ビザなし入国でも最長6ヶ月は滞在可能

カナダのビザ

幾つかの国で用意されているリタイアメント向けなどのロングステイビザですが、カナダでは特別なビザがありません。しかし、カナダの場合、ビザを持たずに入国をしても最長6ヶ月は滞在することが可能です。カナダに滞在する日本人のロングステイヤーのなかには、この利点を活かして特定のビザを持たず、6ヶ月の滞在を行う人もいます。

気をつけなければならない点は賃貸物件の契約時。1年単位で契約をすることが多いので、6ヶ月以内の滞在ならば、月単位で契約できる物件を選びましょう。また語学に不安のある方は、契約時の内容を正しく把握できず、貸主とのやり取り時に「伝えたつもり」が生じてしまう懸念もあります。日本人向けの日系不動産企業も多いので、希望条件だけではなく滞在予定日数もきちんと伝えるようにしましょう。

ロングステイのビザは、就労ビザやワーキングホリデーになります。就労ビザ(就労許可証)を取得するためには、雇用主が人材開発省に対して、日本人を希望する理由を明確に記載した書類を提出する必要があり、さらに地元の媒体に求人広告を出すなどの行動を行い、カナダ人や永住者の中に該当者がいないことを証明しなくてはなりません。就労証明書は1年間有効で、更新する際には手続きをしなくてはなりませんが、きちんと手続きを怠らなければ、最長5年間は更新し続けることができます。さらに5年以上の場合は永住ビザの申請が可能です。

また、ワーキングホリデービザを取得すると、1年間の就労許可を得ることができます。幾つかの条件があり、申請を受理した時点での年齢が18歳~30歳であること、入国前にカナダでの仕事が内定していないこと、最低2,500カナダドル(約21万円)の資金を有していること、滞在期間中に有効な医療保険へ加入していることなどが挙げられます。1年間の就労期間が切れる2ヶ月前までに滞在資格を変更することで、引き続きカナダで暮らし続けることができ、条件さえ満たしていれば一般就労許可証への変更も可能です。

空路からの入国に義務付けられているeTA

2016年3月15日、カナダ政府はカナダ入国の際にビザが免除されている国籍の渡航者に対し、eTA(電子渡航認証=Electronic Travel Authorization)の取得を義務付けました。よって、日本国籍の方も空路でカナダへ渡航、またはカナダ国内各空港にて乗り継ぎを行う際に、eTAを所持していなければなりません。

カナダ、アメリカ国籍の方、陸路または海路でカナダへ入国する方はeTAが不要です。また、既に永住権を保有している方は、入国の際にeTAは不要ですが、カナダ永住者(PR)カードあるいはPR旅行書類を携帯している必要があり、携帯していない場合、日本国内からカナダへ向かう航空便に搭乗できないこともあります。また、アメリカ国籍の方はeTAが不要ですが、アメリカの永住権を保有している方が空路でカナダへ入国をする場合はeTAが必要で、グリーンカードも携帯していなければなりません。2015年8月1日以前に就学許可証あるいは就労許可証の発給を受けている方が、カナダから出国し再び空路で最入国をする際は、eTAが必要です。

eTAの申請方法

カナダのビザ

eTAの申請は、カナダ政府のWebサイト上(日本語ページあり)で行います。申請の手続きが完了すると、原則として数分以内に登録したメールアドレスにeTA取得可否の結果が送られて来ます。

渡航直前の申請も出来なくはないのですが、カナダ政府は渡航の計画を立て始めた時点での早期手続きを推奨しています。取得したeTAの有効期間は5年間。ただし、パスポートが5年以内に失効する場合は、パスポートの有効期限までになります。また、有効期限内であれば、カナダ渡航の回数に制限がないので、一度の取得で何度も使用できます。

申請は英語あるいはフランス語のみですが、申請書の書き方を日本語で説明しているpdfファイルが用意されているので、そちらを参考にすると良いでしょう。

申請は1回につき1人分の手続きになるので、例えば夫婦で渡航をする場合は、申請手続きを2回行うことになります。なお、申請にはパスポート情報やメールアドレス、クレジットカードまたはデビットカードが必要です。手数料は1回につき7カナダドル(約587円)で、領収書は後日の印刷もメールの送付依頼もできないため、すぐに画面を保存あるいは印刷をしておきましょう。

取得可否の結果だけではなく、その他の連絡もメールにて送られて来る可能性があります(連絡は全てメールです)。見逃してしまうことのないように、迷惑メールフォルダも忘れずにチェックをしましょう。

ビザに関する注意

ビザのルールは頻繁に変わります。同様に入国に関するルールも予告なく変わることもあるので、渡航をお考えの方は必ず直前に大使館から最新情報を取得するようにして下さい。また、ビザは申請から発給まで時間を費やすことがあります。さらに、ビザに必要な書類を揃えるだけでも、想定以上の時間を要することが多いため、スケジュールはなるべく前倒し気味に進めることを意識しましょう。

※こちらの記事の日本円の表記は2017年6月のレートで参考として表記しています。為替相場によって現在の金額は変動している可能性がありますので、ご了承下さい。

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