日本よりも厳しいチェック
物件にもよりますがイギリスで物件を借りる時は、ほとんどの場合でレファレンスチェックが行われます。レファレンスチェックとは、一般的にアメリカでは転職の際に使われるチェックで、採用する企業が応募者の経歴や人柄を確認するために、前職の上司や同僚に対して、応募者について問い合わせをします。イギリスで部屋を借りる場合のレファレンスチェックは、いわゆる「審査」を意味しており、日本でも部屋を借りる時に行われますが、さらに厳しく審査をされます。
たとえば海外赴任などで部屋を借りたい場合は、企業に対して在職証明や給与証明を要求し、留学などで訪れている人は学校が発行する在学証明や入学許可書が必要です。一般的には第三者機関によって審査が行われ、場合によって却下されることもあります。
審査が通った後に契約書の作成に入り、契約や初期費用の支払いが終了すると、インベントリーチェックを行います。このチェックは物件の入居時と退去時に行われ、入居時はインベントリーチェックイン、退去時はインベントリーチェックアウトと言います。早い話が物件のチェックで破損部分や汚れをチェックします。入居者と大家さんだけではなく、第三者も立ち会います。それを基にインベントリーチェックリストが作成され、退去時に新たな破損などが見つかるとデポジットから修繕費が差し引かれます。
審査があること、入居時・退去時にチェックがあること、デポジットから修繕費が差し引かれること等、日本で物件を借りる時と、ほとんど流れは一緒で、内見から入居まで10日ほど掛かることも似ています。よって、イギリスへ到着してから10日程度は住む場所がないので、ホテルなどの一時滞在先は長めに確保をしておきましょう。
に住む
イギリスでは一般的にマンションタイプの物件を「フラット」と呼びます。さらに、フラットは幾つかに分類されています。日本のマンションに最も近いタイプは「パーパスビルトフラット」で、3階建て以上の物件が多く、管理人が常駐している物件もあります。ロンドン市内のケンジントンやノッティングヒルに多いタイプは「コンバージョンフラット」で、大きな家を階ごとに区切ってフラットにリフォームしています。物件によって、一軒の中に入っている世帯数は違いますが、平均して4~5世帯が入居しています。
単身者などに最適なタイプが「スタジオフラット」で、いわゆるワンルームマンションです。ロンドン市内の相場は1,000ポンド(約140,000円)~1,200ポンド(約179,000円)と東京よりも高め。しかし、立地や広さなど条件によっては、もっとリーズナブルに借りることも可能です。その他に、メゾネットタイプのフラットもあります。
一軒家に住む
イギリスでは一軒家の賃貸物件も多く、小さなお子さんがいる家庭や車を所有したい方には、一軒家の物件が向いています。
戸建物件は「ハウス」と呼ばれ、フラット同様、幾つかに分類されています。広い一軒家を丸ごと借りたい場合は「デタッチハウス」を探します。主に4ベッドルームなので家族で暮らす方や複数人で暮らす方に良いでしょう。一軒を中央から左右対称に仕切ったタイプの「セミデタッチハウス」も人気です。2世帯が隣り合う形で住み、各世帯とも2~3ベッドルームになっています。
他にも棟続きの「テラスハウス」やテラスハウスに駐車スペースの付いた「タウンハウス」、平屋の「バンガロー」などがあります。一軒家の物件は空き巣に狙われやすいので、各自でセキュリティ対策を行いましょう。
マンション、アパート、いずれのタイプでも、イギリスではソファーやベッド、冷蔵庫などの家具が付いていることが一般的です。しかし、ロンドン郊外では家具・家電ナシの物件が多く、現地で購入するかレンタルをしなければなりません。なお、家具付き物件であっても洗濯機や掃除機がなかったり、家具ナシ物件であってもソファーと冷蔵庫だけは付いていたり…等、物件によって異なる部分が多々あるので、内見の時に細かい部分まで確認しておきましょう。
日本人向けの不動産会社を利用する
イギリスには現地での物件探しをサポートしてくれる日系の不動産会社が幾つかあります。日本人が多いこともあって、ロンドンに集中していますが、不動産会社によっては、離れたエリアの物件を探してくれることもあります。
日本語を話せるスタッフによる物件紹介は言葉の不安がなく安心でき、また、入居中の不具合にも対応してくれることがあるため非常に心強いでしょう。さらに、入居先が決まるまで、ウィークリーホテルを紹介してくれる不動産会社もあります。
※こちらの記事の日本円の表記は2017年8月のレートで参考として表記しています。為替相場によって現在の金額は変動している可能性がありますので、ご了承下さい。