ロングステイ向けのビザはMM2H

マレーシアのお金

マレーシアは、観光などを目的とした90日未満の滞在であれば、ビザが免除されます。また、商談や会議、視察などの業務目的でも、90日以内であれば原則としてビザを取得する必要がありません。ただし、ビザ免除で出入国をする際は、1年間で最大180日までと決められており、入国の判断は審査官に委ねらていれます。

日本人を含む外国人がロングステイをする際に適したビザは「MM2H」(マレーシア・マイ・セカンド・ホーム)で、最長10年間の滞在が認められ、出入国も自由なマルチプルビザとなっています。

MM2Hの申請に必要な書類

MM2Hオンライン

ロングステイを希望する方にとって、非常に便利なMM2Hですが、取得には幾つかの条件があります。他国の長期滞在ビザに比べると、難易度はそれほど高くありませんが、それでも用意する書類も多く、手間と時間は掛かります。まずはMM2Hの概要と必要書類をチェックしてみましょう。

滞在可能日数=最長10年間(更新可)
※ビザはパスポートの有効期限と同期間発行され、ビザ期間が10年に満たない場合はパスポートの更新後に延長手続きを行います。

◆必要書類=必要書類に関してはマレーシア政府観光局に記載されています。一つ一つの項目をチェックしてみましょう。

カバーレター

MM2Hを申請した理由を手紙形式で書きます。言語は英語です。翻訳サイトなどを使っても英文は作れますが、翻訳機能がまだまだ完全ではないため、英語の得意な方にチェックしてもらうか、ビザの代行業者にお願いした方が確実です。

代表者の経歴書

学歴や職歴、専門技術について記載をします。配偶者や21歳未満の未婚のお子様、60歳以上の両親(代表者の両親のみ認められており、配偶者の両親を同行させたい場合は、配偶者自身も代表者になる必要があります)が同行する場合は、代表者の経歴書だけあれば問題ありません。言語は英語です。

MM2Hの申請用紙

マレーシア政府観光局からダウンロードが可能です。必ず本人による記入が定められており、言語は英語です。

IM12フォーム

こちらもマレーシア政府観光局からダウンロードをします。言語は英語で、原本1部とコピー2部の合計3部を提出します。

証明写真(パスポートサイズ)

必要枚数は4枚で、MM2Hに1枚、IM12ファーム3枚に貼り付けます。

パスポートの全ページコピー

顔写真のあるページは認証します。認証については、各市区町村の公証役場で行ってもらうか、行政書士による作成でも可能です。

健康に関する自己申告書

言語は英語で、同行者も含めて全員分が必要です。用紙はマレーシア政府観光局からダウンロードをします。

結婚証明書・出生証明書

未婚または配偶者が同行しない場合は必要ありません。出生証明書も21歳未満のお子様がいない、もしくは同行しない場合は必要ありません。結婚証明書は戸籍謄本を英文にし、公証役場で認証してもらいます。また、行政書士による作成でも可能です。出生証明書に関しても同様で、英訳して認証を受けます。お子様が21歳以上であっても未婚かつ両親による補助が必要な場合は、医師(もしくは専門医)による英語の診断書が必要で、英文で書かれた宣誓書(同行するお子様に関わる全ての費用は代表者が負担する旨を記載)が求められます。

財務に関する書類

英文で書かれた過去3ヶ月分の財務証明と収入証明が必要です。財産証明を預金で行う場合には、銀行発行の残高証明書(過去3ヶ月分)が必要で、英文で発行してもらいます。財産証明を株式で行う場合は、証券会社発行の持ち株リスト(評価額も記載されたもの)を発行してもらいます。こちらも英語で過去3ヶ月分が必要です。また、収入証明は収入が記載された銀行口座の書類(英文)を提出します。いずれもコピー不可で原本での提出になります。

チェックリスト(Appendix)

マレーシア政府観光局からダウンロードします。

財務書類に関する開示承諾書

マレーシア政府観光局からダウンロードします。この承諾書は「財務書類に関する開示を求められた場合、詳細を開示します」との意味を持つ同意書です。

無犯罪証明書

東京都では警視庁、その他の道府県では道府県警察本部(県警本部)で発行することができます。MM2H申請書を持参し、英文で発行してもらいます。

在籍確認承諾書

宣誓書はマレーシア政府観光局からダウンロードします。申告した勤務先や給与が正当である旨が記載された宣誓書です。英文で記入します。

財産証明で必要な金額は?

経済的証明で必要になる金額は、年齢によって異なります。その境となる年齢は50歳。50歳以上と50歳未満では、最初に必要とされる金額に大きな差が生じています。

50歳以上の方がMM2Hを申請する場合

50歳以上の方は最低35万RM(約875万円)以上の財産証明と月額1万RM(約25万円)以上の収入証明または年金証明が必要とされています。仮承認をされた後、15万RM(約375万円)をマレーシアの金融機関に定期預金をするか、毎月1万RM(約25万円)以上の年金を受領している証明を行うか、申請時に選択することが可能です。この定期預金は、2年目以降になると医療費などを目的に5万RM(約125万円)を引き出すことができ、決して費用として渡すものではなく、あくまで「預けるもの」です。

50歳未満の方がMM2Hを申請する場合

50歳未満の方は最低50万RM(約1,250万円)以上の財産証明と月額1万RM(約25万円)以上の収入証明が必要とされています。仮承認をされた後、30万RM(約750万円)をマレーシアの金融機関に定期預金をします。50歳以上の方と同様に、2年目以降は引き出すことが可能ですが、50際以上の方より最初の預金額が多いので、引き出せる金額も15万RM(約375万円)までと高めに設定されています。

その他のロングステイ向きビザ

多額の初期費用が必要なMM2Hは、最長10年、さらに出入り自由と、使い勝手の良いビザですが、そこまで長く滞在することを視野に入れていない方は、学生ビザで留学をする方法もあります。学生ビザの期限は原則として1年で更新をすることで最長2年間はマレーシアに滞在できます。学生ビザの取得条件やビザ取得までの手続きが学校により異なり、各学校に問い合わせをしなければなりませんが、日本人コーディネーターが在籍する学校や、日本からでも留学サポートを行っている企業があるので、確認をしてみると良いでしょう。

授業料や入学金など、留学のための費用は発生しますが、現地の言葉(あるいは中国語や英語)を学ぶことができ、様々な世代や国籍が集まっている環境で語学を身に付ける楽しさを味わうことができます。

ビザに関する注意

ビザのルールは頻繁に変わります。同様に入国に関するルールも予告なく変わることもあるので、渡航をお考えの方は必ず直前に大使館などのページから情報を取得するようにして下さい。また、ビザは申請から仮承認または発給まで時間を費やします。さらに、ビザに必要な書類を揃えるだけでも、想定以上の時間を要することが多いため、スケジュールはなるべく前倒し気味に進めることを意識しましょう。

※こちらの記事の日本円の表記は2017年5月のレートで参考として表記しています。為替相場によって現在の金額は変動している可能性がありますので、ご了承下さい。

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