一定条件で国民健康保険への加入も可
イギリスには公的な国民健康保険があります。仕組みは日本の国民健康保険と似ており、医療費は税収などによって負担され、保険加入者は公立病院なら原則として無料で診察・入院・手術などを受けることができます。ただし、歯科や眼科、特殊な手術あるいは事故や持病、処方薬の提供については有料です。
このサービスはNational Health Seviceの頭文字を取って、NHSと呼ばれており、外国人でも一定の条件を満たせば加入することが可能です。たとえば、留学ビザなどで6ヶ月以上イギリスに滞在する学生や、ワーキングビザ所有者、結婚ビザなどの永住ビザを持っている方など、6ヶ月以上滞在できるビザを所有している方が申請できます。
なお、2015年より6ヶ月以上イギリスに滞在するEEA(EU+ノルウェー、リヒテンシュタイン、アイスランド)国籍以外の方は、ビザ申請前にHealth Surcharge Feeの支払いが義務付けられています。これを支払うことによってNHSの診察や治療を受けられます。
NHSを受けるには、まず滞在している地域でGP(かかりつけ医)を決めます。日本では、どの病院に通おうが基本的に国保を使えますが、イギリスでは必ず地域のGPに登録しないといけません。GPから患者数の許容量が超過していることを理由に断られる時もあるので、あらかじめ電話などで新規受付が可能なのか?を確認しましょう。GPに登録をすると、NHS番号と担当医が記載された医療カードを渡され、これによってNHSのサービスが受けられるようになります。このカードは保険証のようなものなので紛失しないように注意が必要です。
イギリスでは、まずGPに診察や手当をしてもらい、もっと精密な検査や診察が必要だと判断された場合のみ、専門医や総合病院を紹介されます。そこでも公的医療機関であればNHSを利用することは可能です。ただし、私立病院ではNHSを利用できません。
ロンドンには日系クリニックも
NHSの医療機関は原則として無料で、どの都市にもあるため非常に便利ですが、それゆえに、いつも混んでおり予約が取れないことや待ち時間が長いこともあります。また、現地の医療機関なので、診察は全て英語になります。
NHSは使えませんが、イギリスには私立の病院も多く、医師や看護師のレベルは非常に高いと言われています。また、ロンドンには、ロンドン医療センターやジャパングリーンメディカルセンター、日本クラブ診療所メディカルクリニックなど、日系の病院もあり、日本語での説明が受けられます。
私立病院は完全予約制なので待ち時間も短く、さらにGPを登録する必要がないので、自分で病院を選ぶことができます。ただし、全額負担のため、医療費は高額になります。必ず民間の保険に加入しておきましょう。
水道水の飲用は?
イギリスの水道水は衛生面では問題がないので、そのまま飲むことができます。しかし「飲用可能」であっても、日本とは水質が異なり、大部分の地域で硬水なので、軟水に慣れている日本人は、お腹を壊してしまうこともあります。
現地で暮らしている日本人の多くも、水道水は沸かしてから飲むか、ミネラルウォーターなどを利用していますが、決して身体に有害なわけではなく、飲んでも体調を崩さない人もいるので、個人の体質や疲労状態などによるところも大きいでしょう。
なお、ミネラルウォーターやウォーターサーバーの種類は豊富です。