【カナダ移住体験談】新しい有給病気休暇がスタート

新しい有給休暇の制度がスタート

新型コロナウイルスによるパンデミックが起きて以来、カナダでは様々な対策が取られてきました。

その多くは、コロナウイルスの感染予防に関する政策でしたが、今回はコロナだけではなく、風邪やインフルエンザも含む、感染症の病気を予防するための新しい対策が発表されました。

この新しい政策は、’five days of paid sick leave each year’というもので、病気で具合が悪い場合、1年につき5日まで有給休暇を取得できる政策です。

2022年1月1日から適用される予定で、この有給休暇を正式に得るためには、最低でも90日間、同じ雇用主の下で働いている必要があります。つまり、単発の仕事の場合に適用されない可能性があります。

ただし、この政策はフルタイム労働者に限らず、パートタイムの労働者にも適用されます。また、永住権や市民権を持った労働者だけではなく、BC州で働いている全ての労働者に適用される予定です。

労働者への安心感

有給病気休暇の導入により、これまでは具合が悪くても給料が減ってしまうことが心配で無理して仕事をしてしまうと人が多くいました。

職場から了承を得て病欠をすることができたとしても、休んだ分の給料が減らされてしまうとなると、身体を休めることができても、経済的な不安に対するストレスが生じて、思うように休めない人も多くいたことでしょう。

しかし、この新しい有給休暇制度の導入により、具合の悪い時に多くの人が安心して、安静をすることができるようになると思われます。

2022年1月スタート予定なので、現時点(2021年11月27日)では、まだ始まっていませんが、この先どのように雇用主と労働者に影響が出るのか、気になるところです。

労働環境への安心感

給料の減少を気にすることなく、具合が悪い時に欠勤できるようになると、これまでは多少具合が悪くても無理して出勤していた労働者が欠勤できるようになるため、職場での感染に対する不安が軽減されることになります。

具合が悪い人が無理して出勤することにより、風邪やインフルエンザなどの病気が他の社員へと広まってしまう可能性があります。しかし、体調が悪い人が自宅で安静にすることができれば、病気の早期回復だけではなく、職場での感染も予防することができます。

コロナに対する感染予防対策は、これまで様々なものが行われてきましたが、この新しい対策の導入により、コロナ以外の病気の感染予防にもつながることが予想されます。

カナダのボンニー博士(という人がいるみたいです)は、この有給休暇の導入により、コロナの感染に対する不安が大きく軽減されることを予測しています。

変わりつつノーマル

2020年に新型コロナウイルスが流行し始めたばかりの頃は、世界のあちこちでロックダウンが行われ、そのうちには、この状況が「なくなる」のではなく「新しいノーマル」として変わっていくのだという考えが発言されるようになりました。

これまで、自宅から仕事をすることなんて、ほとんどなかった日本でも、多くの人が可能な限り(出勤日数を最小限に抑えるなどして)、自宅から仕事をしています。カナダでも同じく、多くの労働者が自宅から仕事をするようになりました。

マスクをして外出する行為も、もともとマスクを使う文化がなかったカナダでは、反対の意見を耳にすることが多々ありましたが、現在では当たり前のように、みんながマスクをつけて外出しています。

むしろ、マスクをつけないで公共の場所(室内)に外出をすると、マスクをつけるように指摘されたり、人からジロジロと見られたりすることもあります。

2022年1月からスタート予定の「具合が悪い時に有給で仕事を休むことができる」という制度も、新型コロナウイルスが流行しなければ実行されなかった政策だと思われます。

現在は、コロナのワクチン接種に対する意見が賛否両論を含めて連日のように交わされていますが、この状況も時が経つに連れて変わっていくのではないか、と個人的には思っています。

病欠