【カナダ移住体験談】カナダと日本の自転車事情
異なる自転車の利用目的
カナダでも日本と同じように、自転車を使う人が多くいます。
ただ、実際にカナダで暮らしていると、カナダ人が乗っている自転車の種類や目的が、日本とは少し異なることに気づきます。
例えば日本では、自宅から駅まで、もしくは自宅から近くのスーパーなどへ、通勤・通学や買い物などの目的で自転車を使う人が多いですが、カナダでは自転車は単なる移動手段ではなく、趣味として利用する人が多い印象を受けます。
もちろん、日本でも自転車を趣味にしている人が沢山いて、サイクリングをしている人を見かけますが、カナダでは老若男女が天気の良い時などにサイクリングを楽しみ、イベントなどが開催されると多くの自転車好きが集まります。
自転車の種類
カナダでは見かける自転車も、日本とはやや異なります。
日本では荷物を乗せることができるカゴ付きの「ママチャリ」を見かけることが多いですが、カナダではママチャリを見かけません。お店で売っているのは見かけたことがありますが、カナダで暮らし始めて17年、市内でママチャリに乗っている人は一度も見ていません。
自転車の種類が異なるのは、おそらく先ほども述べたように、自転車に乗る目的が移動手段というよりは趣味であることが関係しているのではないかと思います。
趣味としてサイクリングを楽しむために自転車を買う人が多いため、マウンテンバイクが多く、最近では電動自転車の人気も高まっています。電動自転車を使って遠出をする人もいるようです。
電動自転車が普及したばかりの頃は、ママチャリに似たタイプのものしか見かけませんでしたが、ここ数年は、カナダ人も好きそうなスポーツタイプを見かけることが増えました。
特に、私が住んでいる地域では坂が多いので、電動自転車が人気です。
また、ホテルなどに宿泊すると、観光に利用できるように自転車のレンタルをしていることもあります。日本でもレンタサイクルは増えているそうですが、カナダでは夏になると観光者らしき人が自転車で市内を散策している様子をよく見かけます。
自転車用の車線がある
カナダでは自転車が歩道を走ることは禁止されています。
日本で原付バイクが車道の端を走るように、カナダでは自転車が車道の端を走っています。自転車は自動車と同じルールに従って進むことが義務付けられており、交差点では右折車線に自転車がいることもあります。
また、狭い道路では自転車が安全に通行することができるように、車両が進む車線の他に自転車専用の車線が設けられていることもあります。
自転車の盗難が多い!
カナダは、他の国に比べると犯罪発生率は少ないですが、それでも盗難は多いです。
なかでも自転車の盗難が非常に多く、頑丈な鍵をつけていても買い物をしている隙に盗まれてしまうこともあります(鍵は破壊されて自転車を置いていた付近に捨てられています)。
さらに、自転車本体は盗まれていなくても、タイヤだけなくなっている!なんてこともあります。自転車本体を頑丈な鍵で固定しても、パーツが盗まれてしまうようでは防犯対策のしようがありません。
なるべく長時間の放置をしないこと(外に)、人通りの少ないところには駐輪しないこと等、自転車を守るための意識が必要です。
人によっては、ショッピングモールの中に自転車を持ち込んでいる人も見かけます。
カフェに行く際もドリンクを買う時だけで目の留まるところに自転車を置き、ドリンクを買ったら自転車の近くのパティオなどでスナックタイムをする人もいます。
バスに自転車を乗せられる
カナダでは駐輪している間に自転車が盗まれることが多いので、移動手段として使っている人は日本に比べて少ないですが、長距離を移動する場合、自転車の他にバスを使いたいのであれば、カナダの市バスに自転車を乗せることができます。
市バスの車両の前に、自転車用のラックが取り付けられており、バスに乗る前に自転車を乗せることができます。特に大都市では車で移動する人が少ないので、バスに自転車を乗せている人を多く見かけます。
一方、小さな街ではバスを使う人が少なく、その場合は自家用車に自転車用のラックを取り付けています。