【カナダ移住体験談】同じ市内でも違う!治安と住みやすさ

エリアによって異なる治安

私がカナダに住んでみて、とても驚いたことの一つは「同じ市内でも、場所によって治安や雰囲気がまったく違う」ということでした。特に都市部では、その差がより顕著です。

日本でも東京や大阪などの都市部では、昼と夜で全く別の雰囲気になる街や治安が悪いとされているエリアがありますが、それ以上にハッキリとした差を感じます。

今回は、私がカナダで実際に暮らして感じた「街のエリアごとの違い」についてご紹介したいと思います。

ダウンタウン付近は活気があるけど注意が必要

ダウンタウンは、レストランやショップなどが集まり、常に多くの人で賑わっています。観光客も多く、交通の便も良いので、旅行などの短期滞在にはとても便利な場所です。

しかし、その一方で、治安の面では少し注意が必要です。

というのも、ダウンタウン付近にはホームレスが集まりやすく、薬物や精神的な問題を抱えている人も少なくありません。声をかけてくる人もいれば、道端で絶叫している人を見かけることもあります。

夜になると、そのような人たちの行動がエスカレートすることが多く、女性の一人歩きや子ども連れでの移動は避けた方が良いでしょう。

もちろんすべてのエリアが危ないというわけではなく、人通りが多く明るい道を通る、早めに帰宅するなどの対策を取れば、そこまで心配する必要はありません。

日本も近年は物騒な事件が多いと見聞きしますが、それ以上に、こうした場面に出くわすことが多いので、移住者だけではなく、旅行者も意識しておいた方が良いと思います。

また、住みやすさに関して言えば、ダウンタウン周辺は交通の便をはじめとする利便性が良いため、家賃が高めです。そのわりに築年数の古い物件が多く、コストパフォーマンスの面では良くありません。

便利さを優先するか、安心と静けさを優先するか、しっかりと考える必要があります。

郊外は安心して子育てできる住宅街に

ダウンタウンを離れて、郊外の住宅街に行くと、街の雰囲気はガラリと変わります。

戸建ての家が並び、公園や学校が近くにあり、ファミリー層が多く住んでいるエリアは、全体的にとても静かで落ち着いた環境です。

このようなエリアでは、特定の治安が悪い場所があったとしても、そこさえ避ければ、基本的に子どもたちを安心して遊ばせられる雰囲気があります。

実際に私の住んでいる地域でも、近所の子どもたちが夕方まで公園で遊んでいたり、自転車で走り回ったりしています。日本と同じように、近所付き合いもあり、みんなで子どもを見守る雰囲気があるのも心強い点です。

郊外では庭付きの家が多く、家庭菜園やバーベキューなど、日本ではなかなかできない暮らしを楽しめることも魅力のひとつです。広い空と緑に囲まれて、ゆったりとした時間が流れる感覚は、カナダならではのものかもしれません。

郊外ならではの問題とは?

ただ、郊外には郊外らしい注意点があります。それは「野生動物」です。

カナダの自然は本当に素晴らしいのですが、人間の住むエリアと野生動物の生息地が近く、私の住む地域でも「このあたりにクーガー(山ライオン)が出ました」「コヨーテに注意してください」などと書かれた警告の張り紙を見ることがあります。

近年では、クマの目撃情報がニュースで取り上げられることも増えてきました。

特に春から秋にかけては、野生動物が活発になる季節で、ごみの出し方や外での過ごし方などに注意が必要です。

たとえば、ゴミ箱をしっかり閉めないと、においにつられて動物がやってきてしまうので、小さなお子さんやペットを飼っているご家庭では、野生動物に対して注意をしながら生活しています。

私の知人の中にも、犬の散歩中にコヨーテと遭遇した人、裏庭にクマが来た人、などがいて、身近に野生動物を感じるエピソードがそこらじゅうに溢れています。

私も最初こそ驚きましたが、地域のルールを守れば基本的には安全です。

自分に合った暮らし方を見つけることが大切

治安の面から見た場合、ダウンタウンの便利さを取るか、郊外の安心感を取るかは人それぞれです。若い世代や短期留学など滞在期間が決まっている方はダウンタウンの活気を楽しむのも良いですし、子育て世代や静かに暮らしたい方には郊外がおすすめです。

私自身は、郊外の穏やかな雰囲気と自然の多さがとても気に入っていて、郊外暮らしを選んでよかったと感じています。

もちろん、どんな場所にもそれぞれの良さと注意点がありますが、実際に歩いてみたり、現地の人の声を聞いたりしながら、自分に合ったエリアを見つけていくのが、カナダでの生活を楽しむコツだと思います。

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