【カナダ移住体験談】カナダの雨事情

地域によって異なるカナダの降水量
カナダでは、地域によって雨の量が異なります。例えば、バンクーバーでは年間を通して雨の量が多いことから、雨=Vancouver weather(バンクーバーの天気)と呼ぶ人も少なくありません。しかし、同じBC州でも、バンクーバーを離れて少し内陸に行くと、バンクーバーとは反対にとても乾燥した地域が広がっています。もともとは砂漠地帯とも呼ばれていた内陸部の町では、雨が降ることが少ないことから、夏になると水不足になったり、山火事などの問題が多く発生しています。
カナダ東部に行くと、BC州などの西部に比べると湿度が高くなり、夏は日本のようなじめじめとした暑さが続きます。カナダのドライヒートを楽しみたい場合には、カナダ東部よりも西部がオススメです。
久しぶりの雨
私たちが住んでいる地域は、カナダBC州の内陸部で、とても乾燥した地域です。バンクーバーの景色を見てみると、辺り一面深い緑が広がっていますが、私たちが住んでいる町はもともと砂漠地帯だったことから、茶色い山が広がっています。町の中に並ぶ家々では、庭にスプリンクラーがしかけてあることから、綺麗な緑の芝生が並んでいますが、それでも夏になると水不足のためにスプリンクラーが制限されることから、真夏の暑い時期は庭の芝生が枯れることも少なくありません。
季節はすっかり春になり、少しずつ暑い夏日も出てくるようになりました。夏日が出てくると、ひと夏ストレートで晴天が続く年も少なくありません。そんな中、今日は久しぶりの雨でした。
久しぶりだからか、雨が降る前には「大雨警報」が出ていました。
大雨警報が出るほどの雨でも、日本の大雨に比べたら大したことはなく、ちょっと大粒の雨が数時間続いて降る程度のものですが、もともと雨が少ないこの地域ではこの雨が事前災害をもたらすこともあります。
もともと雨が少ないことから、流れる川や湖が保持できる水の量がそれほど多いものではありません。春になると、冬の間に降って山につもった雪が溶け始めることから、川や湖の水量が増えます。そんな中で大雨が降ることにより、水量がさらに増えることから、ところどころで冠水が始まります。
冠水するようになったのは去年が初めてで、町内の道路だけでなく、家が冠水して避難勧告が出された地域もあるほどでした。
冠水対策
去年は、水の量が他の年に比べて冠水災害があちこちで起きたことから、今年は春の早い段階から、湖や川の水の量がローカルのニュースでもとりあげられ、注目を浴びています。そして、ちょっとでも水量が増えてきた地域では、サンドバッグ(砂が入った袋)を並べて、家や公園、道路などの冠水対策を取っています。
サンドバッグを並べる作業は、ボランティアや個人で家の周りにする人もいますが、公共の場所では消防士さんたちが活躍して冠水予防に取り組んでいます。
特に、湖や川の近くに住んでいる人たちは、冠水して水があふれてくると家に被害が来ることから、サンドバッグを使った冠水対策は欠かすことができません。
冠水は、湖や川の近くに住んでいる人だけでなく、下水から水があふれてくることもあるので、注意を欠かすことができません。
水道水への影響
水量の増加と冠水は、住宅や道路、公園だけでなく、飲み水にも影響を与えます。地域によっては、ダムの水が濁ることから、水道水が茶色くなることがあります。水道水が茶色くなるのは、湖の水のにごりが原因なので、毒ではありませんが、お年寄りは小さな子供が飲む場合には、必ず煮沸消毒するようにとの指示があります。
また、シャワーや洗濯用の水が茶色くなることもあり、茶色い水で洗濯やシャワーをしてもそれなりに綺麗にはできますが、気持ち的にあまり嬉しいものではないのが本音といったところです。
とっておきたい水
こうして、水の量が増えて、水が余ってしまう春ですが、夏に入ると一気に水不足になります。今、余っている水を夏にとっておくことができると良いのですが、なかなか思うようにコントロールできないのが自然の力です。