カナダで具合が悪くなったらどこに行く?

カナダの医療機関と仕組み
カナダの医療機関は、日本とは少し異なります。
具合が悪くなって診察が必要と思ったら、通常は最初にファミリードクターから診察を受けます。
ファミリードクターが症状に合わせて必要な診察・検査等を行い、症状の緩和と治療を目的とした薬を処方してくれます。検査の結果によっては、専門の医師に診察と治療してもらう必要があります。
その場合は、ファミリードクターが専門医に紹介状を書いてくれるので、それを持参して診察を行ってもらいます。紹介までに掛かる期間は専門医の種類によっても異なりますが、長ければ半年~1年ほど待つこともあります。
専門医に診てもらえるまでの間は、ファミリードクターが必要に応じて診察を行い、必要であれば薬を処方します。薬局で購入できる薬で対応できる場合は、薬の名前を紙に書いてくれます。
ファミリードクターとは?
ファミリードクターとは、家族のかかりつけ医のことを指し、カナダでは具合が悪くなった時に最初に行くところです。
ファミリードクターは担当の患者の履歴などを把握しているので、患者の状態に合わせて治療法を提案することができます。
国内旅行など何らかの理由でファミリードクター以外の医師が診察したことがあったとしても、他での診察の記録も全てファミリードクターに送られるので、ファミリードクターは患者がどこで、どのような検査や診察を受けているのか?を把握しています。
しかし、実際のところ、カナダではファミリードクターが見つからずに困っている人が沢山います。
ファミリードクターがいない人は、見つかるまでの間、ウォークインクリニックに行き、その日担当の先生の診察を受けます。ウォークインでも、ファミリードクターと同じレベルの診察を受けることができますが、そのクリニック以外で受けた診察などの情報が共有されていないので、診察してくれる医師が患者の履歴などを把握していません。
ウォークインクリニックで診察を受ける場合は、必要に応じて過去の病気や怪我なども伝えましょう。
病院にはいつ行く?
カナダにも、いわゆる「病院」はあります。
バンクーバーなどの大きな都市には幾つかの病院がありますが、小さな街に行くと、大きな病院はその市に1つだけ、もしくはゼロなので、必要な時には隣町の病院まで行く必要があります。
数が少ないこともあって、カナダではちょっと具合が悪いからと言って気軽に病院へ行く感じではありません。
病院には、救急車で運ばれてくる患者や高熱が3日以上続いている患者さん、脱水症状を起こしている患者さんなどが集まります。
病院の特徴としては、ファミリードクターとは違い、血液検査やレントゲン、CTスキャンなど、必要に応じた検査をすぐに受けることができます。
処方箋の薬はどこでもらう?
病院やクリニックで診察を受けた後、場合によっては薬の処方箋を渡されます。
処方箋の薬は、薬局であれば、ほぼどこでも受け取ることができます。もちろん、グローサリーストアの中にある薬局でも、処方箋の薬を受け取ることができます。
薬は国民健康保険の対象外なので実費になりますが、個人で保険に入っている場合や、職場の保険がある場合は、それでカバーされることが多いです。
救急車は有料
日本と違って、カナダでは救急車が有料です。
救急車を使って病院に行くと、それだけで80ドル程度の費用が掛かります。そのため、ほとんどの人はタクシーや自家用車で病院に行きます。
なお、救急車は呼んでも乗らなければ費用が掛かりません。万が一、自分が怪我をしたり、公共の場所で具合が悪くなったりした際に、誰かが救急車を呼んでしまっても、乗車を拒否することができます。
このように、カナダの医療システムは日本とは大きく異なります。
決してややこしいわけではありませんが、知らずに救急車で病院に行ってしまうと想定外の費用が掛かってしまうので、ある程度は事前に把握しておきましょう。


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