【タイ移住394日目~タイ移住400日目】タイの入国審査

えらいもんで肩って凝りますでしょう?
この間、マッサージ屋でネック&ショルダーって言うメニューがあって、タイマッサージやフットマッサージより値段は高かったんですけど、肩を重点的にやってもらいたかったんで、それにしたんですよ。

どうしてでしょうね。
ほとんど頭。しかも、両耳の上を強くグリグリ繰り返すだけ。ああもう、絶対そこだけ、髪の毛がチリチリになるじゃん!って途中から不安になって。あれ、言った?言ったっけ?ニッチェみたくして下さいって言った?言ってないと思うんだけど。

案の定、60分後、ニッチェの完成ですよ。鏡に映ったニッチェにワイをしてみました。
サワディーカップ。バンコク在住、江上カプ雄です。

今週は【タイ移住394日目~タイ移住400日目】ですが、私のブログには、だいたい2週間のタイムラグがあります。
体調やwifiの調子を考慮して、ってこともありますが、大きな理由の一つになっているのは、やりどころのない怒りを鎮めるためには時間が必要だと判断したからです。
プンスカ怒っていると汚い言葉で他人を罵ってしまい、その乱暴かつ身勝手な言い分に、読んでいる人までイヤな気持ちになると思うんです。私自身も読み返して、自分の文章ながら嫌になります。

今回のブログは、その成果が出ていると思います。
移住396日目に、ものすごく腹の立った出来事があったのですが、時間の経過とともに、別に怒るようなことではないと思ったり、むしろ彼女は重大な責務を負っているのだと考えるようになりました。

その前に、気持ちも穏やかだったラオス・ルアンパバーンの旅の続きから、お付き合い下さい。

<タイ移住394日目:ラオス旅行8日目>

朝5時半に起床し、托鉢を見学。
托鉢は本来、市民が仏教への帰依を示す神聖な行いですが、ルアンパバーンでは毎朝の托鉢が観光の目玉にもなっています。

宿から徒歩1分の場所で、托鉢は行われていました。
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点在している沢山の寺から、正装したお坊さんが一列になって出て来ます。そして、お坊さんたちが手にしている器に、これまた道路沿いに座って列を作る人々(市民や観光客)が、白米やお菓子を入れて行きます。朝靄に包まれ、より美しく見える街で繰り広げられる幻想的な光景を眺めていたのですが、お坊さんの衝撃的な行動に思わず開いてしまった口が塞がりませんでした。

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す、す、捨てていらっしゃる!農家の方々が大切に育てた米を、お、お、お捨てになられてる!
マジ高貴すぎるプレイなんだけど!!

よく見ていると、お坊さんの列の後方には、あからさまに眠そう顔をしながら歩いている修行僧もいて、彼はゴミ箱と間違えて、座っている市民のカゴに、米を捨てていました。
どうしよう、もう幻想的になんて見えないんだが!!!

一度でも「渋々やっているんだな」と思うと、なんだか見る気も失せ、さっさと宿で二度寝をしました。
<追記>ゴミ箱ではない、とご指摘を頂きました。じゃ、パンドラの箱でしょうね。

「またね」
そう日本語で言って手を振るベトナム青年たちに別れを告げ、この日はホテルを移動します。なんならバンコクの自分の部屋よりも寛げた空間で、離れるには惜しかったのですが、あらかじめ3泊・2泊で別の宿を予約していたので仕方ありません。

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キレイでシャレオツねー。リゾートっぽくて、わりと好みですが、ラオスっぽさは感じられません。
しかも、敷地の中央に大きな池があるので蚊や虫が多く、さらにリゾートっぽい感じのホテルなのに、ウェルカムドリンクもなければ愛想もなく、少しベッドに横たわるだけで、朝までいた安宿に戻りたくなりました。

ホテルが贅沢仕様だと、気分も贅沢仕様になり、夜は水牛のステーキ。
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贅沢って言っても、90,000キープ(約1,125円)。
ラオス、特にルアンパバーンに来てからは、終始ゴキゲンだった私ですが、この日の深夜、久しぶりにファビョります。
きっかけは、タイ語スクールからの、こんなメール。

「カプ雄さん、先日はビザコースへの申し込み、ありがとうございました。しかし、まだ文部省からビザの書類が届いていません。あと3週間で届くと思いますが、一度、学校へお越し下さい」

そんな旨が英語で書かれていました。
つーかさ、サイトが日本語で、最初にメールで問い合わせをした時も日本語で返信が来たから、この学校に決めたのに、どうして申し込み以降は、電話もメールも英語なんだよ!!いちいち英語で返信するのが面倒くさいんだけど!!

でも、ファビョった原因は、そんなことではありません。

文部省からの書類が届いていません、って書かれていますが、数週間前に書類が届いたとの連絡があり、翌日、取りに行っています。しかも、そこで授業開始日やレッスンスケジュールの確認までして、その後、こうして書類を持って、ビザの申請をするためにラオスまで来て、無事にビザも取れています。

何これ、人違い?
そもそも6月に申し込んで、本当に8月現在、書類が届いていなかったら、それはそれで問題だと思うんだけど!!
いちいち本気で怒ってしまう私も悪いのですが、かなり重要なことにも関わらず、あまりに適当な仕事ぶりで、さらに責任の所在をハッキリさせない対応など、小さな不満がいろいろと募っては、怒りでワナワナと震えました。
この感情のまま返信をすると、喧嘩腰になってしまうので、しばらく頭を冷やそうとバルコニーへ出たら、小さな段差になっている木の台(部屋とバルコニーの間の踏み台)がひっくり返り、派手に転倒する始末。おまけにwifiがいきなり遮断され「どれもこれも全部、学校のせいじゃ!!」と、頭にのぼった血は今にも吹き出さんばかりに沸々と煮えたぎりました。

おかげで寝る直前の排便が血便でした。
カラダも短気で正直ナンデス。

<タイ移住395日目:ラオス旅行9日目>

部屋でパソコンをしている時間が長い日だったので、ルアンパバーンの写真を貼るだけで、おし・マイケル!

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<タイ移住396日目:ラオス旅行10日目>

ラオス滞在中にタイを恋しくなることは一度もありませんでした。
それでも、帰国の日は来てしまいます。

帰りもエア・アジア。
ビエンチャン同様、ルアンパバーンとの直行便も始まりました。片道およそ5,700円です。

隣の席が日本人の若い男2人組だったので「静かだろうなぁ」なんて思っていたら、すげぇうるせーーの!!
なんだろ、学生時代から思っていたんだけど、つまんねぇーヤツほど大声で喋るんだよね!!
だいたいさ、この人たち、ラオスでも2人だったんだよね?なんなら、ラオスに来るまでの飛行機も2人だったんだよね?それなのに、こんなに喋ることある?
しかも、話の内容が、もう~もう~もう~。あ~もう~、思い出すだけでも鳥肌モン。

察するに学生なんだけど、起業サークルっぽいのに入っていて、もう~、これもう~、もう~もう~、ワタシ知ッテルアルヨ。起業サークル、一番タチ悪イアルネ。ただ、私が今、お世話になっている会社の社長は起業サークルの出身なので、これ以上はノーコメンツ。今クビになると困ります。

この2人組は、誰かに聞いて欲しいのかよ!って思うくらい、甲高くて大きな声で、経営がどうのこうのとか、資産がどうのこうのとか、浅すぎて反吐さえ出そうな話を繰り返し、あまりの拒絶っぷりに耳から毛が生えて来そうでした。通称ラオ毛。ラオ毛で全身毛むくじゃら寸前だっつーの。

飛行時間が短いので、ラオ毛でカプ雄が包まれる前に、ドンムアン空港に到着しました。入国審査は長蛇の列です。
スワンナプームはいつだって混雑しているけれど、ドンムアンでこんな行列を見たのは、おじちゃん初めて!
飛行機50分で、入国審査待ちが2時間って、どうなの?もう一往復しても時間が余るじゃん。

長々と並んでいると、他人の背中さえも苛立ちの対象になります。
「入国カードを書いていないヤツは並び直させろよ」とか「なんで、こんなに時間が掛かってんの、こいつ!」とか、その苛立ちは「私ならすぐに入国ができる」と言う確固たる自信から来ていました。

ところが、私の番になって思いがけない展開です。
ビザのページを開いたパスポートと入国カードを手渡すと、ダンゴ虫メス(入国審査官)が気難しそうな顔で「メニーメニー」と呟き、乱暴にパスポートのページをペラペラとめくり、額に手を当て、考え込むポーズを披露しました。

メニーメニーってほどメニーじゃないだろ!正規の手続きを経て、金まで払ってビザを取得したって言うのに。
ちなみに私は観光ビザが2枚(うち1回は延長)で、ビザなし入国を2回(延長ナシ)、学生ビザも過去1枚で、通算で1年1ヶ月程度の滞在の内、ほとんどはビザを取得しての来タイです。

ダンゴ虫メスは、しばらく考え込んだ後、唐突にタイ語で質問をしてきました。
「なぜタイ語を勉強したいの?」
そんなのオメエに話す必要あんのかよ?と、この時点でムカついていたのですが、真摯にタイ語で返答します。
「タイ人と話したいから」
「なぜタイ人と話したいの?」
「話してどうするの?」
矢継ぎ早の質問に頭が真っ白。しかも、こうなって来ると私のタイ語レベルでは通用しません。
タイ語と英語を交えながら、私なりに必死で答えると、ダンゴ虫メス、不機嫌そうに一言。
「は?」

は?じゃねーよ!!バルサン焚くぞ、このメス!!

もう一度、全てを英語で説明し直すと、次に前回の観光ビザを指し「この観光ビザでどこに行ったの?」と尋ねられます。
「チェンマイ」
「チェンマイでは何をしたの?」
「ドーイステープへ行った」
「他は?それだけならビザは要らないでしょ」

うるせえな。似たような寺ばっかりなのに、いちいち名前なんて覚えてねぇよ!!
学生ビザや観光ビザで不法就労をする輩もいるので、私も漏れなく疑われたのだと思います。

なあに?もしかして先進国にでもなったつもり??ヘソが、おぶうを沸かしちゃうぜー。
いいですか?何が悲しくてビザも持たずに、こんな所得の低い国で働かなきゃなんないの。笑わせないでおくんなんし。バーツなんてシャボン玉、アンタの生涯年収は、とうの昔に稼ぎ終わったわ!!

心の中の悪態とは裏腹に、不安と愛想を交互に浮かべながら、媚をへつらいます。

しつこく、その後も本当にしつこく「3ヶ月経ったら帰るのね?」「3ヶ月で帰りなさいよ」「これが最後よ、いい?」と何度も何度も念を押されました。
逆に聞きたいんだけど、私に居られて何の不都合があるってーの。何の害もない小さな虫が一匹、手入れの行き届いていない庭に入り込んだ程度でしょうに。権限を盾に他人の人生にまで指図をする暇があるなら、その顔のシミをどうにかしろっての、形が房総半島になってるじぇねーか!

でも、ダメ。
怒りを態度に出してはいけません。ならぬものはならぬのです。
入国審査で、どんなに見下すような態度を取られようとも、全ての決定権は審査官にあります。
大使館からのメールで読んだのですが、決定に不服で大声を出したり、机を叩いたりして、入国禁止や強制送還になった事例もあるようです。このことに関しての注意事項は頻繁に届くので、ついファビョっちゃう人が多いのだと思います。

私は大使館が配信してくださる啓蒙メールを何度も目にしていたので、ひたすら懇願するような目つきで、泣きつくように、それこそ施しを乞うように「終わったら帰ります、これで最後でいいです」と伝えました。ささやかな抵抗と言えば、スタンプを押されたパスポートを返された時に「サンキュー、ダンゴ虫。調子に乗ってんなよ」と言うくらいで、この場においては、気が小さいくらいで丁度良いのです。

「然るべきビザを取って下さい」
そんな言葉をあちこちで見かけますが、結局は然るべきビザを取ったとしても、今回のように入国審査でピンチが訪れる可能性もあります。別の審査官だったら、すんなり通れるかもしれないし、ビザさえ取得できない恐れもあります。
その一方で、何度も何度も観光ビザだけで滞在し続けられている人もいれば、私なんかより比べ物にならないほど多い出入国でも簡単に通れる人もいて、基準は曖昧で乱暴です。

もしかしたら、日本を訪れている外国人も、同じような想いをしているのでしょうか?

この時は、かなり憤慨していましたが、時間と共に、自国へ入国する人を精査する責任がダンゴ虫メスにはあり、彼女は彼女なりに自分の責務を全うしたのだと思うようになりました。

最初から私のロングステイは、特別な目的があるわけではありません。旅行で訪れたタイを気に入り、日常に旅を伴うような生活を、ただなんとなく送ってみたかったからに過ぎません。裏を返せば、拒まれながらもしつこくタイに執着する理由もありません。風が吹くように、そして何かの匂いに釣られるように、もちろん日本を含めて、思い立った場所で過ごしていきたいと思います。

今回の入国が、このロングステイにおける最後のタイでの入国審査になるでしょう。
未練は一つもありません。あっちこっちで揉め続けた日々も含めて、いつか楽しい記憶として想いを馳せられるよう、限られた瞬間を大切に過ごして行きたいと思います。

あばよ、ダンゴ虫メス。

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心の中とは言え、ディスって本当にごめんなさい。