日本からフィリピンへの行き方:各社から直行便

フィリピンの空港

観光面や経済面だけではなく、人的交流の面でも結びつきの強い日本とフィリピンは、日本各地からフィリピン系の航空会社をはじめとする直行便が毎日就航されているため、非常に行き来しやすい国です。首都のマニラだけではなく、移住先・留学先としても人気の高いセブへも直行便があるため、不便を感じることは少ないでしょう。

また、近年はセブパシフィック航空やバニラエアなどLCC(ローコストキャリア)も直行便の就航をしており、価格を抑えた渡航も可能になりました。しかし、マニラとセブ以外の都市に関しては、韓国やマレーシアなどの第三国を経由するか、マニラあるいはセブで乗り継ぎをすることになります。

日本からマニラへの行き方

日本国内からマニラへ直行便が就航している都市は、東京(羽田・成田)、大阪、愛知、福岡で、その他の都市からは国内もしくは海外の空港で乗り継ぎを行います。

就航本数は空港によって異なりますが、フィリピン航空を例に挙げると、成田からは毎日2便、羽田からも2便、大阪からは毎日2便(うち1便は台北経由)、愛知からは1便、福岡だけは毎日ではなく週6便となりますが、福岡からはセブパシフィックも週に3便就航しています。東京からのフライト時間は、わずか5時間程度。身体への負担が少ない飛行時間であることも、高ポイントと言えるでしょう。

日本からセブへの行き方

マニラほど数は多くありませんが、日本国内からセブへも毎日、直行便が就航しています。マニラ便と同様にフィリピン航空を例に挙げてみると、成田からセブへの直行便は毎日2便、大阪からは毎日1便、愛知からは週3便、他にもセブパシフィック航空が成田から週4便、バニラエアも成田から1日1便就航しています。

その他の都市からは国内もしくは海外の空港で乗り継ぎを行いますが、空港内とは言え安全面でやや不安のあるマニラでの乗り換えを避ける人も多く、韓国などの経由便が人気です。

航空券を購入する際の注意点

航空券を購入する時、つい価格で選んでしまいがちですが、到着時間を忘れずにチェックしましょう。特に気をつけたいのは、マニラのニノイ・アキノ空港への到着が深夜になってしまう場合です。空港からマニラ市内へ向かう途中に、強盗グループの襲撃を受ける事件が度々起きており、日本人も被害に遭っています。このような強盗事件の多くは深夜に発生し、犯行グループを乗せた車が強引に割り込み、被害者(タクシーなども含む)の車を急停止させ、窓を叩き割るなどして金品を強奪します。荒っぽい手口が多く、運転手が射殺されたケースや車ごと拉致されたケースも報告されているため、外務省でも注意を呼び掛けています。

セブでの語学留学では学校による送迎が付いていることが一般的で、学生の人数も多いため、深夜便でも不安は少ないでしょうが、心配な方は念のため現地のスタッフに、安全面などを確認しておくと良いでしょう。

※各航空会社のフライト本数などは2017年6月現在のスケジュールです。変更することがありますので、各社のホームページで最新状況をご確認下さい。

フィリピン国内の交通手段

フィリピン国内の移動手段は、飛行機、長距離バス、タクシーなど様々ありますが、特徴的な交通網は、やはりフェリーやボートなどの船でしょう。7,000以上もの島々から成り立つ国だけあって、フィリピンの人にとって大切な移動手段とされています。

しかし、快適で楽しささえ感じられるフェリーですが、毎年のように大きな事故(主に沈没事故)が起きています。その原因とされているのがフェリーの老朽化と荷物の積み過ぎ。日本とは安全管理に対する意識も違うため、フェリーを利用する場合は加入した保険を確認しておきましょう。

また、都市間の移動に利用されることの多い長距離バスは、エアコンが強すぎるため、半袖など夏仕様の服装では寒く感じてしまいます。薄手の長袖やブランケットを持ち込むと重宝するでしょう。長距離バスは、およそ2時間おきにトイレ休憩または食事休憩で停車します。しかし、休憩時間が終わり、運転手がバスに乗り込むと、しっかりと乗車人数を数えずに発車してしまうことがあるので、乗り遅れないように気をつけなければなりません。

マニラ市内の交通手段

フィリピン国内で最も栄えている首都だけあって、マニラの交通手段は充実しています。しかし、マニラの交通システムはやや難解。電車もあるので路線図を覚えれば、電車が最も使いやすい交通手段になるでしょうが、便利な場所に駅があるわけではないので、ジプニーやバスなども使いこなせるようになると行動範囲が広がります。

しかし、マニラは渋滞が激しく、場合によっては車で10分程度の距離でも、1時間以上掛かってしまうこともあるので、時間に余裕を持った行動を心がけたいものです。

マニラ市内の電車

マニラ市内の電車

マニラ市内の電車は3種類。Baclaran 駅とRoosevelt駅を南北に繋ぐLRT1、Santolan駅とRecto駅を東西に繋ぐLRT2、この2線があるLight Rail Transitを略してLRTと呼びます。距離によって運賃が異なり、片道15ペソ(約33円)から。日本のSuicaのようなICカードを利用すると割引になることもあります。このICカード(Beep Smart Card)は、20ペソ(約44円)で販売されており、Suicaと同じくチャージをして使います。現地の人だけではなく、多くの長期滞在者も利用しています。

主要なビジネス街を通っているため、いつも通勤客で混雑しているのは、Metro Rail Transitで、略して MRTと呼ばれています。その混雑っぷりはラッシュ時に入場規制が掛かるほど。時には30分以上待つこともあるため、時間には余裕を持って出かけるようにしましょう。他にも、国鉄のPNR(Philippine National Railways)があります。

電車内はキレイで女性専用車両までありますが、スリが多いため、旅行者からは敬遠されがちです。乗車の際は、貴重品の管理に気をつけましょう。また、路線によっては21時台に終電となってしまうこともあるので、乗車の際はスケジュールをしっかりと確認しておかないとなりません。

マニラ市内のバス

マニラ市内のバス

多くの市民の足となっているバス。電車よりも幅広いエリアを網羅しているので、使いこなせるようになると非常に便利です。

シティバスと呼ばれる路線バスは、大通りであれば基本どこでも通っていますが、バス停以外での乗り降りは禁止されており、守らないと罰則の対象になるので気をつけましょう。また、行き先はフロントガラスに記載されていますが、慣れるまでは運転手に聞くと確実です。初乗りは約12ペソ(約26円)で、運賃は乗車後に回収する係の人がいるので、その人に渡します。基本的に運転が荒くスピードを出し過ぎることが多いので、席がない場合は、しっかりと手すりを掴むなど、転倒対策をしてください。なお、バス内もスリは多いので貴重品の管理には気をつけなければなりません。

長距離バスは市内にある長距離バスターミナルから乗車します。目的地ごとに複数のバス会社があるので、出発時間などを参考にして選びましょう。

マニラ市内のタクシー

マニラ市内のタクシー

空港から市内、市内から空港、または買い物や仕事など、ちょっとした移動の際に利用できるタクシー。日本と比べると料金も手頃なので利用しやすく、便利な交通手段ですがトラブルが多いことでも知られています。

タクシーの種類は、おおまかに分けると3種類あり、空港などから利用できるクーポンタクシー、安全なイエロータクシー、そして普通のレギュラータクシーに分けられます。

クーポンタクシーは主に空港から利用することのできるタクシーで、エリアごとに料金が決まっています。料金はカウンターの後ろにあるボードにも大きく掲載されており、そこでチケットを購入するので、ぼったくりに遭う心配はありません。同じく、比較的安心だと言われているイエロータクシーの特徴は、車体が黄色で完全メーター制。安心できる代わりに料金はレギュラータクシーと比べてやや高く、初乗りは70ペソ(約154円)。以降、300mごとに4ペソ(約9円)が加算されます。

圧倒的に数が多く、拾いやすいタクシーがレギュラータクシー。初乗りは40ペソ(約88円)とイエロータクシーよりも30ペソも安く、250mごとに3.5ペソ(約8円)が加算されます。最もリーズナブルなタクシーですが、メーターを使わない運転手も多く、それがトラブルへと発展しがちです。特に外国人には、法外な料金をふっかけてくることもあります。また、渋滞時や雨の日などもメーターではなく、ドライバーから料金を提示されます。あまりにも高いと感じたら、他のタクシーを探すか、メーターに50ペソ(約110円)を上乗せすることで乗せてもらうように交渉すると、すんなりと乗車できることもあります。

なお、通常のタクシーよりは割高になりますが、安心してタクシーに乗りたい方のために、現在地まで迎えに来てくれるタクシー配車サービスのアプリもあります。それでも日本のタクシーよりは非常に安いので、わずかな料金で安心を買うと思えば高くはないでしょう。

マニラ市内のジプニー

マニラ市内のジプニー

ジープを改造した乗り物で、庶民の足として定番のジプニー。荷台部分の両サイドに長椅子が設置されており、そこに座ります。路線も多く、初めての場合はどこに行くのか見当も付かないかもしれませんが、車体の横に走行区間が表記されているので、そこを見て確認します。地理が分からない時や慣れるまでは、運転手に聞いてから乗ると安心です。

距離や路線によって料金は異なりますが、車内に料金表がないので分からない場合は運転手に質問をします。もしくは、だいたいどの区間も10ペソ以内なので、10ペソを渡すとお釣りが返って来ます。運転席から遠い位置に乗った人は、隣の乗客にお金を渡すと、手渡しで運転手までお金が届き、お釣りも同様に手渡しリレーのような形で戻ってきます。日本とは一味違った乗り物で、海外生活感を堪能できますが、車内はスリが多いので、気を付けましょう。

他のエリアはタクシーやジプニーが一般的

マニラ以外は、都市によって交通手段が異なりますが、タクシーやジプニー、バイクタクシーなどが一般的です。観光客の多いエリアでは周遊バスが運行されていることもありますが、路線が限定的なので使い勝手が良いとは言えません。また、マニラのタクシーやジプニーでも共通して言えることですが、運転手がお釣りを用意していないことが多いので、細かいお金を用意してから乗るようにしましょう。

フィリピンの乗り物「トライシクル」とは?

トライシクル

自転車やバイクの側面、または後部に乗客用の荷台を付けたトライシクル。あまり舗装されていない道や近距離の移動で利用されることの多い乗り物で、現地の人はよく利用しています。

料金は交渉制で距離や人数によって異なりますが、観光客の多いエリアでは相場よりも高い金額からの交渉になります。バイクはそこまで遅くないものの、自転車タイプだと人力車のようにゆっくりとしたスピードで進むため、急ぐ時にはオススメできず、また、舗装されていない道路では揺れが激しく、決して乗り心地が良いとは言えません。

※こちらの記事の日本円の表記は2017年5月のレートで参考として表記しています。為替相場によって現在の金額は変動している可能性がありますので、ご了承下さい。

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