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芸術文化が色濃いドイツ
ドイツは「詩人と思想家の国」と呼ばれており、芸術色が非常に豊かです。たとえば、ドイツには連邦各州からの助成を受けた劇場が約240ヵ所、図書館に至っては約25,000館もあります。その他にも博物館や交響曲オーケストラなどの文化施設を連邦各州が担当しているため、毎年9,100人以上のドイツ人が博物館を訪れ、3,600人以上が交響曲オーケストラを鑑賞していると言われています。
このように美術、文学、音楽、演劇など、あらゆる分野での芸術と哲学的思想は、多くの観光客を魅力し、中世の面影を残す数々の世界遺産と共に、国の文化としての礎が築かれています。
また、ドイツは世界的に見ても高いレベルでの男女平等や障がい者の権利促進、同性愛者に対する法的整備あるいは社会的な寛容を確立しています。同性同士であっても、パートナーの遺伝的子供を養子とすることができ、結婚に準ずる権利としてシビル・ユニオンが認められています。
環境保護先進国としての取り組み
ドイツは世界的に環境保護先進国と呼ばれ、環境保護やエコに対して国民が高い意識を持っています。その背景として、国土が決して広くなく、さらに海外線が短いために埋立地も確保できない土地の問題や、他国へ廃棄物を越境移動することが禁止になりドイツ国内で処理しなくてはならなくなったことなどが挙げられます。また、大気や土壌、水質など生活基盤の保護は経済発展の前提条件とも考えられています。
廃棄物リサイクル促進法などの法整備や、環境に良くない素材の容器包装廃棄物にデポジットが課されるデポジット制の制定など、政府主導の法や規制が守られ、ゴミの大幅な削減に成功しています。現在、ゴミ排出量は日本の約25%にとどまり、特に包装物に関しては約10%しか排出されていません。
こうした取り組みや権利の確立、さらには医療制度や化学技術の発展など、多くの場面で世界をリードし続けているドイツは、2013年のBBC世論調査で「世界で最も肯定的な影響を与えている国」に選ばれました。
日本食レストランは約500軒!ドイツの食文化
ドイツでは日本食レストランが約500軒しかなく、決して日本食に溢れている国ではありませんが、近年はラーメンなどの軽食を中心に人気が高まっており、寿司店や和食店と同様に、急激に増え続けています。
しかし、せっかくドイツに住むのなら、現地ならではの味を堪能したいもの。ドイツの食文化は、地域によって異なる特徴があり、特に南部ではオーストリアやスイスの食文化が融合しています。また、ドイツを代表するアルコール飲料として日本でも有名なビールは、消費量が減少傾向にあるものの、1人あたりの消費量が年間116リットルと世界最多。なお、ドイツでは16歳以上(保護者同伴の場合は14歳)から、ビールを飲むことができます。
日本人好みの「シュニッツエル」
一般的には子牛のカツレツを「シュニッツエル」と言いますが、飲食店や家庭によって豚肉や鶏肉を使用する場合もあります。薄く伸ばした肉をパン粉で揚げてレモンを絞るスタンダードな食べ方の他に、キノコを使った濃厚なクリームソースと一緒に食べるイェーガーシュニッツエルも人気です。シュニッツエルに限らず、ほとんどのドイツ料理に共通することですが、量が多い(サイズが大きい)ので、レストランなどで注文する前は、周囲のテーブルなどを見渡してサイズを確認すると良いでしょう。
春が旬の「シュパーゲル」
ドイツで「王様の野菜」と言われる「シュパーゲル」は、4月~6月が旬のホワイト・アスパラガス。かつては王様に献上するために栽培されており、世界でも最高級の品質を誇っています。丸ごと茹でて、バターと卵黄とレモン果汁で作られたオランデーズソースをかけて食べる方法が一般的。ベーコンやポテトと一緒に提供されることが多く、肉料理やお酒にもよく合います。
ベルリンの伝統料理「アイスバイン」
塩漬けした骨付きの豚肉を柔らかくなるまで煮込んだ「アイスバイン」は、ベルリンを代表する料理として有名ですが、日本人からの評価は割れており、好き嫌いがハッキリ分かれる料理でしょう。見た目が肉の塊なのでヘビーなイメージを持ちますが、煮込み料理のため、余分な脂は溶け、意外にもさっぱりと食べられます。ザワークラウト(キャベツの漬物)やポテトと一緒に提供されることが多く、マスタードをつけて食べます。
他にも、ドイツの定番料理としてソーセージやプレッツェルなどがあります。