【カナダ移住体験談】カナダ人が大切にする価値観

日本とは少し異なるカナダ人の価値観

20年ほど前からカナダで暮らし、これまで様々な人々と出会ってきました。

長年、カナダに住む人たちと交流していく中で多くのことに気付き、日本で生活していた時には思いもしなかった感情や表現があることを知りました。

もちろん、それはカナダ人であるとか、日本人であるとか、だけではなく、日本で暮らしていた時は学生だった私と、今の私では気付きが違うことも関係していると思います。

また、このような感情や価値観に気付き、理解しようと考えることが人間性の成長に繋がるのだと実感しています。

そこで、今回はカナダ人が大切にする価値観を紹介していきます。カナダ人と言っても、当然、人それぞれ考え方が異なるので、当てはまらない人もいますが、全体的に「このような傾向がありがち」と受け取って頂ければ幸いです。

self-care(自己管理)

「self-care」は日本でも大切だと言われていますが、カナダでは「self-care」がどれだけ重要なのか?を話す人が多くいます。

「self-care」と言われると、多くの日本人は、栄養のある食事、質の高い睡眠、休息と仕事のバランスなど、肉体的な面を挙げがちですが、カナダ人は少し異なります。

私の周りのカナダ人が特に主張するのは『自分に優しくすること』です。

カラダを大切にするなど、肉体的なことも「self-care」に含まれていますが、自分を追い詰めないこと、必要に応じて肩の力を抜いて休むこと等、メンタル的に健康でいるために、「self-care」の大切さを説く人が多いです。

仕事をするよりも、自分を守ることの方が大切!

頭では分かっていても、なかなか日本では、それを実行できない人が多く、過労死や自殺などの問題が後を絶ちません。徐々に職場でもメンタルヘルスの対策が取られているようですが、理解が広まらなければ、なかなか状況の打破は難しいのかもしれません…。

Boundaries(境界線)

「Boundaries」は、人間関係を育む中でとても重要なものとされています。

日本語で「境界線を引く」というと、少し冷たいような感じもありますが、カナダ人は境界線を引くことで、自分を守りながら尚且つ家族や友達との人間関係も築くことができるという考えを持っています。

「Boundaries」の例を挙げると、彼氏と夜遅くまでおしゃべりしていたいけど、翌日の仕事があるから、決まった時間になれば、電話を終わりにします。

「Boundaries」には、respectの意味も含まれており、寝る時間だからと言って、ただ単に電話を切ってしまうのではなく、明日仕事があるから、睡眠が大事であるということを相手にきちんと説明して、理解してもらった上で、時間になったら電話を切ります。

「Boundaries」は、カナダでは浸透しているので、Noと言いづらい場面でも、状況を説明して断ると、多くの人は理解してくれます。

self-esteem(自己肯定感)

「self-esteem」は日本語で「自己肯定感」を意味します。

健康管理を整える中でもよく使われる言葉で、多くの人が認識しています。「self-esteem」を分かりやすく説明すると、自分自身を理解し、傲慢ではなく、自信を持ちましょう、と言う考え方です。

「self-esteem」がなくなると、自分の発言に自信などがなくなってしまい、落ち込みやすくなります。そうならないためにも「self-esteem」を積み上げていくことを大切だと言う人がたくさんいます。

be vulnerable(心を開く)

「vulnerable」を直訳すると「傷つく」という意味になりますが、「be vulnerable」になると「心を開く」「自分をさらけ出す」という意味になります。

人前で泣くのが怖い、自分の弱い部分を人に見せたくない、などの気持ちはほとんどの人が持っていると思います。

それを乗り越えて「be vulnerable」=心を開くことで、家族や友人と人間関係を築いていくことができます。

カナダでは、「judgement(偏見)を持たない」ことも重視されており、多くの人は相手がどんな人であれ、尊重します。

移民国なので、様々な文化や背景を持った人が暮らしているため、人と違うからと言って、偏見を持たれることがほとんどありません。むしろ、自分に正直になり、ありのままの姿をさらけ出すことにより、周囲の人がサポートしてくれます。

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