日本人には日本の医薬品がベスト

日本の薬

常備薬は日本から

風邪薬

海外生活における不安点の一つに、体調を崩した時の対処法が挙げられます。大きな病気やケガでなければ、日本国内で生活をしている時と同じように、市販薬で対処をする方が大半です。

しかし、海外の医薬品と日本の医薬品では、商品によって成分が大きく異なることが多く、日本では認可されていない成分が含まれていることも珍しくはありません。現地の人が服用している薬なので、一概に全てを危険だとは言いませんが、効果や刺激が強すぎて日本人には向かないこともあります。

日本の薬は、日本人に向けて研究や開発が行われた商品なので、体質的にも適しているものが多く、さらに見慣れたパッケージや飲み慣れた形態などで、安心感も得られます。

現地のお薬事情~内服~

日本では認可薬の安全性を国が保証しており、未認可薬の流通監視も厳しいとされています。一方、欧米やヨーロッパでは、未認可薬の監視が厳しい一方で、認可薬の安全性について国が保証していません。よって、薬局などで購入できる医薬品の安全性は日本の方が高いと言えます。欧州エリアで医薬品を購入する場合は、多くの人が使っている実績の高い(名前の知れ渡っている)薬を選ぶことをお勧めします。

また、途上国では認可薬の安全性は保証されず、未認可薬の流通監視も甘いので、全てに関して自己責任となります。近年は東南アジアなど発展が著しい国も多いので、一括りにはできませんが、まだまだ貧困層が多い国では、全体的に医薬品が入手しにくいこともあり、裕福層と言われている人々が利用している薬局を調べる必要があります。

鎮痛解熱剤

発熱や痛みを和らげる薬です。一時的に鎮めるだけで根本的な改善には至りません。応急処置として服用するには良いですが、常用すると効きにくくなったり、悪化することさえあります。外国の薬(主に欧米の薬)は、使用説明書にある用法・用量通りに服用すると、効き過ぎることが多く、眠気などの副作用が顕著に現れます。目安として半分くらいの量から開始することを心がけて下さい。

風邪薬

日本の風邪薬は、主成分としてアセトアミノフェンが使われていることがほとんどです。日本の市販薬の用法・用量通りに飲むと、一日最大900mgのアセトアミノフェンを内服することになりますが、海外で市販されている風邪薬では1粒に500mgのアセトアミノフェンが含まれていることもあり、1回2錠の用法・用量通りに飲むと、日本人の限度を超えてしまう恐れがあります。また、その他の成分に関しても、総合感冒薬は複数の成分を含んでいるため、それぞれの含有量を把握して飲むことが難しく、あまりお勧めできず、日本から持参した方が良い薬の一つと言えます。

胃腸薬・整腸剤

とりわけ衛生状態の良くない地域や暑い地域で必要になる胃腸薬や整腸剤。成分的には日本と同等か、やや強めのものが多いので、服用する量を少し減らすことを意識すれば、あまり心配は要りません。ただ、副作用に腸閉塞を伴うものもあるなど、安全性の保証がされていないので、馴染みある日本製の医薬品の方が安心して服用できます。

ビタミン剤

ビタミンCなど水溶性のビタミンは体内に蓄積しないので、大きな心配はないのですが、ビタミンAやビタミンD、ビタミンEなどは水溶性ではないため、長期にわたって限度量を超え続けると、有害になります。また、ドリンクタイプのビタミン剤にはカフェインや糖分が含まれているので、こちらも過度の服用は控え、用法・用量を厳守して下さい。

現地のお薬事情~外用薬~

海外の薬局

外用薬に関しても、内服と同様に日本以外の国では安全性を国が保証していません。内服の薬と比べて、体内で副作用を起こしにくいですが、一方で皮膚などに影響が出ることもあります。

また、医薬品とは異なりますが、日本では化粧品に分類されることの多い歯磨き粉やシャンプー類も、日本人には成分が強すぎて、肌荒れ(口内の荒れ)や脱毛に繋がることがあります。ただし、医薬品と同じく、これらには個人差があり、何の副作用も出ない人も多いので、まずは小さなボトルなどから試してみると良いでしょう。

殺菌消毒薬

傷口の消毒に使う薬です。液体状のものが多く、日本では主に希釈せずに使用しますが、海外製品では水で薄めて使用するタイプも多く出回っています。また、かゆみ止めや虫刺されの薬は、日本と同じくクリームタイプ状が多く、使用方法は同じです。

皮膚のお薬

ニキビに対して効果のある薬、湿疹に対して効果のある薬、水虫に対して効果のある薬など、多くの国で目的ごとに販売されています。ただし、ステロイドを含む外用薬は感染症に使用すると悪化する恐れがあるので、注意が必要です。

コンタクトレンズ

日本では医療機器承認番号が義務付けられており、医療機器として区分されているコンタクトレンズですが、海外では国によって取り扱いが異なり、日本と同じく検査と処方箋が必要な国もあれば、処方箋がなくても、コンタクトレンズを購入できる国もあります。また、ケア用品は日本でも多くが輸入品なので、海外で売られているものと、ほとんど成分は変わりません。