健康保険への加入は義務

ドイツの病院

ドイツでは、開業医であるGP、専門医、総合病院と役割が明確に分かれており、基本的に最初の外来はGPが担当します。GPは主に一般、内科、小児科などがあり、GPによる診察を受けた後、さらに詳しい検査や治療が必要だと判断された場合に、専門医あるいは病院を紹介してもらいます。なお、ドイツでは医療データの電子化が普及しており、GPと病院が患者の診療データを共有しているため、緊急の場合に直接、病院での診療を受けても、持病やアレルギーの有無、服用している医薬品など、あらゆるデータを医師が確認できます。

また、ドイツでは2009年からドイツに居住する全ての人に対して、健康保険への加入を義務付けています。長期滞在者も滞在許可を取得するためには健康保険への加入が必須条件となっており、日本の保険会社ではビザを取得できないこともあるので、原則としてドイツの保険へ加入することになります。

法定健康保険とプライベート健康保険

ドイツには法定健康保険とプライベート健康保険の2種類があります。

日本の健康保険はドイツの公的保険制度(法定健康保険)を参考にして作られたと言われており、ドイツの法定健康保険についてはシステム的にも理解しやすいでしょう。この保険は収入に応じて一定の割合の保険料を支払います。日本でも社会保険の場合、複数の健保組合が存在するように、ドイツでも複数の会社が存在します。会社員や学生などが主な対象で、会社員の場合は保険料の約半額を会社が負担し、扶養家族は収入がない、もしくは毎月の収入が425ユーロ(約55,800円)以下の場合、無料で加入できます。よって扶養家族が多い家庭では保険料が割安で、また年金生活になっても保険料は収入に応じて計算されるため、やや安めに抑えられるでしょう。

一方のプライベート健康保険は扶養家族がいても、各々に保険料が発生するので経済的な負担は増えますが、単身世帯の人は法定健康保険より安くなることもあります。法定健康保険に比べて保険の適用範囲が幅広く、病院の予約も取りやすいなど、メリットも多いですが、年金生活になると保険料が上がる(高齢者は病気のリスクが高まるから)など、デメリットもあります。

法定健康保険からプライベート健康保険へ変更することも可能ですが、一度、変更してしまうと、原則として再び法定健康保険に戻すことができず、家族が増えた時のことを考えると、法定健康保険の方が良いケースもあります。ただし、法定健康保険と違い、プライベート健康保険は保険の種類によって、医療機関を受診しなかった場合に保険料の一部が返金されるなど、サービス面で充実しています。

なお、日本語での受診が可能な病院などは、コチラで確認することができます。

水道水の飲用は?

水が入ったグラス

ドイツは衛生状態が非常に良いため、どの都市でも水道水は飲用することができます。また、ドイツでは水道水に関する厳しい基準が設けられており、各水道局はその基準をクリアしなければならず、水道水の品質はミネラルウォーターよりも高いとされています。

よって、日本と同様に安全性の面では何も問題ありませんが、日本と異なり硬水なので、慣れるまではお腹を壊してしまうかもしれません。しかし、硬水は軟水よりもミネラル(カルシウムやマグネシウムなど)が多く含まれており、身体に対しても有用です。

どうしても気になる場合は、市販のミネラルウォーターやウォーターサーバーを利用すると良いでしょう。

※こちらの記事の日本円の表記は2017年8月のレートで参考として表記しています。為替相場によって現在の金額は変動している可能性がありますので、ご了承下さい。

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