【タイ移住541日目~タイ移住547日目】タイの年末年始
サワディーカップ。
タイ在住のサワディーカプ雄です。
私のタイ生活も残り1ヶ月を切りました。はぁ~、まだ日本は寒いよね?やだなー。
さて、いつも通り戯言から。
ワタクシ、頭は良いのですが向上心がありません。数ある欠点の中でも大きな欠陥の一つと言えるでしょう。
このまま生きて行けるほど世の中は甘くないけれど、このまま生きて行ければ良いな、とも思っています。
よって、苦手なタイプは頭が良くないのに向上心だけは強い人。それに自尊心が加わると厄介を極めます。そう強く感じた2016年でした。あけましてこのやろーございますだよ、このやろー。
2017年は、どんな年になるのでしょうか?
さほどワクワクもしていませんが、生活拠点を日本へ戻すので、何かしらの変化は生じるでしょう。
それでは、今週も陽気に振り返るタイ移住生活。541日目~547日目です。
<タイ移住541日目>
年末は28日でございます。タイ語スクールは、この日が年内最終日でした。
やったぜ~、しばらくは宿題とサクラ(鬱陶しいクラスメイト)から解放されるぜ~、年明けも行きたくねぇ~!!
クラスメイトの一人が私のお別れ会をしようと計画してくれています。
しかし、全く乗り気じゃありません。でもさ、こんな心優しい申し出を「行きたくない」とは言えないじゃん。言いだしっぺが外国人のクラスメイトだから、なおさら。
いつなら大丈夫?
そう言われる度に、必死で話を逸らしています。空気読んでっ!!!
そもそもよ、本当に思うんだけど、送別会って企画から立案まで送られる側に担当させて欲しいよね。人選と店のチョイスも含めて。送られる側が満足しない会なんて、送る側の自己満足じゃん。そのために時間を割いて、食いたくもない料理を、食いたくもない人と食うなんて、最後の最後に課せられた罰ゲームでしかないんだけど。
残り1ヶ月、必死こいて話題を逸らし続けたいと思います。ガンバレ、カプ雄!
<タイ移住542日目>
部屋で仕事。脳ミソが腐るような仕事。
午前中はwifiが絶好調だったのに、正午過ぎから途切れるようになりました。そりゃそうでしょ、電波だって、こんなデータを送るために頑張ってるんじゃねーよ。でも仕方ないのねー、これが私の食い扶持やけんー。
ノコノコと近所のカフェまで出掛けてさ、注文してさ、座ってさ、パソコン開いてさ、仕事を再開して2分後に停電。こんなクソみたいなデータを送るために電気を使ってんじゃねーぞ、だって。
何のために100バーツ(約300円)も払って、ちょっとしか入ってないコーヒーを注文したんだか。あんな量、本気出せば1秒で飲み終わるっつーの。でも仕方ないのねー、これが私の暮らす街やけんー。タバコを吸ったり、セブンへ出掛けたりして、時間を潰しておりました。
で、そのセブン。ウチの近くのセブンなんですけど、日本語を話せる女の子が働いています。
可愛らしい子!!娘にしたいくらい。高校生くらいかなー。この私が、人生でたった一度だけ結婚を考えた時期が23歳くらいだったから、その時に生まれていたら、16歳とか17歳でしょ。娘だな、もう、この子。
初めて話したのは夏。ま、年中、夏っちゃ夏だから、季節で表現すると曖昧になるんだけど、ざっくり言うと半年くらい前。
レジで唐突に、流暢な日本語を披露されました。
「日本人ですか?」
そうだけどさ、だから何?っつーね。でも、私は優しい大人ですから、笑顔で答えました。
「そうです」
なんか緊張したのか、ちょっと答え方が志村けんっぽくなっちゃったけど、女の子は手を叩いて私に言います。
「わぁ~。日本人なんですね~!!」
「……………」
珍しくなかろうもん。バンコクに日本人なんて。オンヌットでさえも、アゲハ蝶からゴキブリまで、いろんなタイプの日本人がいるし。それがきっかけで話すようになり、私が入店すると「サワディーカー」ではなく「こんにちは~」、夜になると「こんばんは~」、レジでは必ず「お元気ですか~?」と井上陽水を彷彿とさせる質問までしてくれます。
「90バーツでーす」とか「ぴったり100バーツでーす」と値段も流暢な日本語で伝える完璧ぶり。外国人特有の変なアクセントもなく、美しい日本語を話します。
「え?ハーフ?」
そう尋ねたところ「ハーフ??パサーアンクリット(英語)ですか?」と聞き返されたので、日本語で尋ね直しました。
「あいの子?」
さすがに通じません。日本でも一定の世代以下には通じません。
少し話は変わりますが、数ヵ月前までは学校のクラスメイトが、同年代の主婦や少しだけ下の世代が多かったので、それゆえに通じた言葉もありました。しかし、現在はクラスメイトが変わり、遙かに若い人が多いので、私の使う言葉をなかなか理解してくれません。
先生が言います。
「これらの単語は日本語で何と言いますか?カプ雄さん、答えて下さい」
テキストには、ノート・傘・パジャマを意味するタイ文字が書かれていました。理解できた私は答えます。
「日本語で、帳面・コウモリ・寝間着と言います」
ポッカーンだから、みんな。
ちなみに私の母は、台所用洗剤なら全てをママレモンと表現し、入浴剤のことはバスクリン、殺虫剤のことはキンチョール、解熱剤をバファリン、おむつをパンパース、美容室をパーマ屋と言います。
<タイ移住543日目>
2016年が終わる前日、近所のイタリアンレストランでピザをテイクアウトしました。
イタリア人の主人とタイ人の妻、その娘で営んでいる小さな店ですが、本格的なピザ釜で焼くので美味しくて、私は度々利用しています。この日、たまたま歩道橋の上でタイ人妻に会った際「ピザってテイクアウトできる?」と聞いたところ「できる、できる。今夜?何時?作っておくよ」と言われたので「8時。シーフードピザね」と伝え、8時ちょうどに行きました。
はい、そうです。キレイさっぱり忘れていました。タイらしい出来事です。
店に行くと、第一声が「どうしたの?」だから。
どうしたの?じゃねーよ!!数時間前に歩道橋でピザを頼んだじゃん!!
あっ!と、咄嗟には隠しきれなかったであろう表情を浮かべた後、「そうだよね、今やってる。5分待って」と告げられました。タイの5分は、時に10分でもあれば、5時間でもあります。家から徒歩1分の距離とは言え、戻ってしまうと、また忘れられそうなので、店の中で待ち続けました。
ジャガジャーン。これで220バーツ(約660円)。箱代は掛かりません。生地がパリッパリしていて、本当にアロくて。
でも、こういう時に限って、呼んでもいないのに友人が家にやって来るんですよー。いいですねー、嗅覚だけで生きている人って。物乞い気質が羨ましいくらいです。
「ウマいっすねー。何か飲んでも良いですか?」
許可を出す前に冷蔵庫を開けられます。
「カプ雄さん、ロイヤルプロジェクトのジャム、2種類使っているんですね。イチゴじゃない方、何ですか?」
「マルベリー。ハチミツもあるよ。つーか、水かお茶出したら、さっさと閉めて」
「あ、この大きいのサーモンですか?スコットランドって書いてる」
「そう、スモークサーモン。いいから、早く閉めて」
「すげえ、マンゴー3つもある。日本だったら、財閥の冷蔵庫ですよ」
「うるせぇな、閉めろよ、おまえ!!!!!!」
ロイヤル・プロジェクトとは、タイ王室プロジェクトの商品で、ジャムは80バーツ(約240円)、ハチミツは35バーツ(約105円)、高くも安くもない値段ですが、アロアロなので買っています。スモークサーモンはスーパーで半額以下の55バーツ(約165円)、マンゴーはオマケしてもらって3個で100バーツ(約300円)。財閥の冷蔵庫の中身は総額1,050円です。
<タイ移住544日目>
大晦日の夜は、タラート・ロットファイ・シーナカリンへ行きました。この界隈のナイトマーケットでは一番広いと思います。写真ですが、恒例のナシ。頻繁に行くところほど、撮ろうとさえも思わないものです。
あ、昨年の4月に行った時の1枚があったので、これで雰囲気を掴んで頂けたら…。
行き方・・・。興味のある方は、ネットでお調べ下さいませ。いくらでも載っております。
ちなみに、降りるところは巨大ショッピングモールのシーコンスクエア前ですが、間違って通り過ぎても、その次に停まる55モールとパラダイスパークの間の道が終点なので、焦らなくて大丈夫。歩いて戻っても5分程度です。
ここでカウントダウンもやるよー!
ナイトマーケットの店員たちは口々に教えてくれましたが、来る直前にパラダイスパークのH&Mで洋服を3着も買ってしまい、その結果、早々と帰りたくなり、21時にはアパートへ戻りました。年を取ると、2016年が2017年になろうとて、何てことないんです。
2016年、最後に食べたものは、チーズたっぷりフライドポテト59バーツ(約177円)。
つくづく自分にガッカリしたのは、また洋服を買ったこと。もう帰国の日が見えているから、荷物を減らさないといけないのに…。しかも夏服。いらねーじゃん、日本の2月に。頭では分かっていますが、H&Mの容赦ないセールには、いつも負けてしまいます。
<タイ移住545日目>
元旦。ハッピーニューイヤーン。
大晦日の昼12時から、元旦の昼12時までBTS(電車)は無料でした。
券売機の前で係員がフリーチケットを配っていたので、ラビットカードを持っている人は気付かずに、いつも通り乗っちゃっていました。券売機を使えなくして、改札口で配ればいいのに…。
なんにせよ、こういう観光大国っぽいサービスには感心します。日本の電車なんて、利用者を食い物にするだけで、まったく還元しないでしょ。せめて東京メトロくらい、東京って名乗っている意地を見せて欲しい!!都営線は、ちょっと可哀相な気がするから、無理に頑張らなくて良いけど。そんなことより、都営新宿線の車内がたまに雑巾臭いことを何とかしてほしいものです。
行き先はチットロムのインターナショナル・ブッフェ。要するに、特にこだわりのなさそうな物がズラリと並んでいるビュッフェで、1人499バーツ(約1,497円)。私の場合、いろいろとトラブルが多いので、自分で好き勝手に動けるビュッフェが一番ラクです。
<タイ移住546日目>
なんもしてねえ。仕事だけしていました。
カフェで仕事をしていたのですが、寒いなーと思って温度計を見ると、まさかの13度。
「何とかならないの?」
私の問いに店員は悲しそうな顔で言います。
「ビル全体で管理しているから、何ともならない。私たちもすごく寒い」
常夏の国で手先が痺れる、誰トク?
そもそもタイでは、電力を近隣諸国から購入して賄っています。
節電しろや!!!
<タイ移住547日目>
引き続き、なんもしてねえ。仕事だけしていました。
しいて言えば、ちょっとした相談があって、同年代の友人に連絡をした際に「わくわく24」(風呂の温度を保つ装置)の話題にまで時代が遡り、なんとなく昭和臭にまみれた日でした。
この人、本当に面白くて、今回はタイ移住でお伝えできる話が少なかったので、この人がお姑さん、通称トメと同居している話で終わりにしたいと思います。
あれは2ヶ月くらい前。
スーパーから戻ると、突然トメが言ったそうです。
「ごめんな、大変やろうな…ごめんな」
謎の謝罪は呂律が回っておらず、異様な変化にただならぬものを感じ、トメに尋ねました。
「どこか体調が悪いんじゃないですか?」
トメは言います。
「私の事はええねん、大丈夫やから。もう気にしてもらわんでええから」
トメは少し前から病気を患っており、この日も腕が腫れていたと言います。そういう症状を伴う病気です。
またか…。
回らない呂律も気になり、病院へ連れて行くべきか?救急車を呼ぶべきか?迷いながらも別の部屋にいる息子を呼びます。
「おばあちゃん、様子おかしいやろ?」
息子もトメの異変を感じ取り、脳にも何か影響が出ているのでは?と、掛かりつけの医師に相談をしたところ、救急に電話をして聞いた方が良いと言われ、脳外科のある病院に片っ端から電話を掛け、時間外でも診察してくれる病院を探したそうです。
トメは言います。
「私のことはええって…」
まるで、この世から消えてなくなるかのような言葉を、しおらしく、時には弱々しく呟き、息子(トメの孫)にも消えそうな声で語りかけました。
「あとは頼むで。頑張ってや」
言葉を託された息子は、足元のおぼつかないトメを支えながらベッドに連れて行く際、ある種の恐怖を感じたそうです。
1時間後、ようやく時間外でも診察をしてくれる病院が見つかりました。
しかし、トメは頑なに拒みます。
「寝てたら治る。大丈夫。行かんでええって!」
あら?さっきより呂律が回ってるんだけど、回復した?
そうは思っても心配です。テレビで「一瞬の見落としが大変なことに繋がる」と何度も放送しているし、必死になってトメを説得し続けました。
「ええって。こんな格好で行くの恥ずかしいやんかー」
命の瀬戸際でも、見栄えを気にする乙女のトメ。
「大丈夫ですよ。普通の洋服じゃないですかー」
トメをなだめ、機嫌を窺い、辛抱強く説得を続けます。
「ちょっとだけ診てもらえば良いんですよ。呂律が回っていなくて心配ですし」
「大丈夫やのに」
強情なトメの体温計を見せてもらうと、35度と低めの数値。
「体温が低いから寒くて呂律が回っていないのかもしれませんね」
心の中では、脳で何かが起きている…と思いつつも、トメを心配させないように、絶対に怖がらせないように、優しい配慮を重ねた直後、トメは言いました。
「せやねん。寒いから、昼ご飯の前に、お酒飲んでん」
お酒飲んでん、お酒飲んでん、お酒飲んでん…。
こだま。頭の中で繰り返し鳴り響く、お酒飲んでん。リピート・アフター・ミー。お酒飲んでん。
は?昼間っから酒飲んだのかよ!!
それで呂律が回らず、足もおぼつかないってか!!!
マジかよ…_| ̄|○ 疲れさせんなよ…_| ̄|○
立て続けに発せられた遺言風のセリフと慌てふためく家族。そしてババアの美しきオチ!!
私が、この家族を知っているから、余計に笑えるんでしょうね…。とんだ告白の後の脱力した瞬間まで、まるで目の前で繰り広げられているかの如く、鮮明に浮かびます。
いろいろ家族内で揉めたりしますが(しかも頻繁に)、そのエピソードのどれもが、どこか滑稽で微笑ましく、愛らしい家族です。タイから戻ったら会いに行く約束をしています。
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これを食べさせてもらうの巻。
1人パンビュッフェでおまー。