ビザは大きく分けて4パターン

ビザ

イギリスのビザは大きく分けて4つの階層に分類されています。
階層はTier1、Tier2、Tier4、Tier5に分けられており、Tier1は高度技術者、投資家、起業家、大学卒業生起業家などが対象です。それぞれに細かな条件があり、高度技術者は科学・文化など特定分野で国際的な認知を得て、将来の活躍が期待される人材が対象です。英語力は問われません。投資家はイギリス国内で投資を行う方が対象で、初回申請時には200万ポンド(約2億8,180万円)以上の自己資金が必要です。こちらも英語力は問われません。

起業家や大学卒業生起業家は、中級程度の英語力が求められ(CEFRレベル:B1)、起業家であれば20万ポンド(約2,818万円)以上の起業資金の他、イギリス政府・金融機関より50,000ポンド(約705万円)以上の資金提供を受けるなど条件があります。大学卒業生起業家は、資金に関する条件は設けられていませんが、イギリスの高等教育機関または国際通商省認定の海外高等教育機関を卒業している必要があります。

Tier1は技術面あるいは資金面でのハードルが非常に高く、審査はポイント制によって行われます。続いて、他のビザもチェックしてみましょう。

就労ビザ

イギリスで就労するために必要な一般的な就労ビザはTier2に分類されています。
Tier2の中でも、さらに細かく分けられており、一般の就労ビザに該当する「General」は、英語力の最低水準が中級(CEFRレベル:B1)に設定され、一部の例外を除き職務内容は「大卒レベル」に制限されています。また、企業からの身元引受証(CoS)が必要で、申請状況に応じて最長5年1ヶ月の滞在が可能です。場合によっては延長申請も可能ですが、滞在期間の合計は6年以内とされています。

大枠では同じ就労ビザに属しますが、企業内での異動に伴う転勤の場合は、上記の「General」とは別の「ICT」を申請します。このビザは、長期従業員、短期従業員、大卒研究生と、サブカテゴリが設けられており、長期従業員は最長5年1ヶ月、短期従業員と大卒研究生は最長1年の滞在が可能です。また、企業内転勤ICTでは、英語力に関する条件はありません。

どちらの就労ビザも審査はポイント制によって行われます。その他、スポーツ選手あるいはコーチ、宗教活動家の就労ビザもTier2に分類されます。

学生ビザ

学生ビザはTier4に分類されます。
一般・短期・子供用と分かれており、一般的な留学では「General Student」を申請します。このビザは16歳以上が対象で、制限付きでのアルバイトも可能です。大学や専門学校へ通う場合は、中級(CEFRレベル:B1またはB2)レベルの英語力が求められます。

6ヶ月(一部の語学コースのみ11か月)の短期留学では「Short Stay Student」を申請します。このビザは18歳以上が対象で、アルバイトを含む全ての就労は認められていません。主に語学スクールへの通学となるため、英語力に関しては不問です。

4歳以上16歳未満のお子さんが留学する場合は「Child Student」を申請します。公立校ではなく、私立校へ通うことになります。また、アルバイトは認められていません。

その他のビザ

Tier5は一時的労働者と青少年交流(ワーホリ)が対象です。一時的労働者は、創造的業務・スポーツ関係者・慈善団体関係者・政府公認の人的交流・国際協定に基づく入国者の5サブカテゴリに分かれており、慈善団体関係者は最大12ヶ月、その他は最大24ヶ月の滞在が可能です。

青少年交流(ワーホリ)は、ビザの有効期間開始時に18歳以上、申請時に30歳以下の方が対象で、最大24ヶ月の滞在が可能です。しかし、ワーホリの年間発給枠は1,000枠と決まっており、それを上回る応募があった時は抽選になります。

その他に、結婚・家族ビザ、パートナービザ(事実婚や同性同士のパートナー等が対象)、リタイアメントビザなどがあります。また、10年以上継続してイギリスに滞在した方、就労ビザで5年以上イギリスに滞在した方、結婚ビザを取得しており結婚生活が5年以上続いている方などは、永住権を申請することができます。永住権の審査は非常に時間が掛かる(3ヶ月程度)ため、早めに申請を行いましょう。

なお、全てのビザの申請フォームは、コチラからダウンロードが可能です。

ビザに関する注意

ビザ

ビザのルールは頻繁に変わります。同様に入国に関するルールも予告なく変わることもあるので、渡航をお考えの方は必ず直前に大使館などのページから情報を取得するようにして下さい。また、ビザは申請から発給まで時間を費やすことがあります。さらに、ビザに必要な書類を揃えるだけでも、想定以上の時間を要することが多いため、スケジュールはなるべく前倒し気味に進めることを意識しましょう。

※こちらの記事の日本円の表記は2017年8月のレートで参考として表記しています。為替相場によって現在の金額は変動している可能性がありますので、ご了承下さい。

NEWS イギリス移住ニュース & 最新記事

ニュース一覧へ