観光目的で90日以内はビザが不要

ドイツのお金

ドイツへの入国は、観光や訪問、商用などを目的とした90日以内の滞在なら、ビザは免除されます。しかし、6ヶ月以内の期間内で最大90日と決められているため、90日が経過する直前に日本などへ一時帰国し、再びすぐに入国することはできません。また、このルールはドイツのみならず、シェンゲン協定加盟国共通なので、例えば加盟国であるフランスに90日滞在した後、すぐにドイツへ入国することはできません。シェンゲン協定加盟国内での滞在期間が90日以内だと覚えておきましょう。

現在のところ、シェンゲン協定加盟国は以下の通りです。
オーストリア、ベルギー、デンマーク、チェコ、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイスランド、イタリア、ラトビア、リトアニア、リヒテンシュタイン、ルクセンブルク、マルタ、オランダ、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、スロバキア、スロベニア、スペイン、スウェーデン、スイス。

なお、日本居住者であっても、日本国籍以外の方は、国籍によっては90日未満の滞在でも、短期訪問ビザが必要となります。また、90日以上の長期滞在では必ず目的に応じたビザが必要です。

ロングステイ向きのビザは?

ドイツに長期滞在をする方で、片道航空券で入国する場合、入国時の係官から滞在目的を尋ねられる場合があります。その場合、就労であれば雇用契約書、留学であれば入学許可証などを提示できるように用意をしておきます。

また、90日を超える滞在の場合には、然るべきビザを取得しますが、ドイツの長期滞在向けのビザは、どのような種類があるのでしょうか?

就労ビザ

ドイツで就労することが決まっている場合、就労ビザを申請します。申請書類は以下の通りです。
◆Web版の申請書1部
◆長期ビザ申請書2部
◆誓約書
◆パスポート用の写真2枚
◆有効なパスポートとコピー2部
◆雇用主からの労働契約書または採用通知書の原本とコピー2部
◆英語またはドイツ語に翻訳された大学の卒業証明書

なお、日本国籍以外の方は日本の在留カードの原本とコピーが1部必要です。申請書は本人が直接、提出する必要があり、申請書類はドイツでの居住予定地を担当する外国人局に送付されるため、1~3ヶ月程度を要します。また、日本や韓国、アメリカなど一部の国籍を有する人であれば、これらの手続きはビザ無しでドイツへ入国した後に行うことも可能です。

学生ビザ

ドイツへ留学することが決まっている場合、学生ビザを申請します。申請書類は以下の通りです。
◆Web版の申請書1部
◆長期ビザ申請書2部
◆誓約書
◆パスポート用の写真2枚
◆有効なパスポートとコピー2部
◆ドイツの語学スクールや大学からの入学許可通知書の原本とコピー2部
◆金融機関発行の残高証明書(英訳、ユーロ建ての原本)など滞在費を証明する書類

滞在費の証明書類は、居住予定地の外国人局や留学期間によっては、金融機関発行の残高証明書では受け付けないこともあります。その場合、ドイツ国内の銀行に口座を開設し、滞在期間1年につき8,640ユーロ(約111万円)以上の預金があることを証明しなければなりません。

なお、就労ビザと同様に日本国籍以外の方は日本の在留カードの原本とコピーが1部必要です。申請書は本人が直接、提出する必要があり、申請書類はドイツでの居住予定地を担当する外国人局に送付されるため、25日程度を要します。また、勉強期間に対して与えられる最終的な滞在許可は入国後にドイツで発給されます。

ワーキングホリデービザ

ワーキングホリデービザでは1年以内の滞在に限り、ドイツで就労をしながら滞在することが可能です。申請時の年齢は18歳~31歳未満で、子供などの家族は同伴できません。また、ワーホリビザの申請は、世界各国のドイツ大使館、総領事館で申請することが可能で、日本国籍の場合はビザなしでドイツに入国してから、現地の外国人局で申請することも認められていますが、一部の大使館(領事館)や外国人局によっては、受け付けていないこともあるので、事前に問い合わせた方が良いでしょう。

ワーキングホリデービザの申請書類は以下の通りです。
◆Web版の申請書1部
◆長期ビザ申請書(大阪の総領事館のみ)1部
◆パスポート
◆往復航空券(Eチケットの場合は予約確認書など)
◆すべての滞在期間中に有効な医療保険(歯科にも適用され、女性の場合は妊娠時にも適用される保険)の証明書および旅行賠償責任保険
◆金融機関発行の残高証明書や通帳コピーなど滞在費を証明する書類

滞在中の生活費支払い能力を証明するために必要な金額として最低でも2,000ユーロ(約263,000円)が必要で、片道航空券で入国する場合は、その2倍の金額を証明しなければなりません。なお、ビザの申請は遅くとも出発の2週間前に行うことを推奨されていますが、出発日の3ヶ月以上前では受け付けてもらえません。

その他のビザ

ドイツ人の配偶者と共に長期滞在を行う場合は、配偶者ビザを申請しますが、社会への適応促進の観点により、EU非加盟国の方が配偶者としてドイツで暮らす場合は、申請時に基礎的なドイツ語能力があることを証明する必要があります。

配偶者ビザの申請書類は以下の通りです。
◆Web版の申請書1部
◆長期ビザ申請書2部
◆誓約書
◆パスポート用の写真2枚
◆有効なパスポートとコピー2部
◆アポスティーユ添付の婚姻証明書原本または認証されたドイツ語訳のコピー
◆配偶者のドイツもしくはEUパスポート原本または認証されたコピー
◆ドイツ語能力を証明する書類

なお、日本国籍以外の方は日本の在留カードの原本とコピーが1部必要です。申請書は本人が直接、提出する必要があり、申請書類はドイツでの居住予定地を担当する外国人局に送付されるため、1~3ヶ月程度を要します。また、日本や韓国、アメリカなど一部の国籍を有する人であれば、これらの手続きはビザ無でドイツへ入国した後に行うことも可能です。

ビザに関する注意

ビザ

ビザのルールは頻繁に変わります。同様に入国に関するルールも予告なく変わることもあるので、渡航をお考えの方は必ず直前に大使館などのページから情報を取得するようにして下さい。また、ビザは申請から発給まで時間を費やすことがあります。さらに、ビザに必要な書類を揃えるだけでも、想定以上の時間を要することが多いため、スケジュールはなるべく前倒し気味に進めることを意識しましょう。

※こちらの記事の日本円の表記は2017年8月のレートで参考として表記しています。為替相場によって現在の金額は変動している可能性がありますので、ご了承下さい。

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