多民族国家のシンガポール

シンガポールの風景

シンガポールは多民族国家としても有名な国です。国民の約77%が中華系、約14%がマレー系、約8%がインド系、その他が約1%と複数の民族で構成されています。それぞれの文化が色濃く反映された地域があり、異なる民族や文化間はあまり融合されておらず、同じ国民として生活を共にしながらも、別々の文化や生活様式を守り続けているという特徴があります。

例えば、リトルインディアはインド系の国民が生活を送っており、そのエリアで販売されている雑貨や食料品などはインド製のものが多く、まるでインドにいるような錯覚さえ感じます。

同様に宗教も、国として一つの宗教に定めておらず、仏教や道教、ヒンドゥ教やイスラム教など、複数の宗教が混在しています。さらに公用語も英語、中国語、マレー語、タミール語と複数の言語が使用されており、国として一つの言語に統一されていません。それぞれの言語で、本来の発音や文法とは異なるシンガポール独特の発音や文法を使うことがあり、(主に英語が使用されている)職場や学校でもアメリカやイギリスの英語とは少し違い、シンガポール独特の英語が話されています。

根付いている外食文化

シンガポールのホーカーズ

日本人がシンガポールで生活を送るうえで、驚くことの一つが食事に関する文化です。

シンガポールでは、あまり自炊をする文化がなく食事の大半を外食で済ませます。もともと「自炊」という時間の掛かる行為は、非効率的と考えられていた時代があり、家庭で家事に専念する環境もあまり整っていませんでした。そのため、外食文化が急速に発展を遂げ、現在では、どこのショッピングセンターや商業施設にもフードコートがあり、レストランよりだいぶ安く食事を楽しむことができます。

また、ホーカーズと呼ばれる屋台が並んでいる場所もあります。夕方などは心地良い風を感じながら、外で食事をすることができるので穏やかな気分になります。衛生面でもシンガポールは問題ありませんが、お腹を壊しやすい人や心配な人は、外のホーカーズより冷房の効いた室内で材料を保管・調理しているフードコートを利用した方が良いでしょう。

沢山の宗教が混在しているシンガポールゆえに、ベジタリアン専用のレストランやお店も多く、フードコートやホーカーズでもベジタリアン専用のメニューが豊富に用意されてあります。日本でベジタリアン専用のお店やメニューを探すとなると手間や時間が掛かりますが、シンガポールでは至るところにあるため、あっさりとした食事をお好みの方は是非試してみて下さい!

日本食レストランは急増中!シンガポールの食文化

海外旅行で楽しみにしていることの一つと言えば、現地での食事。多民族国家のシンガポールでは食文化もバラエティーに富んでおり、いろいろなルーツの食事を楽しむことができます。また、日本食レストランが急激に増加しており、日本食に困ることはありません。

しかし、せっかくシンガポールに住むのなら、現地ならではの味を堪能したいもの。中国由来、マレー由来、インド由来の料理には、どのようなものがあるのでしょうか?

最も有名なローカルフード「チキンライス」

チキンライス

シンガポールで最も有名な地元グルメと言えば、チキンライス。中国の海南地方由来の料理のため、漢字で「海南鶏飯」と併記されています。日本人が思い浮かべるケチャップで味を付けたチキンライスではなく、鶏の出汁に生姜やニンニクを混ぜ合わせたスープで炊いたライスに、柔らかく煮込んだ鶏肉をのせた味わい深い一品。お肉料理ですが、さっぱりと食べられ、レストランだけではなくフードコートや屋台でも気軽に食べることができます。

同じく中国由来の料理として、豚肉のスペアリブをスパイスで煮込んだスープ料理の「バクテー」や、野菜や豆腐などが入ったシンプルで胃にも優しい味の「ヨンタオフー」なども有名です。

プラカナン由来の「ラクサ」

ラクサ

マレーシアの名物料理「ラクサ」は、もともとニョニャ料理。ニョニャとは、プラカナン(15世紀後半かにマレーシアやシンガポールへ来た中国系移民の子孫)の女性を指します。

しかし、マレーシアで食べられているラクサとは違い、シンガポールのラクサはココナッツミルクをベースとした濃厚なスープが特徴的で、太めのビーフンやエビ、玉子など様々な具材が入っています。どこのフードコートや屋台でも食べられるので、現地の人だけではなく旅行者にも人気があり、いろいろな店の味を食べ比べてみると良いでしょう。

他にもプラカナン由来の料理として、ブラックナッツと鶏肉を煮込んだ「アヤム・ブア・クルア」や、野菜やエビをピリ辛のソースと一緒に薄皮で巻いた「ポピア」などがあります。

豪快な見映えの「フィッシュヘッドカレー」

フィッシュヘッドカレー

衝撃的なインパクトで、どのガイドブックにも載っているシンガポールのインド料理「フィッシュヘッドカレー」は、大きな魚の頭がゴロッと入った豪快な見た目とは裏腹に奥深く繊細な味わいのするスープ系カレーです。インドからシンガポールに渡って来た人が作ったインド由来の料理ですが、辛さの中に酸味も感じられ、さっぱりと食べられます。

シンガポールには、インドから仕事のために来ている方々が多く、いたるところでインド料理レストランがあるため、シンガポールの人にとってもインド料理はポピュラーな料理の一つです。小麦粉で作られたインド風のパンケーキ「ロティ・プラタ」や、辛さが控えめでまろやかな「チキン・バター・マサラ」は、日本人の口にも合う食べやすい料理です。

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