【カナダ移住体験談】カナダに住んでも私はやっぱり日本人!
目次
カナダには慣れたけれど日本人だと感じる瞬間
カナダに20年弱住んでいるので、すっかりカナダの生活習慣に馴染んできました。
カナダに来たばかりの頃はカルチャーショックとして捉えていたことが、今では当たり前のことになり、何も感じなくなりました。
それでもふとした瞬間に「ああ、自分は日本人なんだな」と感じることがたくさんあります。今日は年末年始に「やっぱり日本人だな」と感じる瞬間をまとめてみました。
年末に大掃除をする
カナダでは年末に大掃除をする習慣がありません。春になって気持ちよく窓を開けられるようになるタイミングで「スプリング・クリーニング」が行われます。
我が家でもスプリング・クリーニングを取り入れているのですが、やはり年末が近づくと、本能的に大掃除をしたくなってしまいます。
どうしても、今年のものは今年のうちに整理整頓し、床や窓をピカピカに掃除し、きれいな状態で新年を迎えたくなります。
もしかしたら、日本人特有の区切り(気持ち的なものも含めて)なのかもしれません。
カナダの冬は寒くて窓を開けることが難しいため、換気を伴う大掃除は正直きついものがあります。
それでも、床を磨いたり、窓を拭いたりすると「新しい年を迎える準備が整ったな」と清々しい気持ちになります。夫や子どもにもこの習慣が根付いていて「もうすぐ大掃除の時期だね」と話すようになりました。
クリスマス=カップルのイメージが離れない
カナダでは、クリスマスが一年で最も大切なイベントのひとつです。
多くの人が12月25日前後に長期休暇を取り、家族や親戚とゆったりとした時間を過ごします。日本では年末年始が家族団らんの時間ですが、こちらではクリスマスがその役割を果たしています。
ところが、長年カナダに住んでいても、日本独自の「クリスマスは恋人の日」という感覚が心のどこかに残っており、街中がクリスマスムード一色になると「どこかでディナーをして、その後にロマンチックなイルミネーションを見に行くのもいいな」なんて考えてしまいます。
最初の頃は、夫に「どうしてクリスマスに恋人同士でデートをするの?」と聞かれ「日本ではクリスマスは恋人同士で過ごす日なんだよ」と説明して驚かれました。
夫に限らず、誰に話しても、これに関しては驚かれます。
初日の出を見たがる
カナダのお正月は、1月1日のみ休日で、2日からは通常通りの生活が始まります。
この習慣にはすっかり慣れましたが、やはり1月1日は特別な日に感じます。カナダでは初日の出を気にする人はほとんどいませんが、私は数年前から初日の出を見る習慣を続けています。
カナダの冬は晴れる日が少なく、日本のようにくっきりとした初日の出を見ることは難しいこです。それでも、早朝に起きて山に登り、静かな自然の中で空が明るくなっていく様子を見るのは、特別な体験です。
雲が多い日でも、空の色が少しずつ変わっていく様子は美しく、新しい一年の始まりを感じさせてくれます。
カナダでは大晦日にパーティーをして夜更かしをするのが一般的ですが、私はその後、早起きをして山へ行っています。
地元の友人にこの話をすると「どうしてそんなに早起きするの?」と驚かれますが、日本の正月文化を少しでも感じられるこの時間がとても大切なのです。
冬の終わりには桜が恋しい!
春になると、カナダではたくさんの花が咲きますが、日本のように「桜」を特別視する文化はありません。
日本に住んでいた頃は当たり前のように見ていた桜をカナダで見るたびに、とても懐かしい気持ちになります。
バンクーバーなど一部の地域では、桜の下で日本のお花見に近い楽しみ方をすることもありますが、宴会をするのではなく、ただ静かに桜を楽しみます。
私は、春になると公園の桜の下に座ってお弁当を広げたりしますが、日本で暮らしていたころを思い出して、ほっこりとあたたかな気持ちになります。
おわりに
このように振り返ってみると、カナダの生活に馴染みながらも、日本人らしさを持ち続けている自分に気づきます。カナダに住んでもなお感じる日本文化への愛着は、私にとって大切な自分らしさです。
カナダだけではなく、他の国で暮らしている方も「やっぱり日本人だな」と感じる瞬間があるのではないでしょうか。