専門家インタビューvol.1田邊政行その2
まずは実際に生活してみることが移住先決定のポイント
――移住先を決定する際のポイントは?
田邊これは、何度か行ってみることに限ると思います。そして1~2ヶ月は住んでみて旅行者ではなく生活者としての目線でその国を見て、空気を実感してみることが大事だと思います。
しばらく滞在してみると、スコールで道路が水浸しになる様子とか、渋滞で全く動けない道路だったりというリアルなところが見えてくると思います。もちろん同時に、良い部分もより深く見えてくるんだと思います。
――海外に住むと税金面ではどんなメリットが?
田邊海外に住んでいると、日本では「非居住者」という扱いになり、日本での所得には課税されますが、海外での所得には課税がされなくなります。これは所得税だけでなく相続税でも同様で、税金のメリットを考えて移住する人も多いですね。但し、相続税、贈与税については非相続人も含めて5年超海外に居住した場合に限定されますので、注意が必要です。
税金の面でおすすめの国ですが、資産数億円以上の富裕層には、シンガポールと香港が断然オススメですね。所得税が低いですし、相続税や贈与税もありません。但し生活費が非常に高いですので、やはり富裕層以外だと生活を維持するのは難しいでしょうね。
年金生活者はどこの国でも税金的には実はそれほどメリットはありません。ビザの取得しやすさ、物価、治安などの面でマレーシア、タイ、インドネシアをお勧めします。日本、アメリカ、ヨーロッパ圏以外の多くの国は贈与税や相続税がありませんので、その点での魅力はありますね。
但し、実際に海外で住む大変さを考えると、節税メリットだけで移住を決定するのは賢い方法とはいえません。税金面だけでなく、生活面でも自分にあった国や地域を見極める必要があると思います。
――田邊先生が生活されていたタイの印象は?
田邊文化や人を中心に、非常に魅力的な国だと思いますよ。医療水準も日本と変わらないですしね。他の国は人種的な階層であったり差別意識があるようなところもあるのですが、タイはそのようなこともなく、黄色人種である我々も馴染みやすいと思います。
イスラム圏だとラマダーンであったり日本人が馴染むのに多少苦労するような点もあるのですが、タイは仏教国ですので問題ありません。それから食料自給率が非常に高く、食べ物に困らないという特徴があるためか、人もせかせかしておらず穏やかです。但し、一度怒らせると止まらない人が多いですので、気をつけてくださいね(笑)
――タイの気候はどうでしたか?
田邊赤道近くに位置していますので、やはり年中暑いですね。しかし、建物の中はもちろん冷房が効いていますし、移動も車ですのでそれほど長時間暑さに耐えるということはほとんどないですね。外を出歩いて暑さにやられているのは観光客くらいで、住んでいる人は上手く避けて生活していますよ。
――最後に、移住を考えている人たちへ
田邊海外移住を考えている人は多いですが、永住して現地で骨を埋めるという人は意外と多くないんです。現地にいるとやはり日本と比べてしまいますから、日本の清潔さ、治安の良さ、サービスの良さなどが際立って見えてしまって途中で帰って来られる人がとても多いです。定年後で知り合いもいなければけっこう退屈ですからね。
但し、一度海外でロングステイしてみて日本の良さを知る、というだけでも住んでみる価値はあるのかもしれませんね。
一方で、現地で結婚したり趣味に没頭するために海外にいたりという人は移住に結びつきやすいですね。私の弟はニュージーランドで働きながら年中趣味のスノーボードをやっています。もう日本を出て7~8年になりますが、一向に戻ってくる気配がありません。
こういうタイプの人も移住に向いているんだと思います。マレーシアやタイでは1日1,000円~2,000円くらいの格安でゴルフ漬けの生活をされている方もいますよ。よっぽどお好きなんでしょうね(笑)
ですので、移住自体を目的とするのではなく、現地で何かするために移住という手段を取るということを、移住を検討されてる方にはオススメしたいですね。
――海外移住に関する新作の本を書かれているお忙しい合間のインタビューとなりました。田邊先生、ありがとうごさいました。

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