危険から身を守るために

バリのテロ跡地

かつては、治安があまり良くないイメージの強かったジャカルタですが、近年は著しい経済成長に伴って、かなり改善傾向にあります。しかし、繁華街を中心とした一部のエリアでは、まだまだ軽犯罪が多く、スリや置き引き、ひったくりなどが相次いでいます。それは、のんびりとした雰囲気が漂うバリ島でも同様。全般的に治安は悪くなく、落ち着いた生活を送ることができますが、それでもスリやひったくりなどの軽犯罪は起きています。

また、防ぎようがないため、あまり不安を煽るような表現はしたくないのですが、ジャカルタでは2016年に市内中心部にあるデパートで、2009年にも市内中心部にある2ヶ所の有名ホテルで、テロが発生してします。これらはイスラム過激派の犯行とされていますが、イスラム過激派と純粋なイスラム教徒とは別物で、イスラム教徒の大半は穏やかで温和、さらに過激派に対して否定的な感情を持っています。

テロはバリ島でも2002年と2005年に発生しています。2002年はバリ島中心部のクタで、自動車爆弾が爆発し外国人観光客を含む200名以上の命が奪われ、大きなニュースとなりました。その3年後の2005年、今度はジンバランビーチのレストランとカフェ、さらにクタのレストランの計3軒で6分間隔の爆弾テロが起き、日本人を含む20名以上が死亡し、約130名の負傷者が出ました。

爆弾によるテロを防ぐことは難しいですが、不審なものを見つけたら近寄らないこと、さらに日本大使館からの最新情報を受け取れるように安全情報システムへの登録をお勧めします。インドネシアでは、テロの他にデモが頻繁に発生し、過激なデモの情報など、危険な事柄に巻き込まれる可能性がある場合、メール等で連絡をしてくれます。

犯罪や危険から身を守るためには、日々の心掛けも大切ですが、このように現地に関する情報を仕入れておくことも予防策の一つと言えるでしょう。

インドネシア国内の犯罪に関するデータ

まずは、グラフをご覧下さい。国連の統計局によるインドネシア国内の犯罪データです。イメージを掴みやすくするために日本のデータも併記します。

殺人件数 暴行件数 誘拐件数 窃盗件数 強盗件数 性的暴行件数
マレーシア 2014 0.5 14.5 0.1 9.6 4.6 2.2
日本 2014 0.3 21.0 0.2 356.2 2.4 6.8

※単位は10万人あたりの人数
データ参照元:国際連合世界統計年鑑 NR=報告・データなし

数字は認知件数が大きく影響

データを見比べると、殺人件数・強盗件数が日本より多く、その他の犯罪に関しては、日本よりも少ないとされています。例えば窃盗件数を比較すると、日本の方が37倍も多く、インドネシアにおいては日本で生活をしている時よりも気を引き締めなくても良いように思えてしまいます。

しかし、この国際連合世界統計年鑑によるデータは、あくまでも警察が認知した件数であり、必ずしも発生件数とイコールにはなりません。実際に、インドネシアへの旅行中、スリや置き引きの被害に遭った方もいますが、事を大袈裟にしたくない人や言葉の不安などもあって警察へ届け出ない人が大半です。また、現地在住の外国人や現地の人であっても、窃盗された金品が返って来る可能性が低く、ある種の自己責任と感じ、表沙汰にする人はあまり多くありません。データ以上にスリやひったくりは多いので、手荷物や身の回り品の管理には気を付けましょう。

後を絶たない詐欺被害

金を懐に入れる詐欺師

多くのガイドブックや旅行サイトでも啓蒙をしていますが、なかなか被害が減らない詐欺。タイプは様々ありますが、非常に多い手口として知られているのが、賭博詐欺と結婚詐欺。どちらも「自分は大丈夫」と過信してしまい、騙されたと気付いた頃には大金を奪われています。

賭博詐欺の流れはインドネシアに限らず、他の東南アジアでも同様で、最初は何気ない会話から始まります。カタコトの日本語で近寄り「日本が好き」「日本のことを知りたい」「家族が日本へ行く」などと、日本のことを聞きたい素振りを見せます。これだけなら、ただ日本へ興味のある人に過ぎませんが、ここから自宅へ招かれる展開になってしまったら、やや注意。会話の中でクレジットカードや現金の話をされた場合、賭博詐欺を疑っても良いでしょう。自宅と称する到着先で待っているのは、身内や友人を装った詐欺グループ。会話の中で自然にギャンブルへ誘い込みます。最初は勝たせて気分を良くさせますが、徐々に勝ち負けを繰り返し、最後は一気にクレジットカードの限度額まで巻き上げます。声を掛けて来た時の人懐っこい表情は消え、威嚇をしながら脅迫することも。

同じくタチの悪い結婚詐欺。特にバリ島ではジゴロと呼ばれる男の詐欺集団が多く、女性に結婚や交際をチラつかせて、金品を奪います。基本的にジゴロは組織で活動しており、一度に複数の女性と接触します。口が上手いだけではなく、演技力にも長けているため、騙されたと気付くのは、ずっと後。なかには帰国後も騙されていることに気付かず、お金を送り続ける女性もいますが、送ったお金は仲間内で分配されていることがほとんどです。タイやフィリピンでは男性をターゲットにした美人局的な被害が多いですが、バリでは女性もターゲットにされるので、自分だけは違う!と思わずに慎重な行動を心がけましょう。

他にもドラッグに関する犯罪も多く、特にバリ島では売人から声を掛けられることもあります。無視をすれば追って来られることはないので、少しでも興味のある素振りを見せずに、すぐにその場を立ち去りましょう。

インドネシアで事件に巻き込まれたら

インドネシアに限らず、どこの国でも身の安全を第一に考えて行動することが鉄則です。例えば、ひったくりに遭った場合、奪われた金品を奪い返そうとするのではなく、自分の命を最優先に考え、安全な場所へ身を移すようにしましょう。奪われた物が返って来ることはありませんが、海外旅行保険などに加入していると、後に保険金を請求できることもあります。請求の際、多くの保険会社では現地の警察によって作成された証明書が必要になります。どのような書類が必要で、どのタイミングで申請を行うのか?保険に加入する時は細かいことまでチェックをしておきましょう。

インドネシア国内での主な緊急連絡先一覧

インドネシア国内での主な緊急連絡先を記載します。都市によって電話番号や連絡先の大使館・領事館が異なるので、住むエリアが決まったら必ず緊急連絡先を確認し、何かあった際に直ちに連絡できるよう、メモなどを残しておきましょう。

◆警察 110
◆救急車 118
◆消防 113
◆在インドネシア日本大使館 021-3192-4308
◆在スラバヤ日本国総領事館 031-503-0008
◆在マカッサル領事事務所 0411-871-030
◆在デンパサール日本国総領事館 031-227-628
◆在メダン日本国総領事館 061-457-5193
◆ジャカルタ・ジャパン・クラブ 021-315-0418 / 021-390-5722

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