【タイ移住2日目】タイの物件探し

サワディークラップ。
サワディーカプ雄、37歳。まだ誰の物でもありません。
タイに到着して2日と言えども、ホテルのチェックアウトまでは残り4日。ぼんやりしている時間はないので、朝食を素早く済ませ、朝10時、日本で調べておいた不動産屋へ行ってみました。事前に私がメールを送っていれば、不動産会社の人も、そして私も、効率的に動けたのでしょうが、家庭の問題が想定外に発生してしまい、このような突撃訪問になりました。
ヨネスケじゃないのに、ごめんなさいねー。
いきなりの訪問にも、快く対応してくれたのは日本人女性のスタッフ。
まずは条件を聞かれます。
わがままなカプ雄の条件は以下の通り。
・予算は最大20,000バーツ以内
・駅はオンヌット
・駅からは近ければ近いほど良く、5分以上は歩かない
・新築なければ築浅
・広さは30平米以上
・3日後の土曜日には入居をしたいが無理なら4日後の日曜日、午前11時まででも構わない
以上が口に出した条件で、心の中で付け加えた条件は以下の通りです。
・プールは必須でリゾート気分を味わえる作りであること
・できればFree Wi-Fiスペースがあること
・防音がしっかりしていること
うるせーよ、何が防音だよ、おめーの条件がうるせーよ!!
そう思った方も多いことでしょう。あいにく私はそんな人間です。ハート弱めパンチ強めで37年生きています。
サワディーカプ雄、37歳。ゆえに、まだ誰の物でもありません。
午後2時、待ち合わせに指定されたのはオンヌット駅。
1つ目の物件は、駅から徒歩2分。築浅物件ですが、その部屋自体には誰も住んだことがないため、新築の状態です。1 bed roomの34平米、家賃は18,000バーツ(1バーツ4円換算で72,000円。現在、1バーツは3.5~3.7円台ですが、私は自分を戒めるために、4円で計算してします。今後もブログ内で日本円換算を併記する場合は、1バーツ4円で計算します)。
予算内っちゃ予算内ですが、思ったほど安くはありません…。しかし、物件のエントランスに向かう敷地内から、開放的なリゾート感に溢れていて、わりと理想に近い印象を受けました。ジム(使わない)や、ビリヤードルーム(使わない)、ゲームルーム(使わない)など、共有フロアの施設が充実しており、プールの雰囲気もプチリゾートホテルのようで、カプ雄☆ご満悦。
もう、ここで決めたろか!!と舞い上がること10分。一つだけ難儀な点もありました。
タイの賃貸物件は、基本的には家具・家電付きとなっており、部屋を貸し出すオーナーが用意してくれます。しかし、この部屋は洗濯機がありませんでした。内見には部屋のオーナーも帯同していたので、洗濯機は付けてくれるのか?と聞くと、洗濯機を設置するなら、月々の家賃が2,000バーツあがって20,000バーツになる、と言われました。ちなみに自分で洗濯機を購入すると、退居の際に撤去をしなくてはならないそうです。
ねーねー奥さん、洗濯機を備え付けるだけで月々2,000バーツ(8,000円)も上がるって、ぼったくり過ぎじゃない?
そーよ、そーよ、どんな洗濯機を買うつもりよ!このオーナー、隣の部屋も持っていて、そっちも見せてくれたけど、そっちは洗濯機があって18,000バーツですってー。おかしくないー?
やだ奥さん、だったら、そっちの部屋にすれば良かったじゃないのー!
ダメよ、そっちの部屋はオーナー曰く「誰も住んでいないけれど妹がたまに泊まっている」らしいの。貸主が「たまに」って言う時は、だいたい「頻繁に」ってことでしょー。わたし、他人の気配がするところに住めないのー。
私は、東京でも合計9回の引っ越しをしましたが、全て新築でした。決して潔癖症なわけではありません。ドアノブもバスタブも吊り革も平気です。ただ、他人があらゆる感情を毎日持ち帰り続けた部屋に住むことはできません。悲しみや怨念や喜びや安らぎ…、そういう積もり積もった空気を他人から引き継ぐことが苦手です。
サワディーカプ雄、37歳。だからまだ、誰の物でもありません。
2つ目の物件は、駅から徒歩5分で20,000バーツ(約80,000円)。この物件に関しては、私は敷地に入る前からナシだと決めていました。なぜなら、不動産屋の口車に騙されまいと、そっとスマホのストップウォッチで測っていたのですが、8分以上ありました。私は椎間板ヘルニアなので、数ヶ月に一度、歩くこともままならない状態になります。そのための5分以内です。しかも外観は朽ち果てた団地風で、築2~3年と言っていましたが嘘だと思います。不動産屋に指摘をすると、壁が白だから汚れが目立つ、と言っていましたが、薄汚れた外壁にはコケが茂り、管理の杜撰さは拭えません。
時間の無駄だから部屋の中なんて見なくていーや!そう言いたくもなりましたが、不動産屋の女性は「ここはね~、私のイチオシなんですよ!」と、やけに自信満々の様子で、私を部屋まで案内しました。
玄関の扉を引き、40平米の広いリビングが目の前に広がります。
その中央には、仰向けで変色しているゴキブリの死骸。小さな身を呈して、この物件の危険さを知らせてくれたのでしょう。ありがたく成仏セヨ。カビ臭いカーテンを開けてベランダを見ると、何者かの大量のフンが数百粒、恐る恐るクローゼットを開けると、黄ばんだ布団に封の空いたコンドーム。誰かがここで命を絶ったのだろうか…、そう勘繰るほど部屋全体が不気味さに満ちており、共有のプールは華やかさやバカンス感の欠片もなく、過疎地の分校にありそうなプールでした。
どうやらここには悲しみと怨念しかなさそうです。
これでいて、最初の物件よりも高いことが信じられません。
さらに、こんな物件を「オススメです」と言い切る不動産屋のセンスも信じられません。世知辛い世の中ですもの、なるべく高い物件を契約させたいのでしょうね…。しかも、この女性、人柄は良さそうなのですが、こちらから色々と質問をしないと何も教えてくれず、さらに物件の情報が全て曖昧かつ口頭のみでの説明だったので、対応に物足りなさが残りました。
明日、別の2つの物件に連れて行ってくれるとのことで、この日は解散。近くのフードコートでパッタイを食べ、一人でシンキングタイムです。2つ目の不気味な館に関しては、記憶から消し去ることとし、1つ目の物件についてだけ思案しました。
予想していたより高くね?
洗濯機を付けてもらって20,000バーツになると、新宿の物件より30,000円安いだけじゃね?
ジムとビリヤード、いらなくね?
ネット代や水道光熱費が加わるとキツイんじゃね?
もう少し安くて良い物件はないものか、情報誌をチェックし「日本語対応可」と表記されている幾つかの不動産屋に、公衆電話から連絡をしてみました。一概には言えないのですが、私が電話をした結果、「日本語対応可」と書いていても、日本語が通じないことが多かったです。担当者が不在だ、と英語で言われたり、英語で話しかけるといきなり切られたり、何を言っても「カー」しか言わなかったり…、よって私は「日本語対応可」は「運が良ければ日本語で対応してもらえるかもしれませんよ」という意味だと解釈することにしました。
なかには「日本人直通」と書いているのに、日本語を話せないタイ人が出ることもありました。
経営者の皆さん、あなたの知らないところで、意外とヤツら、勝手に電話を切っていますよ!
日本同様、バンコクでも、安い物件には多少の理由があるのかもしれません。
日テレが女子アナに清廉さを求めたように、喜朗パイセンが国に2500億円を求めたように、新築や好条件を求めるのであれば、それなりのお金が必要です。10,000バーツ以下で理想の物件を探すことは難しいと思います。あくまで私の場合ですが、理想と現実の乖離が、確かにここに存在しました。3万円も払えば、広くて新しくてプール付きの豪華な部屋に住めるよー、なんて過去の話か郊外の話だと思います。
現在の窓の外の様子。快晴です。
サワディーカプ雄、37歳。今日も誰の物でもありません。
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