【カナダ移住体験談】私がカナダに移住するまで

私がカナダに来たきっかけ

最初は、ただの憧れでした。

カナダに住んでみたい!
英語だけの生活をしてみたい!
英語で仕事をしてみたい!

そんな気持ちが胸の奥で静かに灯っていました。けれど、憧れはそのままにしておくと時間とともに色あせてしまいます。

私はそれが嫌で、バケーションを兼ねた短期留学を決めました。

大きな決断に思えますが、実は「まず行ってみる」だけの小さな実験でした。

空港を降りた瞬間の澄んだ空気、街角のコーヒーの香り、初めて自分の耳で受け止め続ける英語のリズム。分からないことだらけでも、毎日が発見の連続で、寝る前にノートに書き残す「今日できたこと」が少しずつ増えていき、それが純粋に嬉しかったです。

短期留学が終わる頃には、「ここで暮らす自分」を想像するようになり、憧れは次の行動の燃料になっていました。

最高のワーホリ生活

次に選んだのはワーキングホリデーでした。

学ぶだけでなく「働いて生活すること」を実感してみたかったからです。

履歴書の書き方から文化の違いまで、壁はたくさんありました。面接でうまく言えずに帰り道で悔し涙をこぼした日もあります。

けれど、翌日また求人を探し、言い回しをメモし、友人に練習台になってもらいました。

職場で働き始めると、英語は「勉強するもの」から「使って届けるもの」に変わっていきました。

カナダの職場では「わからない」と言えることが尊重され、質問する姿勢が評価されます。完璧さより、誠実さと前進を大切にする空気に助けられ、私は失敗を怖がる癖を少しずつ手放せました。

給料日には小さなご褒美を用意し、週末は図書館とスーパーを巡って節約と暮らしを両立させる術を覚えました。

そうやって積み重ねるうちに、英語で働く一日が「特別な挑戦」から「当たり前の生活」へと静かに変わっていきました。

この1年はまさにホリデーでした。遊んで暮らしたわけではなく、毎日仕事してました。英語で生活して、英語で仕事する、これが当時の私にとって、かけがえのないホリデーで、一生忘れられない1年になりました。

ワーホリ後の決断

ワーホリの終盤、私は決めました。

「帰る」か「進む」かの二択で、心は迷いながらも前を向いていました。

永住に向けた準備は、正直に言えば楽ではありませんでした。要件の確認、書類の収集、提出期限の管理、費用の計算、そして情報の信頼性の見極め。

わからない項目に出会うたび、メモを作り、先に進んでいる人の経験を読み、役所や専門家に問い合わせました。

時には進捗が止まる日もありましたが、「なぜ移住したいのか」という原点に戻ると、また手が動き始めました。

私がやってきたのは、特別な近道ではありません。興味のある方向に向かって、調べて、実行して、試して、振り返って、また一歩進むという、地味だけれど確実な方法です。

たとえ小さな一歩でも、前に進むたびに景色が少し変わり、その変化が次の行動の背中を押してくれました。

やがて手元には、努力の重みが残る書類の束と、確かな自信が残りました。

ワーホリ後のカナダ生活

今、私はカナダでビジネスを展開し、自分のやりたいことを仕事にしています。

カナダは起業のハードルが高すぎない社会で、まず小さく始め、反応を見て改善し、必要な許認可や保険、税務の手続きを整えながら育てていける土壌があります。

地域のネットワークやオンラインのコミュニティは温かく、困った時は「誰かが知っている」という安心感が支えになります。

もちろん、ビジネスは理想だけでは回りません。数字と向き合い、現実的な選択を積み重ねる必要があります。

それでも、ここでは「自分らしさ」が価値として受け止められやすく、経験や背景をサービスに結び付けることができます。

私にとって、英語で企画し、英語で届ける日々は、言語の壁を越えて人と繋がる実感をもたらしてくれます。

カナダの多様性の中では、「正解」は一つではなく、試行錯誤そのものが歓迎されます。だからこそ、私は失敗を恐れず次の打ち手を考え、昨日より少し良い形を目指して動き続けられます。

まとめ

振り返ると、私の歩みは決して派手ではありませんが、確かな喜びに満ちています。

英語だけの生活は今でも新鮮に思え、日々の会話や仕事の中に小さな達成感が積み重なります。英語で生きる自分が好きですし、そう思える自分でいられることが何よりのご褒美です。

移住は環境を変える選択でありながら、結局は「自分の内側」と向き合う旅でもあります。

やりたいことに素直でいること、行動に移すこと、うまくいかない日の自分を責めすぎず淡々と続けること。カナダは、それを可能にする余白と、挑戦する人を受け止めるやさしさを持った国だと思います。

ここに来て、私は「自分らしく生きる」を現実に変える方法を学びました。

これからも、興味に舵を切りながら、学びと仕事を重ね、この国で私の物語を更新していきます。

読んでくださったどなたかの、最初の小さな一歩の背中を、そっと押せていますように。

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