【カナダ移住体験談】カナダとアメリカが貿易戦争!?

カナダとアメリカの動き
カナダに移住して十数年、カナダの平和な暮らしに慣れ親しんできましたが、最近のニュースには驚かされることばかりです。
なかでも、トランプ大統領の政策により、カナダからの輸入品に25%の関税を課すと発表したり、さらには「カナダがアメリカの51州目になれば~」などと発言したことで、カナダ国内では大きな波紋を呼んでいます。
カナダ国民の反応は?
当然のことながら、カナダ国民のほとんどがこの提案に反対しています。
最新の世論調査では、90%以上のカナダ人が「カナダは独立国であり続けるべき」と回答しており、アメリカの提案を受け入れる気はまったくないようです。
また、アメリカ製品に対するボイコット運動も広がりを見せています。
スーパーではアメリカ産の商品が棚から撤去され始め、消費者も「カナダ製品を買おう」という意識が高まっています。店頭では「このオレンジはカナダ産ですか?」と尋ねる人もいたそうです。
しかし、カナダは寒冷な気候のため、オレンジの生産には適しておらず、実際にはカナダ産のオレンジというものは、ほとんど存在せず輸入に頼っています。
このような動きは食品業界だけでなく、衣類や家電、自動車など幅広い分野に広がっています。
例えば、カナダ国内の自動車ディーラーではアメリカ車の販売台数が落ち込み、カナダや他国のメーカーの車が注目されるようになっています。
また、地元のブランドを応援する動きが強まり、カナダ国内の企業が売上を伸ばしているという報道もあります。
スポーツの場でも影響が
スポーツ界でもこの問題は影響を及ぼしています。
トロントで開催されたアイスホッケーの試合では、通常試合前にアメリカとカナダの両国歌が演奏されます。しかし、最近の試合では、アメリカ国歌が流れるとカナダ側の観客からブーイングが起こり、その声が大きすぎてアメリカ国歌がほとんど聞こえない事態になりました。
これは、トランプ政権の関税政策に対する反発の現れだと考えられています。
また、スポーツファンの間でも「アメリカのチームを応援しない」という動きが見られます。
特に、アメリカとカナダのチームが対戦する試合では、カナダ側のファンが団結して自国のチームを応援する様子が目立ち、対抗意識が一層強まっています。
これからどうなるのか?
こうした状況の中、カナダに住む私としても不安が募るばかりです。
これまでカナダは平和で暮らしやすい国だと感じていましたが、もしアメリカとの関係がさらに悪化し、万が一、軍事的な衝突に発展するようなことがあれば、日本に帰国することも選択肢として考えなければなりません。
ただ、カナダ政府も手をこまねいているわけではなく、トルドー首相は「アメリカはカナダからの石油輸入に依存しているため、まだカナダには交渉のカードがある」と発言し、冷静な対応を見せています。
カナダは世界有数のエネルギー資源を持つ国であり、アメリカがカナダからの石油供給を断つことは現実的に難しいでしょう。このような背景もあり、トルドー首相は粘り強く交渉を続ける姿勢を示しています。
また、カナダ政府は国民の生活を守るための新たな対策も検討していると発表しました。
例えば、カナダ国内の企業支援策として税制優遇を行うことや国内生産の強化を促す政策が考えられています。
特に、カナダは農産物や畜産物の輸出国でもあり、国内生産を増やすことで、より自給自足を進める動きが期待されています。
私たちにできること
私たち移民は政治的な問題に直接関わることはできません。
しかし、日々の生活の中でカナダの経済を支えるための行動を取ることはできます。例えば、カナダ産の商品を選び、カナダの企業を応援することは、長期的に見ればカナダの経済を守る一助となるでしょう。
また、カナダの歴史や政治について理解を深め、国民の意識や価値観を学ぶことも重要だと感じます。
地域コミュニティへの参加も、カナダ社会を支えるための一つの方法です。例えば、ローカルの市場やイベントに足を運び、地元のビジネスを支援することで、経済の循環を生み出すことができます。
もちろん、このような状況下でも冷静に対応し、感情的にならずに、事実を見極めることも大切だと思います。
今後、カナダとアメリカの関係がどのように変化していくのか、注視しながら生活していこうと思います。