夜市でのスリに要注意

台湾の風景

台湾で最も多い犯罪はスリなどの軽犯罪です。特に台湾の各都市にある夜市は、いつも混雑しており、スリに遭うリスクは高まります。しかし、手口としては単純なものが多いので、しっかりと対策していれば未然に防ぐことができるでしょう。

スリの手口として多い例は、数人が取り囲み、身動きが取れない状況にしてバッグやポケットから財布や貴重品を盗むケースや、一人が話しかけて気を逸らしているうちに仲間が背後から貴重品等を盗むケース、また、置き引きで多い例はレストランやカフェなどでトイレに行っている間など、椅子に放置されているバッグや財布を盗むケースが挙げられます。

いずれも貴重品からは目を離さず、話しかけられても周辺を警戒していれば防ぐことができます。また、混雑している時間帯を避けることやポケットに財布を入れないなど、意識一つでターゲットになりにくい状況を作り出せます。

なお、混雑している場面ではスリが多発しますが、人の少ない通りでは引ったくりなどが発生します。特に犯罪は夜に起きることが多いので、夜間の行動には充分に注意をしましょう。

台湾の犯罪に関するデータ

国連世界統計年鑑では、台湾の犯罪に関するデータは記載されていませんが、UNODC(国連薬物犯罪事務所)によると、2016年の殺人発生率は人口10万人あたり2.95人で、日本の0.3人を大幅に上回っています。また、人口あたりの刑法犯認知件数は日本の約1.5倍で、警察当局の2016年版犯罪統計によると、2016年の刑法犯認知件数は29万4,831件で、そのうち暴力犯罪に該当する殺人・誘拐・強盗・ひったくり・重傷害・脅迫および強姦は1,627件発生しています。

台湾を訪れる日本人は年間100万人以上いますが、そのうち平均で約120人の日本人が軽犯罪を含む事件に巻き込まれていることも分かっており、高い防犯意識が必要です。

時間帯別では最も犯罪が発生している時間は午前0時~2時の深夜帯。しかし、居住者が気を付けたいのは深夜帯だけではなく、午前7時~9時の朝。朝の慌ただしい時間や家庭ごみを出す時間は、空き巣に狙われやすいので気を付けましょう。

また、警察当局の統計上、最も犯罪が起きている都市は観光都市として人気が高まっている新北市。台湾全体で起きた事件の約16%が新北市で発生しています。次いで台北市、高雄市、台中市、台南市と続いています。

台湾でも蔓延している振り込め詐欺

居住者が気をつけたい犯罪として、振り込め詐欺があります。日本と同様に電話が使われることもあれば、携帯電話のSMSを利用した手口、Eメールを利用した手口など、手段は様々です。

詐欺の内容としては「賞に当選した」「宝くじが当選した」(台湾では商品購入時のレシートが宝くじになっています)などと甘い言葉で始める儲け話や、日本でも多い「振り込まないと大変なことになる」と脅迫する話題、警察などの公的職員を装い氏名や住所、居留証番号など個人情報を示して相手の警戒心を解いてから本題に入るケースなどがあります。

一例として、運転免許センターを名乗り違反罰則金の未払い名目での振り込み催促や、電力会社・電話会社などを名乗った料金未納を装った振り込み催促、銀行員を名乗り預金が横領されたと通知する名目での振り込み催促など、直接的なものもあれば遠回しに話を進め、最終的には「新口座の確認のため」などと言って振り込ませるようなタイプもあります。

どのような内容であれ、銀行振り込みを要求して来た時は、その場で応じることは絶対にせず、支払料金の未納は請求書や領収書を確認し、不審な場合は公的機関に連絡して確認をするか内政部警政署の不正対策情報ライン(165番)に相談しましょう。

急増している台湾での交通事故

台湾では近年、交通事故が多発しています。なかでも多いのはバイクによる事故。ただでさえ台湾はバイクが多く、そのうえ交通マナーを守らないので、接触事故は日常茶飯事で、特に信号無視とスピード超過が目立ちます。

また、バイクに限らず自動車でも一時停止をしない傾向が強いので、歩行者は「止まるだろう」と思い込まないようにしましょう。同時に歩行者優先の意識も低く、たとえ交通ルールを守って横断歩道を渡っていても、クラクションを鳴らされることや突っ込んで来ることが多々あります。整備されていない歩道を歩く際も追突される恐れがあるので、なるべく端を歩くようにして下さい。

交通マナーに対する意識だけではなく、台湾では自動車免許の取得が簡単なため、ドライバーの運転技術が未熟であることも覚えておくと良いでしょう。

台湾で事件に巻き込まれたら

台湾の風景

台湾に限らず、どこの国でも身の安全を第一に考えて行動することが鉄則です。例えば、ひったくりに遭った場合、奪われた金品を奪い返そうとするのではなく、自分の命を最優先に考え、安全な場所へ身を移すようにしましょう。奪われた物が返って来ることはありませんが、海外旅行保険などに加入していると、後に保険金を請求できることもあります。請求の際、多くの保険会社では現地の警察によって作成された証明書が必要になります。どのような書類が必要で、どのタイミングで申請を行うのか?保険に加入する時は細かいことまでチェックをしておきましょう。

台湾での主な緊急連絡先一覧

台湾での主な緊急連絡先を記載します。都市によって電話番号や連絡先が異なる場合もあるので、住むエリアが決まったら必ず緊急連絡先を確認し、何かあった際に直ちに連絡できるよう、メモなどを残しておきましょう。

◆警察 110
◆救急車 119
◆消防 119
◆台北市政府警察局外事服務站(外国人専用) 02-2556-6007
◆台中市政府警察局外事課(外国人専用) 0922-958-110
◆高雄市政府警察局外事服務站(外国人専用) 07-215-4342
◆交流協会台北事務所 02-2713-8000
◆交流協会高雄事務所 07-771-4008

なお、駐台湾交流協会事務所は実質的に駐台湾日本大使館(台北)、日本領事館(高雄)として機能している日本の外交窓口で機関です。

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