教育機関の在籍証明書など)、パスポート、証明写真、健康診断書、経済証明書(1ヶ月以内に発行された銀行の残高証明など。17,344.60ユーロ=約2,280,000円以上が必要。同行する家族がいる場合は、人数に応じて増額)、海外旅行保険加入証明書(フランス到着日より滞在期間全日程をカバーするもの)、居住証明(賃貸契約書、ホテルの予約書など。一時滞在の場合は申請時にその旨を伝えること)、が必要です。原本を提出するものとコピーを提出するものとあるので、気を付けましょう。

また、申請者が18歳未満で、片方の親が日本に残る場合は、日本に残る親が署名をした出国許可書、申請者が6歳~16歳の場合は、日本で通っていた学校の証明書およびフランスでの仮入学許可証や入学許可証が必要です。さらに同行家族がビザを申請する場合は戸籍謄本(6ヶ月以内に発行されたアポスティーユ付き戸籍謄本およびその法定翻訳)も添付します。

このビザも到着後に、移民局での手続きを行います。移民局での登録が確認できない場合、不法滞在者と認識され、ビザは効力を失います。なお、状況によっては有効期間が4~6ヶ月の「一時滞在長期ビザ」が発給されます。この場合、「DISPENSE DE CARTE DE SEJOUR」とビザに表記され、移民局での手続きは免除されますが、ビザに記載された滞在期間を延長することはできません。

その他のビザ

その他に、フランスで結婚が登録されている方のみ申請できる配偶者ビザや外交・公用旅券保持者を対象としたビザ、18歳未満の未成年者が両親の同伴なくモナコへ就学するためのビザもあります。

ビザに関する注意

ビザのルールは頻繁に変わります。同様に入国に関するルールも予告なく変わることもあるので、渡航をお考えの方は必ず直前に大使館などのページから情報を取得するようにして下さい。また、ビザは申請から発給まで時間を費やすことがあります。さらに、ビザに必要な書類を揃えるだけでも、想定以上の時間を要することが多いため、スケジュールはなるべく前倒し気味に進めることを意識しましょう。

※こちらの記事の日本円の表記は2017年8月のレートで参考として表記しています。為替相場によって現在の金額は変動している可能性がありますので、ご了承下さい。

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