最も簡単に取得できるのは観光ビザ

タイのビザ

タイは、観光などを目的とした30日以内の滞在であれば、ビザが免除されます。また、滞在期間が過ぎてから一度、隣国へ出国し、再び入国する方法は原則として認められていません(入国審査官によっては、入国できることもありますが、近年は入国を断られるケースが増えており、日本大使館でも注意を呼び掛けています)。さらに、ビザなしでタイに滞在できる期間に関しても正式なアナウンスはなく、基準が曖昧です。

タイでロングステイを始める際に適したビザは幾つかありますが、最も安く簡単に取得できるビザは観光ビザです。しかし、観光ビザで滞在できる期間は60日。タイ国内のイミグレーションで30日の延長をすることは可能ですが、延長期間が終わる前には出国をしなければなりません。

その後、ラオスやマレーシアなどの隣国、あるいは日本国内のタイ大使館で再び観光ビザの申請をすることができます。これに関しても回数の上限など正式なアナウンスがなく、何回まで取得できるのか?は、人によって異なります。また、上記に関しては、いずれもシングルビザの情報で、マルチプルを取得したい場合、日本人であれば日本の大使館でしか申請をすることができず、取得のハードルも高いと言われています。

観光ビザの申請に必要な書類

滞在許可日数は他のビザより短いものの、最大で約3ヶ月は滞在できる観光ビザ。このビザ期間中に、就労ビザを取得するための職探し(就労は不可)や、学生ビザを取得するための学校探しをする人も珍しくありません。また、滞在国を決めかねている人にとって、下見をするお試し期間としては充分な期間だと言えるでしょう。

観光ビザはラオスなどの隣国で取得をした方が、用意する書類も圧倒的に少なく簡単な手続きで終わりますが、言葉の不安などがある方のために、ここでは日本にあるタイ大使館での取得方法をお伝えします。

◆必要書類=必要書類に関してはタイ大使館に記載されています。一つ一つの項目をチェックしてみましょう。

パスポートと申請料

パスポートは有効期限が6ヶ月以上先のもので、査証欄の余白部分が1ページ以上必要です。申請料はシングルが4,500円、マルチプルが22,000円で、代理申請も可能です。ただし、代理申請を行う際は、委任状が必要です。その際、委任者・受任者ともに顔写真付きの身分証明書のコピーを添付します。

 申請書

ビザ申請書

申請書はコチラからダウンロードをします。大文字の英語で必要な情報を入力し、プリントアウトをして他の書類と一緒に提出します。なお、タイ国内での保証人欄は知人がいなければ、空欄で構いません。また、手書きの申請書でも受け付けは可能ですが、ビザの申請時に時間を要することがあります。

証明写真1枚

3.5×4.5cmサイズのカラー証明写真で、申請書に貼り付けます。日本のタイ大使館のページでは、特に細かな記載はありませんが、ラオスのビエンチャンでは、写真の背景は白のみ、なおかつ襟付きのシャツであること、と指定があります。タイに観光ビザで入国後、再び観光ビザを取得したい場合、ほとんどの方がビエンチャンで申請を行いますので、このスタイルで写真を撮っておくと、その時に使えるのでオススメします。

航空券または予約確認書コピー

申請者名と便名、タイへ入国する日、さらにタイを出国する日が記載されていなければなりません。必ずしも往復航空券である必要がなく、タイから第三国へ出国する便でも大丈夫です。

経歴書:Personal History

経歴書はコチラからダウンロードします。大文字の英語で必要な情報を入力し、プリントアウトをして他の書類と一緒に提出します。なお、タイ国内での保証人欄は知人がいなければ、空欄で構いません。また、手書きの経歴書でも受け付けは可能ですが、ビザの申請時に時間を要することがあります。

銀行残高証明書原本

銀行から発行してもらう原本を提出します。シングルを申請する方は、少なくとも1人20,000バーツ以上(約70,300円以上)、家族で40,000バーツ以上(約128,000円以上)の残高が証明できなくてはなりません。また、マルチプルを申請する方は、1人200,000バーツ(約640,000円)相当の残高を6ヶ月以上保持していることが証明できる残高証明書が必要です。そのため、申請日より遡って6ヶ月分の残高証明書を銀行に作成してもらわなくてはなりません。

多くの銀行で、残高証明書は登録されている住所への発送になっているので、手元に届くまで1週間以上、時間が掛かることもあります。余裕を持って行動をしましょう。また、学生ではない成人の場合、本人名義の預金残高証明書でなければなりません。学生などで、家族名義の預金残高証明書を利用する方は、別途、家族関係を証明する公的書類(戸籍謄本の原本など)も添付します。

詳細な行程表もしくはタイへの渡航の目的を説明した文章

タイ滞在中の旅行スケジュールもしくは渡航の目的を書いて提出します。指定された書式はなく、A4用紙に記載すれば問題ありません。こちらに関しては、日程を細かく確認されることは稀ですが、あくまでも「観光を目的とした者に発給されるビザ」であることを念頭に置いて作成しましょう。

職業を証明する書類

会社員であれば、在職証明書原本、休職または休暇証明書原本、会社登記簿謄本原本が必要です。自営または会社経営者であれば会社登記簿謄本の原本、学生は学校発行の在学証明書原本、年金受給者は年金証明書(原本またはコピー)と受給年金額が分かる書類、主婦の方は婚姻証明書(戸籍謄本)及び、配偶者のパスポートのコピー(配偶者が日本国籍以外の場合は在留カードまたは外国人登録証明書)が必要です。

さらに20歳以下の未成年者は、戸籍謄本または親と子の関係が分かる書類、保護者の英文身元保証書原本、保護者のパスポートまたは免許証のコピー、身分証明書(Guarantee letter)が必要です。身分証明書(Guarantee letter)は、コチラからダウンロードします。

宿泊先についての書類

宿泊先がホテルの方は宿泊施設の予約確認書、アパートやコンドミニアムの所有者は住所・氏名・契約期間が書かれている契約書のコピーを提出します。タイにいる知人宅へ宿泊する方は、タイの保証人からの手紙・タイの保証人の身分証明書のコピー・タイの保証人の労働許可証コピーなどが必要で、先方にも負担を掛けることになってしまいます。

日本国籍以外の方について

日本国籍以外の方が申請を行う場合は、国籍によって日本では申請できないことや、審査に10日~60日程度を必要とすることもあります。また、在留カードのコピーあるいは外国人登録証明書のコピー、身元保証書原本、保証人の署名入りのパスポートあるいは運転免許所のコピーを提出します。

なお、ビザのルールは頻繁に変わります。申請前に必ず大使館のページで最新の情報を確認して下さい。

その他のロングステイ向きビザ

タイではビザの発給が厳しくなりつつありますが、それでも他国に比べると、まだ発給されやすい方です。最も安くて取得も簡単なビザは、上記で説明した観光ビザですが、延長期間を含めても滞在できる日数が限定的で、本格的にタイで暮らすには物足りない時間かもしれません。

観光ビザより条件面でやや難しくなりますが、もっと長く落ち着いてタイでの暮らしを満喫するために、ロングステイ向きと思われる、幾つかのビザを紹介します。

学生ビザ

ED(教育)ビザと呼ばれる学生用のビザは、年齢に制限がありません。シングルだと3ヶ月の滞在が認められますが、その後、タイ国内で延長が可能です。一方、マルチプルは12ヶ月ですが、現在はほとんど発給されておらず、マルチプルで申請をしてもシングルで発給されます。

申請料はシングルで9,000円、マルチプルで22,000円。さまざまな分野で学生ビザは発給されますが、タイ語または英語の語学スクールに通う方が多く、申請はタイの近隣国でも可能です。

学生ビザの必要書類

必要書類は申請する国によって異なり、観光ビザと同様に、日本での申請は提出する書類が非常に多く、第三国で申請をした方が圧倒的に簡単です。

引き続き、日本のタイ大使館で申請を行うことを踏まえて、必要書類をチェックしてみましょう。

◆パスポート(有効期限が6ヶ月以上、査証欄の余白が1ページ以上あること)
◆申請書
コチラからダウンロードが可能です。大文字の英語で必要な情報を入力し、プリントアウトをして他の書類と一緒に提出します。なお、タイ国内での保証人欄は知人がいなければ、空欄で構いません。また、手書きの申請書でも受け付けは可能ですが、ビザの申請時に時間を要することがあります。

◆証明写真1枚 3.5×4.5cmサイズでカラー
◆航空券または予約確認書コピー
→申請者名・便名・タイへの入国日・出国日の記載が必要

◆経歴書
コチラからダウンロードが可能です。大文字の英語で必要な情報を入力し、プリントアウトをして他の書類と一緒に提出します。なお、タイ国内での保証人欄は知人がいなければ、空欄で構いません。また、手書きの経歴書でも受け付けは可能ですが、ビザの申請時に時間を要することがあります。

◆入学許可書・招聘状原本
→タイの学校に発行してもらいます。コピーやpdfファイル、FAXなどは不可なので、必ず原本を郵送してもらわなくてはなりません。申し込みから1ヶ月以上の時間を必要とする場合もあるので、早めに申し込みを済ませましょう。

◆日本の教育機関からの推薦状
→日本の教育機関に現時点で通っていない方が、個人でタイの学校へ入学する場合は不要です。

◆身元保証書(20歳未満の学生のみ)
→戸籍謄本または親と子の関係が分かる書類、保護者の英文身元保証書原本、署名をした保護者のパスポートのコピーまたは運転免許証のコピー、さらに身元保証書。身元保証書はコチラからダウンロードが可能です。

◆私学教育委員会などタイの所轄省庁発行の申請者の名前入り承認状
→学校から送られて来るので、特別何かをする必要はありません。

◆銀行残高証明書
◆授業料を支払った領収書
◆語学を勉強する目的を英文で記入した手紙
→指定の書式はありません。A4サイズの用紙が良いでしょう。

◆アパートの契約書、タイの住居を証明する書類
→タイに入国してから物件を探す場合は、念のために、それまで滞在するホテルの予約確認書を持参し、その旨を伝えれば問題ありません。

また、日本国籍以外の方が申請を行う場合は、在留カードのコピーあるいは外国人登録書のコピーが必要です。国籍によっては審査に60日程度、時間を要することもあります。

年金ビザ

タイでは日本人のシニア世代から人気のあるビザが2つあります。まずは通称「年金ビザ」と呼ばれている年金受給者向けのビザ。このビザは次に紹介する「リタイアメントビザ」に比べて、滞在できる期間が短く、シングルでは90日間の滞在しか認められていません。ただし、タイ国内で延長をすることができます。

対象者は日本(または他国)の、政府年金受給者で、保険会社などによる個人年金は対象外です。申請料はシングルで9,000円、マルチプルで22,000円です。代理申請は認められておらず、申請者本人が手続きを行います。

年金ビザの必要書類

必要な書類は以下の通りです。

◆パスポート(有効期限が6ヶ月以上、査証欄の余白が1ページ以上あること)
◆申請書
コチラからダウンロードが可能です。大文字の英語で必要な情報を入力し、プリントアウトをして他の書類と一緒に提出します。なお、タイ国内での保証人欄は知人がいなければ、空欄で構いません。また、手書きの申請書でも受け付けは可能ですが、ビザの申請時に時間を要することがあります。

◆証明写真1枚 3.5×4.5cmサイズでカラー
◆航空券または予約確認書コピー
→申請者名・便名・タイへの入国日・出国日の記載が必要

◆経歴書
コチラからダウンロードが可能です。大文字の英語で必要な情報を入力し、プリントアウトをして他の書類と一緒に提出します。なお、タイ国内での保証人欄は知人がいなければ、空欄で構いません。また、手書きの経歴書でも受け付けは可能ですが、ビザの申請時に時間を要することがあります。

◆年金証書原本とコピー
→年金額は月額65,000バーツ(約208,000円)以上の受け取りが確認できること

◆戸籍謄本原本 発行日から3ヶ月以内
◆国公立病院発行の英文健康診断書
→健康かつタイの公共に影響を与える持病がない旨の記載が必要

◆英文身元保証書原本
コチラからダウンロードが可能です。なお、身元保証人は20歳以上の日本居住者で、申請者の名前・年齢・身体的特徴・個人情報など、個人の特性を確認できる人でなければなりません。

◆保証人の署名が入ったパスポートあるいは運転免許証のコピー
→保証人は申請者と一緒にタイへ同行する人は認められません。

リタイアメントビザ

年金受給開始に満たない年齢でも申請できるビザが、通称「リタイアメントビザ」と呼ばれているロングステイビザです。申請時に満50歳以上かつタイの入国禁止者リストに入っておらず、犯罪歴や指定された病気に罹っていないことが条件です。なお、先ほどの年金ビザもリタイアメントビザも、タイでの就労はできません。

タイプはマルチプルのみで申請料は22,000円。代理申請は認められておらず、申請者本人が手続きを行います。

リタイアメントビザの必要書類

必要な書類は以下の通りです。

◆パスポート(有効期限が1年6ヶ月以上、査証欄の余白が1ページ以上あること)
◆申請書 原本とコピー 2部
コチラからダウンロードが可能です。大文字の英語で必要な情報を入力し、プリントアウトをして他の書類と一緒に提出します。なお、タイ国内での保証人欄は知人がいなければ、空欄で構いません。また、手書きの申請書でも受け付けは可能ですが、ビザの申請時に時間を要することがあります。

◆証明写真4枚 3.5×4.5cmサイズでカラー
◆航空券または予約確認書コピー
→申請者名・便名・タイへの入国日の記載が必要 コピー3部

◆経歴書 原本とコピー 2部
コチラからダウンロードが可能です。大文字の英語で必要な情報を入力し、プリントアウトをして他の書類と一緒に提出します。なお、タイ国内での保証人欄は知人がいなければ、空欄で構いません。また、手書きの経歴書でも受け付けは可能ですが、ビザの申請時に時間を要することがあります。

◆金融証明書 原本とコピー 2部 下記3つのうち1つ
①英文の銀行預金残高証明書 800,000バーツ(約2,560,000円)以上が確認できる証明書
②年金証書 月額65,000バーツ(約208,000円)以上の受け取りが確認できる証明書
③銀行普通預金通帳と年金証書原本の合算で、800,000バーツ(約2,560,000円)以上が確認できるもの
※いずれも書類は発行から3ヶ月以内で、公証人役場と外務省の認証を受けること。

◆英文の無犯罪証明書原本
→外務省で認証を受けること。開封厳禁

◆国公立病院発行の英文健康診断書 発行日から3ヶ月以内 原本とコピー 2部
→タイが特定する病気ではない旨の記載を含み、外務省で認証を受けること

◆パスポートの全ページ コピー3部
詳しくは、大使館のページで、ご確認下さい。

ビザに関する注意

ビザのルールは頻繁に変わります。同様に入国に関するルールも予告なく変わることもあるので、渡航をお考えの方は必ず直前に大使館などのページから情報を取得するようにして下さい。また、ビザは申請から発給まで時間を費やすことがあります。さらに、ビザに必要な書類を揃えるだけでも、想定以上の時間を要することが多いため、スケジュールはなるべく前倒し気味に進めることを意識しましょう。

※こちらの記事の日本円の表記は2017年5月のレートで参考として表記しています。為替相場によって現在の金額は変動している可能性がありますので、ご了承下さい。

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