【カナダ移住体験談】カナダの健康保険と医療費

目次
【カナダの医療保険】州で定められている保険
カナダの健康保険は、州によって異なります。
私が住んでいるブリティッシュ・コロンビア州では、いわゆる国民健康保険のような『MSP』と呼ばれる健康保険システムがあります。この『MSP』は、市民や永住者だけでなく、学生としてカナダに滞在している人でも加入することが可能です。
『MSP』の費用は、ファミリーインカム(各家庭の収入)によって異なり、大人1人の場合は、月額の保険料が$11.50~$23、カップルの場合は月額$23~$46程度です。
なお、子供は無料で『MSP』に加入することができます。
留学生でも『MSP』に加入できる
ブリティッシュ・コロンビア州では、学生ビザを持っている人も『MSP』に加入することができます。
料金は月額$75程度と、市民に比べると高額ですが、『MSP』への加入は、身分証明書の代わりにもなり、当然、市民と同じ条件でカナダの医療システムを使うことができるようになります。
MSPでカバーされるものは?
ブリティッシュ・コロンビア州で『MSP』では、ファミリードクターやウォークインでの診察、救急病院での診察、産科での診察や出産、手術、検査などが100%カバーされます。
具合が悪い時に、無料で診察を受けることができることは、非常に心強いものです。また、基本的な検査もカバーされるため、カナダ滞在中に、これまでにはなかった病気が疑われた時でも、安心して医療システムを利用することができます。
MSPでカバーされないものは?
MSPでカバーされないものとして、医薬品、歯科、救急車、カウンセリング、栄養カウンセリング、マッサージ、整体などが挙げられます。
留学生の場合、カバーできる内容が幅広い民間の保険を見つけることができれば、そちらの加入を検討した方が良いかもしれません。
カナダの市民の多くは、職場が幅広いカバー内容の保険を提供していることがほとんどです。
自営業の人などは、このような保険の提供はありませんが、個人で民間の保険会社を見つけて加入している人が大半です。
MSPでは入院費がタダ!?
ブリティッシュ・コロンビア州では、入院費は全額『MSP』によってカバーされます。
具合が悪くて入院することになっても、膨大な入院費を気にすることなく、治療に専念できます。また、手術が必要な場合も、病気や怪我の治療に必要な手術であれば、全額『MSP』でカバーされます。
ただし、美容外科での手術など、病気や怪我とは関係のない手術の場合は適用外となります。
保険がない場合の治療費
カナダでは何かしらの保険に入っておかないと、医療費が非常に高額です。
どんなに健康な人でも(日本でまったく病院に行かなかった人でも)、カナダに滞在する場合は、必ず保険に加入しておくことをお勧めします。
もし、保険が入っておかないと、高額な医療費が掛かってしまいます。一例を見てみましょう。
救急車
救急車に乗ると、80ドルが掛かります。
ただし、救急車を呼んでも、乗らなければ費用は掛かりません。たとえば、ケガをした自分のために、そこに居合わせた誰かが救急車を呼んだとしても「乗りたくない」と拒否することが認められています。
救急車に関しては、カナダ市民でも、救急車がカバーされる民間の保険に入っていなければ実費になります。
救急病院
ウォークインやファミリードクターでは対応できない場合など、緊急病院で診察を受ける場合は、診察を受けるだけでも400ドル程度が必要と言われています。
それに加えて、検査費用や薬代なども掛かるので、場合によっては1,000ドル以上になってしまいます。日本円に換算すると、8万円程度です。
ウォークインやファミリードクター
緊急ではないけれど、医師の診察を受ける必要がある場合は、ウォークインまたはファミリードクターで診察を受けます。
ウォークインなどでの診察費用は50ドル~100ドル程度が平均で、それに加えて薬代が掛かります。また、検査が必要な場合も実費です。保険がないことを伝えれば、処方箋がなくても薬局で購入できる薬で対応してくれる場合もあります。
カナダに滞在中、健康で過ごせれば何よりですが、事故などはいつ起きるか予測できません。
何かあると膨大な金額が掛かってしまうので、後悔しないためにも保険には必ず加入するようにしましょう。