【カナダ移住体験談】ノロになって知ったカナダの医療の流れ

カナダで体調を崩したら?

カナダで暮らしていると「もし急に体調を崩したらどうしたらいいの?」と不安になることがあります。それは、カナダ移住から約20年が経った現在でも変わりません。

つい先日、まさにそれを体験しました。

突然、下痢が止まらなくなり、約48時間ほとんど何もできない状態になりました。特に最初の24時間は非常につらく、トイレから離れられないほどでした。

食べ物だけではなく、水分を取ってもすぐに出てしまう状態で、体力がどんどん奪われていく感覚がありました。

カナダ移住後、ここまでひどい胃腸の症状は初めてだったので「これは普通の食あたりなのか、それともウイルスなのか」と不安でいっぱいでした。

とにかく下痢が止まらないことで脱水が心配になり、どう動けば良いのか?を考える必要がありました。

救急の時の電話番号

カナダ、特にBC州では、こういう時に知っておくと安心なのが 911と811の使い分けです。

命に関わるほど緊急性のある場合や脱水で意識が朦朧としている、立てない、水分が全く取れないような場合は『911』です。

911に電話すると最初に「Fire, Police, or Ambulance?(消防、警察、救急車)」と聞かれるので、救急の場合は Ambulance と答えます。

そこから症状、年齢、住所、既往歴などの個人情報を聞かれ、救急搬送が必要かどうかを判断してくれます。

BC州では緊急度によって通常の救急車の他に、歩けるけれど医療判断が必要な場合にParamedicがVanで来てくれることもあります。

逆に、そこまで緊急ではないけれど、どうしていいかわからない時は811です。

811では最初にナースと話し、必要に応じてドクターにつないでもらえます。24時間使えるので、移住者にとっても心強い存在です。

まさかの脱水症状

今回、私は811に電話し、すぐにドクターと話す流れになりました。

症状を細かく説明すると「脱水の可能性がある」と判断され、その後、Paramedic(救命救急士)がVanで自宅に来てくれました。

家で血圧や脈拍、全身状態を確認してもらい、その結果、Emergency(救急医療)ではなくUrgent Care(救急外来ほどではないが、すぐ診てもらいたい軽〜中等度のケガや病気を、予約なしで診療する医療サービス=クリニック)に行く流れになりました。

ここで感じたのは、カナダの医療はその場その場で担当する医療者によって、少し判断が変わることがあるということです。

最初の電話では、かなり慎重に脱水を心配してくれていたのですが、Urgent Careで別のドクターに診てもらった時には、「今すぐ大きな処置は必要なさそうなので、自分でLab(検体検査や医療研究を行う施設)に行って検査してください」と言われました。

正直、その時はかなり具合が悪かったので「薬が欲しいのに…」と、やや不満な気持ちが強かったです。

まさかの処方薬は・・・

その時にドクターから言われた言葉が意外でした。

「ジンジャエールを飲みなさい」

日本の感覚だと胃腸薬や点滴を期待してしまいますが、カナダでは水分と糖分をしっかり入れて体を回復させる考え方が強いのかもしれません。

半信半疑でジンジャエールを飲んでみたのですが、これが意外と私の症状に合っていて、少しずつラクになっていきました。炭酸の刺激というよりも、糖分と飲みやすさで少しずつエネルギーが戻ってきた感じです。

薬がもらえなかったことには少し拍子抜けしましたが、結果的にはこのシンプルな対処が効いた気がします。

移住生活では、日本の「こうしてもらえるはず」という感覚を一度手放して、その国の医療スタイルに合わせることも大切だと感じました。

検査の結果

翌日、なんとかLabで検査を受け、結果として ノロウイルスだったことが判明しました。

その結果を知った頃には、すでに症状のピークは過ぎていて、ほぼ完全復帰していました。結局、「原因がわかった時にはもう元気」というのもウイルス性胃腸炎あるあるかもしれません。

今回の体験で強く思ったのは、カナダ移住では病気そのものよりも「どこに電話するか」「誰に相談するか」を知っているだけで安心感がまるで違うということです。

特にBC州では、迷ったら811、脱水や意識障害など緊急性が高ければ911という流れを知っておくだけで、かなり落ち着いて行動できます。

海外生活では体調を崩すと心細くなりますが、こうした仕組みを知っておくことが自分を守る大きな力になると実感した出来事でした。

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