【カナダ移住体験談】カナダが自己隔離を徹底する理由

ソーシャルディスタンスと自己隔離

新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受けて、カナダでは可能な限りの自己隔離とソーシャルディスタンスの徹底が継続されています(2020年4月4日現在)。

ソーシャルディスタンスとは、公の場所で人と人との感覚を2メートル以上開けるルールです。

ウイルスの感染はくしゃみや咳などから起こると言われており、また、くしゃみや咳などでウイルスが飛ぶ距離は2メートルとされています。

そのため、公の場所での感染を最小限に抑えるため、2メートルの間隔を開けるソーシャルディタンスが義務付けられています。

自己隔離は、3月の時点では海外から帰国した人や新型コロナ感染者に関わった人のみでしたが、現在では症状がない健康な人も必要でない限りは自宅で自己隔離を行い、感染を最小限に抑える取り組みが行われています。

人々の外出が減る事で、ウイルスが人から人へと感染する機会を減らすことができると言われています。

 

自己隔離による影響

カナダでは自己隔離によって、感染を今のことろ最小限に抑えられている印象があります。

それと同時に、多くのビジネスが閉鎖しているため、経済崩壊に近い状況も生まれています。現在は仕事がない人が続出しており、失業保険やその他のサポートを受けています。

このような状況を考慮して、電話や水道代、ガス代などは、支払うことができなくても切断されないルールもできています。請求がなくなるわけではないので、いつかは払わなくてはいけないのですが、現在の状況を乗り切る対策の一つとして行われています。

また、職業によっては、社員が自宅からリモートワークを行って仕事を継続しています。デイケアや学校に関しては、私が暮らしているBC州では機能していますが、受け入れの対象が限定されています。

 

経済活動を止めてまでビジネスを閉鎖する理由

多くの人が自己隔離を行い、外出を控える事により、ウイルスの拡散を最小限に抑えることができると言われている一方で、失業者が増え、生活さえ困っている人が多くいます。

しかし、カナダが自己隔離やソーシャルディスタンスを徹底するのには大きな理由があります。それは、医療崩壊を避けることです。

ウイルスが拡散されると、医療従事者にも感染が広がり、医療従事者に感染が認められると、少なくとも14日間は一部の医療機関が停止する事になります。

これによって、通常なら手術を行う事で助けられる命を助けることができなくなってしまいます。

医療の現場が麻痺すると、助けられる患者を選ばなくてはいけなくなり、このような事態を避けるために、カナダでは自己隔離が継続され、多くの人がウイルス拡散を抑えるように努めています。

 

医療現場で働く人たち

医療現場で働く人たちは、既に何人もの新型コロナウイルス感染者を見ています。マスク、手袋、医療用のスーツ(防護服)を着て、感染予防は万全に行っています。

それと同時に、医療現場で働く人たちは、家族を守るために、自宅から(家族から)離れて、ホテル等に滞在しながら仕事を続けている人も少なくありません。

小さな子供がいるお母さんも、子供を旦那さんや両親、知人等に預けて、病院の近くのホテルに滞在しながら仕事をしています(ホテルによっては、医療従事者のために無料で部屋を貸しているところもあります)。

子供と関われるのは、勤務以外の時間のフェイスタイムやビデオコールのみで、画面の向こうで子供が泣いていても、抱いてあげることすらできません。

感染のリスクや精神的な負担など、不安に押しつぶされそうな中で、必死に働いている医療従事者を、国は大きくサポートしています。

 

1日でも早い回復のため

まだまだ、ウイルスの感染者は増えており、いつ、このような状況が終わるのか?は全く見えない状況です。

ビジネス閉鎖や自己隔離によって生活ができない人、子供や家族に会えない人など、医療従事者に限らず、多くの人が困難を強いられています。

その一方で、どれだけ報道されても意識が低く、家族全員で買い物に行く人もいます。店内に入れる人数を制限するなどして、少しずつ改善策が出されていますが、行動を控えない人のために次々と対策を作る方も大変でしょう。

新型ウイルスの脅威と、それによる影響は世界中で深刻化しており、終息の目途さえ立っていません。

1日も早く、その兆しが見えることを願っています。

 

ドクター