仕事とプライベートをしっかり両立
医療面や教育面など、充実した制度が多方面で整っているフランス。その中でも、日本人が最も羨ましく思う制度が労働制度でしょう。フランスでは法律で週35時間と労働時間が決められており、また有給休暇は5週間まで取得することが可能です。よって、企業経営者や公務員、学生などは夏期に1ヶ月ほどの長期休暇を取得して、バカンスを楽しんでいます。
フランス人にとって、このバカンスは大きな楽しみの一つ。1年で最も時間を有意義に使えるバカンスを目標に、日々頑張って働いている人も少なくありません。バカンスの時期になると病院や銀行でもアポが取れなかったり、役所の手続きに時間が掛かるなど不便なこともありますが、フランス人だけではなく、在住日本人の多くも、バカンス制度には概ね満足しているようです。
さらに、1週間の労働時間が35時間と決まっているため、残業の習慣はほとんどありません。日系企業になると残業が発生することもありますが、それでも毎日ではなく繁忙期など一時的なものです。そのため、フランスで暮らすことにより、十分なプライベートの時間を確保できるようになります。
※ただし、5週連続で休暇を取れない職場も多く、「最長でも連続休暇は2週間まで」など、連続で取れる休暇に関しては会社によってルールが異なります。
芸術や文化に触れまくり!!
歴史的建造物が多いヨーロッパの中でも、特にフランスは歴史や芸術に触れることができる国として知られています。日本と違い、古い建物をそのまま残していることが多いので、ただのアパートやデパートも、まるで中世を感じさせる佇まいです。
また、凱旋門やエッフェル塔、ヴェルサイユ宮殿など世界的な観光名所が多いだけではなく、ルーブル美術館やオルセー美術館、オランジュリー美術館など歴史的絵画などの芸術を目にすることもできます。学生は半額で入場できる美術館や25歳以下なら無料で入場できる美術館など、日本にはない割引制度もあるので、芸術をより身近に感じることができるでしょう。
他にも、ノートルダム大聖堂や数々の寺院、教会などパリだけでも見ておきたい建造物が沢山あり、さらにコート・ダジュールの中心都市ニース、美食の都とも言われるリヨン、ワインの都ボルドー、町が世界遺産に登録されているストラスブールなど、期間が限定的な観光旅行では巡り切れないほど、異なる魅力を持つ都市が幾つもあります。
無形文化遺産のフランス料理
2010年にユネスコの無形文化遺産に登録されたフランス料理。コース料理が無形文化遺産に登録される異例の決定でしたが、緻密なレシピで作られた料理そのものだけではなく、地元産を中心とした高品質の野菜、素材の味覚を活かした調理法、料理とワインの組み合わせ、テーブル・デコレーション、食事中の所作など、前菜からデザートまで、フルコースの料理に含まれるすべての要素に対して与えられました。食事の時間を、楽しくゆったりと過ごす考えも、長年に渡って受け継がれている習慣でフランス文化の形成をする大きな要素となっています。
フランス料理は、一般的に高級な料理として知られていますが、リーズナブルな価格で提供しているレストランも多く、さらにフランス料理以外の世界各国の料理店やカフェも多いため、出費を抑えた食事も可能です。なお、フランス料理が口に合わない方は、パリを中心に日本食レストランも急増しているので、心配無用です。