各種手続きは漏れのないように!

チェックリスト

移住の準備:基本的な流れ

情報収集

海外移住の準備は、何事も早めに行うことが鉄則です。住居やビザの手配まで会社が行ってくれる海外赴任なら、もう少し遅くても構いませんが、学生ビザを取得しての移住やシニア移住を考えている方は、3ヶ月前には動き始めるようにしましょう。

なぜなら国にもよりますが、多くの国や地域では日本ほど時間を重視しておらず、たとえば賃貸物件に関して問い合わせをしても、なかなかメールが返って来ないなど、こちらから再度、連絡を取らなくてはならない事例が次々と発生します。

3ヶ月前から始めておきたいこと

また、ぼんやりでも希望の国や地域が決まっている人は、旅行に最適なオンシーズンではなく、オフシーズンに下見をすることで、違った一面が見えて来ることがあります。ロングステイでは、そういった状況下でも暮らし続けなければなりません。

ここで、海外移住の準備をしておきたい項目を並べてみましょう。まずは、3ヶ月前から1ヶ月前までに、やっておきたいことです。なお、一般的な移住に関する項目のみを記載するため、学生ビザやお子様連れで行かれる方の学校選びや、赴任する方の業務関連は含みません。

移住先の情報収集

スマホをみる夫婦

現地での生活もさることながら、移住先によって必要とされる書類が異なります。また、パスポートの残存期間と余白ページ数も国や地域によって、条件が違います。ビザに関しても、必要書類や発行までの所要時間が違うので、必ず確認をしておきましょう。

健康診断・歯科検診

健康診断の結果は英文に、また保険適用外の国が多いので歯科受診は済ませておいた方が無難です。国によっては、予防接種とその証明書が必要になることもあるので、あらかじめ確認をし、必要ならば用意をしておきましょう。

国際郵送方法の確認・荷物の仕分け

郵便局の国際郵便の他にも、大手引っ越し業者による国際宅配便や船便などがあります。料金に開きがあり、補償範囲や所要日数も異なるので、複数の業者から見積もりを依頼すると良いでしょう。また、海外に持って行かない不用品(自動車や家電も含む)が発生する場合は処分方法も検討しておく必要があります。

航空券の予約・購入

入国前に日本でビザを取得しているなら、片道航空券で問題ありませんが、現地に到着後、第三国でビザを取得するなど、日本を出国するまでにビザの用意が出来ていないと、入国の際に、帰国便または第三国へ出国するための航空券などの提示を求められる場合があります。

一時滞在先の予約

移住開始前に住居が決まっている方には必要ありませんが、ほとんどの方は現地に到着してから物件を探すでしょう。この場合、一時滞在先も予約しておかなくてはなりません。同時に、日本で賃貸物件に住んでいた方は解約の連絡を、また分譲マンションや分譲住宅の方は、留守中の家についても考えなくてはなりません。

現金の用意

資金を移動させる方は、海外送金がお得な銀行の口座を開設したり、外貨用のFX口座を開設したり、可能な範囲での準備を進めておきます。現地で口座を開設する方も書類を必要とする場合が多いので、事前に確認をしておきましょう。日本円を両替して過ごす方も、現地で両替した方がお得な通貨と日本で両替した方がお得な通貨があります。

いよいよ移住が近づいたら

移住日が近づいたら、日本国内での引っ越しと同じような手順で準備を進めて行くことになります。ただし、人によっては解約をするものが増えるので、国内の引っ越しよりも時間が掛かることを念頭に入れて動きましょう。

郵便物の転送届

郵便物の転送サービスは国内住所に限定されているため、海外へは転送してもらえません。実家やご家族の住所を転送先に指定するのが一般的です。

諸々の住所変更

郵便の転送と同様、住所を登録しているサービスの大半は、変更先の住所を国内限定にしています。郵便局の転送サービスは1年間なので、移住後にネット上で住所変更を行っても構いませんが、銀行や証券会社などは登録先に住所変更届用紙を送るシステムを採用しているところもあります。その場合、海外に来てしまうと住所変更が難しく、郵便転送サービス期間である1年以内に一時帰国をして住所変更を行う必要が出て来るので、あらかじめ確認をしておきましょう。

保険の住所変更

保険会社にもよりますが、海外移住をする場合、通常の住所変更の他にも提出する書類が発生します。また、適用範囲や支払方法など、日本在住の方と異なる点が発生することもあるので、事前の確認が必要となり、場合によっては解約をすることになります。

水道・ガス・電気・ネットの解約

日本国内の引っ越しでは、ガスのみ立ち会いが必要で、水道や電気は新しい引っ越し先へ請求書が届きますが、海外への引っ越しとなると、請求書の送り先がなく、口座引き落としやクレジットカード払いの方以外は、その場で現金徴収となることがあります。いずれも日付を指定できるので早めに連絡をしましょう。

役所での海外転出手続き

基本的には国内の引っ越しと同じように、役所で転出届を記載します。転出先の海外で住所が未定の場合は、滞在する外国名を記載するだけで大丈夫です。国民保険に加入している方は同時に手続きを行います。基本的には喪失することになりますが、任意で継続することもできます。

年金事務所での相談

年金事務所で国民年金に関する相談をします。海外に住んでいても任意で加入することが可能です。また、また海外移住中でも年金を受け取ることは可能ですが、手続きが発生するので、渡航前に忘れずに行うようにしましょう。

その他書類の手配

就職活動予定のある方は、最終学歴にあたる学校の卒業証明書(英文)や日本の前職での在籍証明書が必要になる場合があります。また、お子さんが学校に通われる際に出生証明書(戸籍謄本など)を求められる学校もあります。日本で証明書を発行してもらう分には、あまり費用も掛からないので、結果として使わないことになったとしても、必要になりそうものは、あらかじめ余分に用意しておくと良いでしょう。

各種税金の支払い

住民税など年度支払分の計算が済み、納付書が届いている方は、一括して支払ってしまった方がラクです。年度の途中で海外移住をした場合でも、前年度の所得金額に応じて課税されるため、年度の分の住民税は支払わなくてはなりません。また、計算が終わっていない場合など、納税義務者が税金を支払うことができない場合は、納税管理人を選定し、役所に書類を提出します。その上で、納税管理人が代理で税金を支払うことになります。

免許証の更新

通常、免許証の更新は「有効期間満了年の誕生日の1ヶ月前から誕生日の1ヶ月後までの間」に更新を行います。しかし、海外移住などで長期不在にする場合は、更新期間前の更新手続きを行うことができます。この場合、パスポートと航空券など海外に行くことを証明できる書類が必要です。

また、海外移住中に一時帰国をして更新を行う際、住民票を抜いていなければ通常の手続きと同じですが、もし住民票を抜いており、国内の住所がない場合は、一時滞在先(実家や知人宅など)を管轄する運転免許センターで更新ができます。その場合も、本人宛の消印付郵便物や滞在先の世帯主が作成した一時帰国証明書など、そこに一時滞在していることを証明する書類が必要です。

海外赴任や海外での入院など、特別な事情があって更新期限内に更新ができない場合、失効後3年以内であれば、所定の講習を受講するだけで再取得ができます。しかし、やむを得ない事情がない場合、再取得は失効後1年以内に限定されています。

携帯電話の解約

大手キャリアの携帯なら、国内の主要空港にショップがあるので、そこで解約が可能です。解約ではなく休止にすることも可能ですが、その間は手数料が発生し、さらに契約期間としてカウントされないため、よく考えて判断しましょう。