【カナダ移住体験談】パンデミックに終止符?カナダでのデモ

オタワで大規模なデモ

カナダでは、数週間前からオタワで大規模なデモが行われています。

大型トラックが何十台も集まり、国境となる橋を閉鎖しています。そのため、カナダの東海岸では既に食料品不足の懸念が起きており、この先どうなるのか?と不安の声が上がっています。

オタワ以外でも、カナダの国旗を掲げた車がクラクションを鳴らしながら街中を通ったり、’Thank you Canada!’ と叫びながら歩く人が増えています。

このデモが始まってから、数週間が経過(2022年2月10日現在)しており、橋を塞ぐトラックの運転手たちは、この先も長く留まる準備ができている、と言っています。

デモの目的

このデモは、「すぐにコロナに関する規制を全て解除し、パンデミック対策を終了すること」を目的に行われています。

カナダでは、オミクロンが流行するようになってから、新規感染者の数は10倍にも伸びたものの、ワクチンを受けている人は症状が軽く、規制の改正が考慮されていました。

デモでは、マスク着用やワクチンパスポートなど、すべての規制を解除すれば橋を開けると主張しており、これが実現されるまでは道を開けないと主張しています。

デモに対する国の対応

デモに対してカナダ政府は、規制の解除は徐々に行うこと、すぐに全てを解除することはできないこと、しばらくの間は辛抱して欲しいこと等を発表すると同時に、クラクションを鳴らしたり、叫びながら街中を歩くことは地域の住人に騒音の危害を加えているため慎むべきだと警告しています。

このニュースに対しては、フェイスブック上などでも様々な意見が交わされており、デモに賛成の人もいれば、徐々に規制が解除されることを待つべきだ、との意見も見られます。

橋を行き来することができないため、仕事に行けない人もいれば、食料品の不足など、実際に問題も起きていることなどを挙げ、デモをするのであれば、市民を巻き込まない別の方法で行って欲しいとの意見もありました。

アルバータとケベックでは規制解除

現在(2022年2月10日)では、アルバータ州とケベック州でパンデミック対策の解除に関する発表が行われています。

アルバータ州では、2022年2月から12歳以下のマスク着用義務を解除することを発表し、3月にはイベントに対する規制も解除していくとのことです。

ケベック州では、3月中旬までにはレストランやイベントに関する規制が解除される予定です。

また、アルバータ州では、規制を解除するものの、規制がなくなること=市民をウイルスから守ることができなくなるため、これからは自分自身で守るように、と伝えています。

規制解除により予想されること

現在ではアルバータ州とケベック州のみが規制の解除を発表していますが、この先、他の州でも規制が解除されていくことが予想されます。

また、規制が解除されることにより、ワクチン接種者が増えなくなること、マスクの着用義務がなくなることでマスク着用率が減少することも予想され、外出先での感染が再び増えるおそれがあります。

ワクチンパスポートに対する意見

2021年の秋から、カナダの各州ではワクチンパスポートが使用されるようになり、ワクチン接種をしていない人は公共のイベントに参加できないことや、レストランなどでの飲食ができないなどの規制が行われてきました。

ワクチンパスポートに対しては、これまで数多くの反対意見があり、パスポートに関する規制が実行される前から反対者によるデモが行われてきました。

ワクチン接種が始まってから、感染者数と感染者の死亡率が減少したことは事実でしょうが、感染力が強いオミクロン株が流行するようになってからは、ワクチンを2回以上受けている人でも、例外なく感染しています。

そのことによって、これまでワクチンパスポートに反対してきた人々が、ワクチンを受けても感染するのであれば、ワクチンパスポートの意味はないと、規制の解除を強く主張しています。

これに対して国は、オミクロン株に関してはワクチンを受けていても感染してしまうことは事実と認めたうえで、感染した人の症状が軽いのはワクチンのおかげであり、ワクチンにより多くの命が救われていると伝えています。

オタワで行われているデモは終わりが見えず、この先の動向が気になるところです。

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